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朝日
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ぼくの首にある手にチカラが入ったのか、頭がからっぽになってくる。
あっというまだな。
なんてぼんやりとしていたら、アカいヒカリがじわりじわりとうかんできた。
はじめて見たぼくはそれを朝日だとおもった。
マドの向こうに見ていたゆいいつのソトのモノ。
今ならつかめる気がした。
「ハ、ハサ……ヒ」
言ってみたら、強くしめられてうまく言えなかった。
もうすぐしぬのはわかったけど、なんかいいな。
最後に、いいもの見れた。
「キ、れ……い、だ」
とどかないかもしれないけど、ぼくは手を伸ばしたんだ。
朝日、ちょうだい。
ぼくのすべて、あげてもいいから。
「アカン!」
でも、その声とともに手をつかまれ、朝日もなくなってしまった。
やっぱり、とどかなかった。
「自分から傷つきにいくなんて、バカか!?」
少し目をあけると、もう信じられないってカレはなぜかおこっていた。
首もらくになっている。
なんで……?
「あんな、この赤いものは君を傷つけることしか出来ないの」
なぜかカレの目がアカかったり、ちゃいろかったりとチカチカしている。
「だから俺が止めなかったら、君の手は丸焦げに燃えて灰になってたってこと……それは自殺行為だってわかんないかな!」
なんで、そんなにおこっているの?
しかも、かなしそうに。
あなたはそれでよろこぶんじゃないの?
「あなたはぼくをコロすつもりだったんでしょ? だから、ぼくはそれにさんせいしたんです」
ぼくはとっくにカクゴはできてるよ。
「……御前のくせに」
カレは吐き捨てるように言って、ため息をついた。
「それなら、なにもしなくていいから……俺に縛られてて」
あきらめたようにより低い声を出したカレ。
ぼくの伸ばした手をさっきまで首にあった左手にぐるぐるして、ベタッと地面に止める。
わかった、なにもしないよ。
ていこうしてごめんなさい。
こんどは右手がぼくの肩をおさえるから、まだ目を閉じたままでいることにする。
なぐるのかなっておもったんだ。
でも、ヤクソクだからだまってる。
次にさけるようないたみとあたたかい水があふれだす感じがしたのはソウゾウがついた。
それなのに、ヨソウもしないことが次々と起こる。
チュプチュプ
ドクドクと身体のソトへでているはずのぼくの血。
それがなぜかやわらかいもので止められて、少しずつすいこまれていく。
モクモク
最初はくすぐったいような感じが身体のぜんぶをつつんだ。
フシギとイヤじゃないから、わけがわからない。
「ア、ぁ……アぁ、ンア……ハァ」
しぜんにでる声がじぶんじゃないみたいなんだ。
なんか、ぼく……変だ。
ふわふわ
温かいものが身体をビリビリさせて、だんだん下から上へとうごいてくる。
「ハァ、アぁ……ンアア、あ……ン」
こんどは頭がまっしろになってきた。
温かいものに包まれていい気持ち。
「気持ちいい?」
チュッとともにひくくてあまい声が目のまえできこえてくる。
これが、”気持ちいい”なんだ。
「もう、しんでもいい……」
感じたことがないけど、イヤじゃない感覚。
うまくヒョウゲンできないし、頭が回らない。
だから、なんとなくで言ったぼくをふふふと笑うカレ。
あっというまだな。
なんてぼんやりとしていたら、アカいヒカリがじわりじわりとうかんできた。
はじめて見たぼくはそれを朝日だとおもった。
マドの向こうに見ていたゆいいつのソトのモノ。
今ならつかめる気がした。
「ハ、ハサ……ヒ」
言ってみたら、強くしめられてうまく言えなかった。
もうすぐしぬのはわかったけど、なんかいいな。
最後に、いいもの見れた。
「キ、れ……い、だ」
とどかないかもしれないけど、ぼくは手を伸ばしたんだ。
朝日、ちょうだい。
ぼくのすべて、あげてもいいから。
「アカン!」
でも、その声とともに手をつかまれ、朝日もなくなってしまった。
やっぱり、とどかなかった。
「自分から傷つきにいくなんて、バカか!?」
少し目をあけると、もう信じられないってカレはなぜかおこっていた。
首もらくになっている。
なんで……?
「あんな、この赤いものは君を傷つけることしか出来ないの」
なぜかカレの目がアカかったり、ちゃいろかったりとチカチカしている。
「だから俺が止めなかったら、君の手は丸焦げに燃えて灰になってたってこと……それは自殺行為だってわかんないかな!」
なんで、そんなにおこっているの?
しかも、かなしそうに。
あなたはそれでよろこぶんじゃないの?
「あなたはぼくをコロすつもりだったんでしょ? だから、ぼくはそれにさんせいしたんです」
ぼくはとっくにカクゴはできてるよ。
「……御前のくせに」
カレは吐き捨てるように言って、ため息をついた。
「それなら、なにもしなくていいから……俺に縛られてて」
あきらめたようにより低い声を出したカレ。
ぼくの伸ばした手をさっきまで首にあった左手にぐるぐるして、ベタッと地面に止める。
わかった、なにもしないよ。
ていこうしてごめんなさい。
こんどは右手がぼくの肩をおさえるから、まだ目を閉じたままでいることにする。
なぐるのかなっておもったんだ。
でも、ヤクソクだからだまってる。
次にさけるようないたみとあたたかい水があふれだす感じがしたのはソウゾウがついた。
それなのに、ヨソウもしないことが次々と起こる。
チュプチュプ
ドクドクと身体のソトへでているはずのぼくの血。
それがなぜかやわらかいもので止められて、少しずつすいこまれていく。
モクモク
最初はくすぐったいような感じが身体のぜんぶをつつんだ。
フシギとイヤじゃないから、わけがわからない。
「ア、ぁ……アぁ、ンア……ハァ」
しぜんにでる声がじぶんじゃないみたいなんだ。
なんか、ぼく……変だ。
ふわふわ
温かいものが身体をビリビリさせて、だんだん下から上へとうごいてくる。
「ハァ、アぁ……ンアア、あ……ン」
こんどは頭がまっしろになってきた。
温かいものに包まれていい気持ち。
「気持ちいい?」
チュッとともにひくくてあまい声が目のまえできこえてくる。
これが、”気持ちいい”なんだ。
「もう、しんでもいい……」
感じたことがないけど、イヤじゃない感覚。
うまくヒョウゲンできないし、頭が回らない。
だから、なんとなくで言ったぼくをふふふと笑うカレ。
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