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オリジナル
56.一途年下×男前年上(美形×平凡)
しおりを挟む親の再婚で年の離れた弟が出来た中学生の平凡(利也)。弟が小学生になると、友達を家に連れてくるようになる。
その頃には大学生になってる利也なんだけど、家にいるタイミングで弟達と鉢合わせると、いつも遊んであげてた。
そんなある日、利也は弟の親友くん(梓馬)に告白される。
「としやさん、すきです!ぼくとつきあって!」
顔を真っ赤にして真剣に伝えてくる梓馬。
突然のことにポカンとしてしまう利也。すぐにハッとして、それから優しく笑って話しかける。
「えぇと、梓馬くん。好きって言ってくれてありがとうね、嬉しいよ」
「ッじゃあ!?」
「でもごめんね?俺は梓馬くんよりすごく年上だし、これからきっと俺より素敵な人に出逢えると思う。だから、俺は梓馬くんとは付き合えないんだ。ほんと、ゴメンね?」
目線を合わせて、諭すように言う利也。いつの間にか俯いてしまった梓馬に、少しだけ罪悪感を感じるが、こればかりは諦めてもらうより無い。
言いたいことを言ったと、利也は弟を呼んでこようとした。
しかし。
「……そんなこと、ない」
「え?」
「としやさんよりいい人なんてできないもん!ずっとずっと好きだもん!!」
「ちょ、梓馬くん!?」
「ぼく、絶対あきらめないから!うんっていうまでずっと言うからねッ!!」
「え、あのっ、ちょっと……!?」
泣きそうな顔で捲し立てた梓馬は、そのまま走って部屋を出ていく。呆気に取られていたら、「待ってよー!」という梓馬を追いかける弟の声が聞こえて、やっと我に返った。
「えぇー……。なにあれ。どうしよ……」
小さな子供を傷つけてしまった?とモヤモヤしながらその日一日を過ごしたのだが、帰宅すると弟から「兄ちゃん、あきらめたほうがいいよ。梓馬、本気だからね」と、若干憐れみの目を向けられた。解せぬ。
まぁ、きっと若気の至りだろうから、すぐに忘れるさ!と高を括っていた利也。
ところがどっこい。中学生になっても高校生になっても、梓馬は気持ちをぶつけてくるのを辞めない。それどころか、どんどん押しが強くなるし、ボディタッチも増えるしで、おじさんになった利也を翻弄してくる。
年々イケメンになるし、背だって利也を追い越して見上げるくらいになるしで、躱すのも逃げるのも抗うのも難しくなってきた利也。
そしてとうとう弟たちが成人を迎えたその日。
「もう子供じゃないし、この十数年、俺の気持ちは変わることは無かったよ?……いい加減受け入れて俺のものになって」
二人で成人祝いをしていた利也の部屋で、梓馬に押し倒された。
「…………ほんとバカだよお前。こんなオジさんが欲しいなんて。……でも、こんな子供にその気にされて、お前の未来を奪っちまう俺の方が、もっとバカだよな」
「そ、それって!」
「ずっと好きでいてくれてありがとう。いつからか、俺もお前のこと好きになってたよ。こんなオッサンで良かったら、いくらでもお前にやる」
うっすら顔を赤らめ、それでも男前に笑う利也。
「嬉しい……っ!!オッサンなんかじゃないよ!利也さんはずっとずっとかっこよくて可愛くて、世界で1番好きな人!!」
嬉し涙を浮かべた梓馬は、力いっぱい利也を抱きしめ、それからそっとキスをする。
ーーそれから2人は、歳をとってもいつまでも仲良く幸せに暮らしたのでした。
ちなみに弟くんは、ずっと2人を応援してたし、親にも説明してくれてた。家のことも、自分がちゃんとするからって言って、本当に結婚して子供も作って、兄達がなんにも心配しなくていいようにしてくれたよ!いい子!
一途年下美形×年上男前平凡
CP名:等々力梓馬×平浦利也
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