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暗い夜を見つめながら今日も生きる意味を探している。
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ガタンゴトンと、定番の音を鳴らしながら、夜の街を既に引かれたレールの上を走る電車。
行先なんて、決まっていた。
でも今日は、どうしても着いてほしくなかった。
今日という日が、終わってほしくなかった。
そんな馬鹿みたいな、夜だった。
ちょうど一年前の今日。俺は3年間想い続けた彼女と付き合った。だが、それは禁断の恋だった。
彼女は夢を追っていた。そしてそれが叶う日は、すぐそばだった。
2ヶ月。短い時間だった。この期間会えたのは2回だけだった。LINEは毎日したっけか。通話はだんだん少なくなっていったっけ。
彼女を思い続けて一年。何も変わってない。変わる人生と、変わる彼女と、何も変わらない自分。
まるで自分だけが成長していないみたい。いや、きっと本当にそうなんだろう。
あと二駅。
そういえば、地元に彼女がいる時は、何度か最寄りで会ったよな。夏が過ぎたが少しまだ暑い頃だった。
最近になって、ようやく彼女のことが忘れられたと思っていたのに。なんだか今日は、寂しい夜だ。
人間関係が変わり、状況が変わり、環境が変わり、、、あと、何が変わったんだっけ。
頭が痛い。今日は雨予報だったのに、ムダに天気が良かった。ただ低気圧だけを残した晴れ間はただの厄介でしかなかった。
まだ頭が痛い。低気圧のせいか、それとも。
考えることまでもが、めんどくさい。もし、彼女の夢が敗れていたら。クズな思考は何回回っただろう。自分の利益しか考えられないようなクズに、幸せなんかやってこない。捨てられて当たり前なのだ。こんな人間を好む方が間違っている。
自分で思って自分で辛い。心がギュンギュンする。痛くて、泣きそうで。
いい時代になったものだ。泣きそうになってもバレない。マスクのおかげで表情なんてわかりゃしない。
でも耐えられなくなったら、濡れて気づかれてしまうが。
いつまでこんなことをしているのか。人の夢に期待して自分も自分も。馬鹿じゃないか。人とは違うんだ。お前には才能も期待も何もない。そうやってまた自分に罵声を浴びせる。
嫌だ嫌だと泣き叫ぶ心が黙ってくれない。これだから面倒なんだ。俺という人間は。
性別まで迷ってしまうなんて。女の子になりたい。そう思って何年経つだろう。髪の長いのが羨ましくて、腰周りでヒラヒラ踊るスカートが羨ましくて、女性らしいフォルムが羨ましくて。
でも彼女といる時は、自然とそんなことなかったんだ。彼女のためなら立派な男でいようと思えたのに。今はもうガチャガチャ。
心の支えがなくなってもうすぐ一年。よくここまで生きてきた。泣きながらも死ななかった。偉かった。そう褒めてくれる人間など存在しない。
あの日誓った。いつか心から笑える人生であろうと。作り笑いじゃなくて、愛想笑いじゃなくて、本気の笑顔を常にできるような人生にしようと。
綺麗事だった。戯言だった。ただの虚言になってしまった。僕は嘘つきだ。ゴミだ。塵だ。クズだ。クソだ。人のことは責められないくせに、自分には随分と当たりの強いことだ。普段自分を甘やかしているからか。今日は心が痛い。
ドアが開く。あと一駅。
いや、違う。もう最寄りだ。
早かった。考えすぎか。下車の余韻すら楽しむことができなかった。
月。同じ空の下で生活していると言ったって、世界は広い。同じ月を見ているかな。なんて、そんなの当たり前だ。月は一個しかない。馬鹿なことをほざくな。
何度も何度も彼女を探す。いないことなんてもうわかりきった事なのに。いつまで続けるんだろうか、こんなこと。
たった一人の人生で、こんなにも壮大なんだ。100人いたら100通りの人生がある。同じ時間を過ごして同じことをしてたって、考え方や捉え方は人それぞれだ。素晴らしい。と同時にクソめんどくさい。
生きる意味。などないが、生きたい意味は見つけられる。でも、いまだに見つからない。生きたい理由。死ぬのが怖いからだろうか。安全で、幸せが待っているのなら、喜んで命を投げ出すのだろうか。わからないことばかりだ。まぁ、いいか。それもまた、私らしいじゃないか。
いくら考えたって。立派な言葉ばかりで、肝心の考えは思い浮かばない。
はぁ。眠い。
昔話は嫌いじゃない。でも悲しい話は死んでも嫌いだ。なら死んだ方が、、口が裂けても言えたことじゃない。
明日はきっといい日になる。知ったこっちゃない。根拠も証拠もない。でも、そう言ってたら面白くない。
明日はきっと、笑える。そう願っていた方が、楽しい。
今日はやけに、夜が暗い。そのおかげで、街々の明かりが綺麗だった。
生きる。ってのは随分と難しい話だ。まぁ、もういいか。
自分なりに生きていれば、どんな人生も自分の道になる。そう馬鹿みたいに信じてる。
生きる意味より前に、今の自分。向き合わなきゃ。
