昼休みの図書室

夜碧ひな

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〜9/10(木)〜 #10

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PM,13:10
【図書室】

>ガラガラ

「やってるね。」
「裕人くん!?どうして。」
「最近教室で勉強してるからさ。だったらここでしても罪はないかなぁって。」
「珍しい。熱でもあるのではないか。」
「そこまでマジトーンだと本気で思ってるように感じるわ。」
「どういう風の吹き回し?それとも友達からリストラ?」
「友達関係でリストラって言葉初めて聞いたよ。もう受験だろ。それに周りの奴らもみんな勉強に励んでるよ。」
「え?そうなの?」
「それに、そこら辺の高校行こうとしてるやつもあんまいないみたいだし。」
「割とみんな本気なんだ。」
「ま、お前と比べちゃ0:100の差だろうけどな。」
「褒めてくれてる?」
「褒めてる。」
「まぁ素直なこと。」
「でしょ。」
「...」
「...」
「手を動かしながらでも話せるようになったん
だ。」
「特訓した。」
「そっか。」

PM,13:35
>キーンコーンカーンコーン

「ん~!」
「初めてこんなにちゃんと勉強したねw」
「確かにw
この図書室でちゃんとやったこと無かったな。」
「裕人くんの話で終わってたもんね~?」
「そういうこと言うなよ...」
「あ、!やっぱここにいた!いつまでここいんの?早く行くよ!」
「おい!ちょっと待てよ!
怜奈ごめん!また!」
「あ、わかった!」
「........」

PM,16:20
【屋上】

>ガチャッ

「あ、!裕人k...
え...?どうして。」
「残念だったわね?裕人はもう帰ったわ。」
「な、なんで姫野さんが...」

>ドンッ

「ちょっ!」
「死にたいの?もう裕人に近づくなって言ったよな?まだわかんねぇのかクソブス。」
「わ、私の勝手でしょ。誰と話そうが、仲良くしようが。」
「仲良く?笑わせんなよ。てめぇみたいなクソ陰キャが仲良くなんか出来るわけねぇだろうがよ!!くたばれ。」

>ガチャッ

「女子同士の醜い争い。陽キャと陰キャ。ブスと美人。はぁ。まじで面倒臭いな。
お前、そんなやつだっけ?」
「裕人くん...」
「裕人...どうして?帰ったはずじゃ!」
「怜奈が約束を破ってさっさと帰るわけないだろ。確認しに来たらなんだよこの様は?」
「こ、これは...」
「とりあえず離せよ。お前のイライラを解消するために怜奈は生きてるんじゃない。今すぐ怜奈から離れろ。」
「どうして。どうしてよ!なんでこんな奴庇うの?どうして?私たちの思い出は何だったの!?」
「怜奈は、俺の初めての友達だ。初めて寄り添ってくれて、初めて笑いあった友達だ。」
「でも私たちは幼なじみ。こいつよりも早く出会ってた!」
「あぁ!そう通りだ。でも、俺に寄り添ってくれたことないだろ?本気でぶつかったこと、思いを話し合ったこと、ないだろ?
俺は友達関係なんかが鈍い。友達作りなんて出来やしない。人と関わるのすら恐怖を感じるよ。けど、怜奈は俺と似た感じを持ってた。だから分かり合えた。」
「裕人くん...」
「だからって優菜。お前がどうでも良いわけじゃない。お前だって、俺をうるさいくらい追い掛け回して見ててくれた。
要するに、俺にとっては2人とも大切な『友達』なんだよ。」
「何それ!そんなのめちゃくちゃじゃない!」
「裕人くんは、最初っからめちゃくちゃだよ。確かに私は昔の裕人くんを知らない。けど、姫野さん。あなたが一緒にいなかった分の裕人くんを私は知ってる。
最初からあなたに勝てるなんて思ってないよ。けど、裕人くんは、あなたも私も、恋愛対象として見てないよ。」
「........もう、好きにすれば。」

>バタン!

「ったく。大丈夫か?」
「うん。」
「お前あんなこと言えたんだな。」
「間違ったこと言ってた?」
「いいや。恋愛対象として見てない。」
「やっぱそうなんだ。」
「もちろん、お前もな。」
「うん。」
「もう付き合いたいとは思ってないよ。」
「そう。なら良かった。」

PM,17:20

「もうそろそろ帰るか。」
「うん。そういえば、この時間帯にこの場所でキスしたんだよね。」
「今日はしねえよ。」
「え~」
「キスを求めんなら付き合えよ!付き合うのが嫌な奴にキスはしません!」
「でもこの間は!?」
「あれは罪滅ぼしなんだろ。じゃな!」
「あ、あのさ!」
「ん?」
「助けてくれて、ありがとう!」
「俺は屋上に集合の約束を守ろうとしただけ!それに、お前は、大切な俺の親友だ!!」
「うん!」
「👋」


【校門】
「あんたの考えはわかったわ。」
「姫野さん...」
「けど、負ける気はないから。」
「私も、負けない。」
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