あの日の空を見上げながら、いつかの春を待ち続ける。

夜碧ひな

文字の大きさ
上 下
25 / 42
UP済

終わり

しおりを挟む
今日という日が終わる頃、今年という節目がくる。
別に終わったって次が来る。次が終わればその次が。その次が終わればそのまた次が。なんて。

そういうことばかりでもないことはわかってる。世界は少なくとも一歩ずつは進んでいるし、流行や先端は次々に変わる。変わらずとも人との関わり方は変化を遂げ、今や会社や性別、生き方までもが良くも悪くも変化している。

変わらなくていいことが変わり、変わってほしいことはいつまで経っても変わらない。つまらない世の中だ。
どうしてこうも上手くいかないことばかりか。そんなことを考え目線をあげれば今年も終わると言っているのにいつまで経っても街はキラキラキラキラしている。目頭が熱くなるのを必死に誤魔化しながら白い息を見る。
変わらない夕焼けチャイムが聞こえ、変わってしまった自分と周りと状況に心が滾る。

それでも楽しかった過去とこれから来る未来に心躍らせ明日を待っている。
青い春を、暑い夏を、赤い秋を、温かい冬を。
またどうせ。どうせ巡る。
だから今までのことは、なんて言えないけど。今日ぐらいはいいだろう。過去に背を向け明日を望んで前を向く。バカバカしい。だがちょっといい。
巡ったって、同じ日など二つとない。
明日こそ、笑っていられる日が、多いことを願って。

良いお年を。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

生きる 〜アルコール依存症と戦って〜

いしかわ もずく(ペンネーム)
エッセイ・ノンフィクション
皆より酒が強いと思っていた。最初はごく普通の酒豪だとしか思わなかった。 それがいつに間にか自分で自分をコントロールできないほどの酒浸りに陥ってしまい家族、仕事そして最後は自己破産。 残されたものはたったのひとつ。 命だけ。 アルコール依存専門病院に7回の入退院を繰り返しながら、底なし沼から社会復帰していった著者の12年にわたるセミ・ドキュメンタリー 現在、医療従事者として現役。2024年3月で還暦を迎える男の物語。

ポケっこの独り言

ポケっこ
エッセイ・ノンフィクション
ポケっこです。 ここでは日常の不満とかを書くだけのものです。しょーもないですね。 俺の思ってることをそのまま書いたものです。 気まぐれ更新ですが、是非どうぞ。

暗い夜を見つめながら今日も生きる意味を探している。

夜碧ひな
エッセイ・ノンフィクション
ノンフィクションをフィクションに。 実際にあったことや、自分の思考、 日常に潜む様々な出来事を物語チックに描く日記×物語。 ※1話完結 ※50%:フィクション 50%:ノンフィクション ※話によってほぼフィクション

見える世界は暗くても、空はきっとずっと碧い。

夜碧ひな
エッセイ・ノンフィクション
生きる中で色々なことを感じる。 歓喜,娯楽,嫉妬,辛苦,憎悪。 どこか収まらない気持ちを、誰かに記す自分のためのエッセイ集。 ※1話完結 ※このエッセイ集は実話を元に制作されています。

人工知能でif歴史〜もしもの歴史シミュレーション〜

静風
エッセイ・ノンフィクション
もしもの歴史があった場合、それには独自の魅力があるかもしれません。本書の目的は、そうしたもしもの歴史について、人工知能を使って再現し、その魅力を伝えることです。この文章自体も、人工知能が生成したものです。本書では、手作業を極力避け、人工知能を活用して文章を作成していきます。

変なお母さんが書く正解なのかもわからない子育ての話

珊瑚やよい(にん)
エッセイ・ノンフィクション
モーツァルト「結婚したらいろいろ分かってきますよ。いままで半分謎だったことが」 モーツァルトさんに同感。結婚してからわかってきた事を書きます。とにかくなんか書きたい文章を綴ります。 ちょっと変わった母親の私が子育てをしていて思った事を書きます。育児での葛藤、小学校や幼稚園の事、ママ友の付き合い方など…… もちろんそれが正解なのか否かはわかりません。ただ私はそう思っただけ……みたいな感じです。 もちろんそれは間違ってるよ!!と思って読んでいただいても構いません。だって本当に正解がわからないんだから(笑)

クルマでソロキャンプ🏕

アーエル
エッセイ・ノンフィクション
日常の柵(しがらみ)から離れて過ごすキャンプ。 仲間で 家族で 恋人で そして……ひとりで 誰にも気兼ねなく それでいて「不便を感じない」キャンプを楽しむ 「普通ではない」私の ゆるりとしたリアル(離れした)キャンプ記録です。 他社でも公開☆

処理中です...