「君が好きな小説と僕が好きな君の話」

夜碧ひな

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「暖って、もしかして今年受験??」

「そうだね。高三だから。」

「そっか。もう高校三年生なんだね。。」

「明李音も一緒だよ。」

「私は、高校生じゃないよ。」

病は気から。ということわざは本当のようで。
つい最近までポジティブだった彼女の思考は、いつしか腫瘍に飲み込まれてしまったようだった。

「じゃあ勉強しなきゃ。
私に無理に会いに来なくていいからね。勉強の邪魔したくないし。」

「ご心配なく。これでも両立は得意なんだ。小説を書きながら勉強もする。自分のことも、明李音のことも。しっかりと、両方。

明李音!?」

「大丈夫。ちょっと痛むだけだから。」

「少し寝たら??」

「うん。ありがとう。今日はもう帰って大丈夫だから。
いつもありがとね。」

最近明李音の様子がおかしい。
僕に対して少しそっけないような。
ただの勘違いか、それとも。
僕には彼女の思考を読み取る能力は、微塵も無いようだった。
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