枯れたユリは天使の羽だ

ゆるふわ詩音

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亀甲縛り

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    優しく降ろしたのはオレンジ色に溢れたベッド……そう、自分の部屋へと連れてきたのんだ。
 
そして、奥に隠していた木箱から出してきたのは赤い手芸ロープ。

「痛くないからね」

穏やかな笑みを浮かべながら、意識のない彼に赤いロープを巻きつけていく僕。
   

     数分後、青色ののパーカーの彼の身体は赤いロープで亀甲縛りにされていた。

それでも、まだ彼は目を覚まさなかった。

「りょうたん、飽きてもうたよ~」

前髪もぱっつんでマッシュに整えられた髪型をサラサラ撫でる。

起きるように激しく梳いていると、一瞬引っかかった。

気になって見てみると、血の塊が付いていた。

「ほんまに手のかかる子やわ」

ちょっと考えた僕はドライヤーで無理矢理吹き飛ばすことに決める。

枕の方に大きめのクッションを2、3個起き、彼を寄りかからせた。


 「はじまるよ、はじまるよ。はじまるよったら、はじまるよ。い~ちとい~ちでにんじゃさん、ドロン!」

左手でドライヤーで熱風を掛け、右手で髪を勢いよく掻き回していく。
   
もはや、弟を世話してるみたいやなと、僕はちょっと思っていた。
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