月は悠々と浮かび、外には少し風が吹いていた。ちょっとばかり寂しいような、そんな夜にピッタリな気分だった。
行先なんて、決まっていた。
でも今日は、どうしても着いてほしくなかった。
今日という日が、終わってほしくなかった。
そんな馬鹿みたいな、夜だった。
ちょうど一年前の今日。俺は3年間想い続けた彼女と付き合った。だが、それは禁断の恋だった。
彼女は夢を追っていた。そしてそれが叶う日は、すぐそばだった。
2ヶ月。短い時間だった。この期間会えたのは2回だけだった。LINEは毎日したっけか。通話はだんだん少なくなっていったっけ。
彼女を思い続けて一年。何も変わってない。変わる人生と、変わる彼女と、何も変わらない自分。
まるで自分だけが成長していないみたい。いや、きっと本当にそうなんだろう。
あと二駅。
そういえば、地元に彼女がいる時は、何度か最寄りで会ったよな。夏が過ぎたが少しまだ暑い頃だった。
最近になって、ようやく彼女のことが忘れられたと思っていたのに。なんだか今日は、寂しい夜だ。
人間関係が変わり、状況が変わり、環境が変わり、、、あと、何が変わったんだっけ。
頭が痛い。今日は雨予報だったのに、ムダに天気が良かった。ただ低気圧だけを残した晴れ間はただの厄介でしかなかった。
まだ頭が痛い。低気圧のせいか、それとも。
考えることまでもが、めんどくさい。もし、彼女の夢が敗れていたら。クズな思考は何回回っただろう。自分の利益しか考えられないようなクズに、幸せなんかやってこない。捨てられて当たり前なのだ。こんな人間を好む方が間違っている。
自分で思って自分で辛い。心がギュンギュンする。痛くて、泣きそうで。
いい時代になったものだ。泣きそうになってもバレない。マスクのおかげで表情なんてわかりゃしない。
でも耐えられなくなったら、濡れて気づかれてしまうが。
いつまでこんなことをしているのか。人の夢に期待して自分も自分も。馬鹿じゃないか。人とは違うんだ。お前には才能も期待も何もない。そうやってまた自分に罵声を浴びせる。
嫌だ嫌だと泣き叫ぶ心が黙ってくれない。これだから面倒なんだ。俺という人間は。
性別まで迷ってしまうなんて。女の子になりたい。そう思って何年経つだろう。髪の長いのが羨ましくて、腰周りでヒラヒラ踊るスカートが羨ましくて、女性らしいフォルムが羨ましくて。
でも彼女といる時は、自然とそんなことなかったんだ。彼女のためなら立派な男でいようと思えたのに。今はもうガチャガチャ。
心の支えがなくなってもうすぐ一年。よくここまで生きてきた。泣きながらも死ななかった。偉かった。そう褒めてくれる人間など存在しない。
あの日誓った。いつか心から笑える人生であろうと。作り笑いじゃなくて、愛想笑いじゃなくて、本気の笑顔を常にできるような人生にしようと。
綺麗事だった。戯言だった。ただの虚言になってしまった。僕は嘘つきだ。ゴミだ。塵だ。クズだ。クソだ。人のことは責められないくせに、自分には随分と当たりの強いことだ。普段自分を甘やかしているからか。今日は心が痛い。
ドアが開く。あと一駅。
いや、違う。もう最寄りだ。
早かった。考えすぎか。下車の余韻すら楽しむことができなかった。
月。同じ空の下で生活していると言ったって、世界は広い。同じ月を見ているかな。なんて、そんなの当たり前だ。月は一個しかない。馬鹿なことをほざくな。
何度も何度も彼女を探す。いないことなんてもうわかりきった事なのに。いつまで続けるんだろうか、こんなこと。
たった一人の人生で、こんなにも壮大なんだ。100人いたら100通りの人生がある。同じ時間を過ごして同じことをしてたって、考え方や捉え方は人それぞれだ。素晴らしい。と同時にクソめんどくさい。
生きる意味。などないが、生きたい意味は見つけられる。でも、いまだに見つからない。生きたい理由。死ぬのが怖いからだろうか。安全で、幸せが待っているのなら、喜んで命を投げ出すのだろうか。わからないことばかりだ。まぁ、いいか。それもまた、私らしいじゃないか。
いくら考えたって。立派な言葉ばかりで、肝心の考えは思い浮かばない。
はぁ。眠い。
昔話は嫌いじゃない。でも悲しい話は死んでも嫌いだ。なら死んだ方が、、口が裂けても言えたことじゃない。
明日はきっといい日になる。知ったこっちゃない。根拠も証拠もない。でも、そう言ってたら面白くない。
明日はきっと、笑える。そう願っていた方が、楽しい。
今日はやけに、夜が暗い。そのおかげで、街々の明かりが綺麗だった。
生きる。ってのは随分と難しい話だ。まぁ、もういいか。
自分なりに生きていれば、どんな人生も自分の道になる。そう馬鹿みたいに信じてる。
生きる意味より前に、今の自分。向き合わなきゃ。
月は悠々と浮かび、外には少し風が吹いていた。ちょっとばかり寂しいような、そんな夜にピッタリな気分だった。
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