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5 情報の力

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## はじめまして賭博場

 3日目、朝、さっそく俺は有り金を全部もって賭博場へと向かった。

 やはり真剣さは、成長の鍵になるだろう。

 最初は小さな掛け金でルールをざっくりと覚えていく。カードを使った遊びである。

 あとは、異能の特訓として、少しずつ掛け金をあげていき、お金を増やしていく。

 カードの認識がまだ鮮明ではないが、通いつめれば、なかなか使い物になりそうだ。

 そして、その遠隔での異能発現は情報にも影響を与えていた。

 わずかながら、相手の心、考えが感じ取れた。

 嘘、はったり、虚勢、確信、喜び、そういった情報は俺を有利にしていった。

 そうしてまた、天運値が最大であることもあり、俺は運もよかったのである。

 こうして俺は、手持ちの資金を10倍に増やして昼過ぎに賭博場を後にした。


## 魅力と情報のコラボレーション

 昼は露店や商店などで異能をつかい、商品について触ったり触らなかったりしながら、理解できないかと試作していく。

 ゴールの見えない物の認識は難しく、モノを見て価格がわかるなどということはなかった。

 それがどんな素材でできているのか、重量、構造などは、理解できるようになっていった。

 そうして太陽がおちはじめたころ、魅力的な女性を見つけてしまった。

 ほどよい胸のふくらみに、猫耳と猫のしっぽ、蜜柑色の長めの髪に、わずかに幼さを残した可愛らしい女性を見つけてしまったのだ。

 今できる異能では無理かもしれない。受信しかできない異能でできることには限られる。

 そう、伝える、制御することはまだできないのが惜しまれる。

 しかし、それでも、声をかけ、また会える機会を作っておけば、それは幸せなゴールが待っているに違いない。きっと成し遂げられるだろう。

 だからこそ、勇気をもって俺は彼女に声をかけた。

「すまない、ちょっと道に迷ってしまって、宿に戻りたいのだ」

 内容は嘘だが、調子よく、俺は彼女の手を取る。

「は、はい、喜んでにゃ」

 とても非常に好印象だ。すべての原因は天運値18の最大値である顔と雰囲気の導きだった。最大にしていてよかった。

 自己紹介をすませ、彼女ミーニャがふっと望む行動をさりげなくとってやる。

 するとどうだろう、ミーニャのドキドキと喜びはぐんぐん上がっていく。それがわかる異能でよかった。

 まんざらどころではない彼女に、適切なピンポイントアタックで、俺の泊まっている部屋へ案内し、2人で食事を済ませた。

 こうして俺とミーニャは結ばれた。

 情報の異能を全力でもって使い、ミーニャを幸せに導くことが出来た。

 惜しむらくは、俺の体力が5しかなかったことだ。
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