男女比世界は大変らしい。(ただしイケメンに限る)

@aozora

文字の大きさ
上 下
522 / 525
第四章 ラブコメって言ったら学園じゃね…

第509話 夢の舞台、バトルフィールド (2)

しおりを挟む
木村君かっけー。
"いずれまた戦おう。このバトルフィールドで俺は待っている。"って俺も言いたい。しかも相手が可愛いアイドルたちって何そのご褒美。俺なんて同じ事をしたら冷めた目線か張り扇ボンバーよ。
顔面格差の悲しさよ・・・。(ぐすん)

お前は金髪碧眼の美女が待っているだろうって?そうなんだけどね、彼女らどこかで見た事ある気がするんだよね~。何処だったっけかな~、タスマニア公国じゃないとは思うんだけどな~。やたらゴージャスな女性がいるし、フロンティアのNoirファッションショーの時のレセプションパーティーで会ってるとか?
外人さんの顔はよほど親しくない限り覚えられないよな~、大和民でも自信ないんだから尚更だっての。

スタッフ「赤の騎士、お時間です。お願いします。」

「うむ、では参るかな。」

俺はハッキリとしないモヤモヤを感じながらも、控え室を出て会場へと向かうのであった。

"続いての第二回戦は赤の騎士と"チームフロンティアの星"との対戦です。今回の種目は"One on Three"、本条さん、この種目はどう言った競技になるのでしょうか?"

"はい、一定の範囲の中で行われる超近接型鬼ごっこになりますね。対戦時間は三十分、挑戦者は逃走者一人に対し三人の捕縛者で挑む"Hunting"か、一人の捕縛者から三人で逃れる"Escape"のいずれかを選ぶ事が出来ます。
挑戦者の資質を最も発揮するにはどちらの選択がよいのか、戦力分析が重要な競技となりますね。"

"なるほど、鬼ごっこにも団体競技になることで戦略や戦術が活かされる様になると言う事ですね。
両者対戦位置に付きました、間もなくゲーム開始です。"


「はじめまして赤の騎士、貴方様と対戦出来る事を楽しみにしておりましたわ。」

「ふむ、何やら面妖な。その言い回しであるとそれがしとの対戦を熱望していた様に聞こえるが。」

「そうですね、貴方との対戦はフロンティアの全ての女性が熱望しているのかも知れませんね、Mr.escaper。」

「うむ、な、何の事でござろうか。某は赤の騎士、主君を守る騎士でござるが。」

『酷いですわ、Mr。私たちをあれだけ蹂躙しておいて何処かへ消えてしまわれるなんて、わたくしあの戦いを思い出しただけで身体の芯が熱く火照ってしまいますわ。』

『そうだぞMr。お陰でどれだけ悪党を倒しても物足りなくて仕方がないじゃないか。』

『強い男は乙女の憧れ、貴方は我々の理想そのものなんですよ。』

あ、分かった。コイツら逃走王フロンティア大会の時の鬼役の連中だわ。と言うか右側の奴、夜の公園で戦ってたキャットウーマンじゃん。こんなところで何をやってるスーパーヒーロー。

『本当に大変でしたのよ、調査員がいくら捜索しても貴方様に行き着かないんですもの。まさかあのお姿が仮の姿だとは思いもしませんでしたわ、のっぺり佐々木様?
本日はよろしくお願い致しますわね。』

「う、うむ。善き戦いをな。」


「”挑戦者よ、対戦形式は何を選ぶ。”」

「「「"Hunting"」」」

「”その望み、叶えよう。いざ、決戦の時!”」

女たちの瞳に怪しい光が宿る。彼女たちの気配が野生動物のそれへと変わる。

コイツらやベー。って言うか何で新番組の第一回目の収録に紛れ込めるんだよ、フロンティアの女性半端ないっての。
これは気を引き締め直さないと俺でも不味いかも。まずは動揺した気持ちを落ち着けないと、be cool, be cool.
俺は赤の騎士、バトルフィールドの守護者。何者の挑戦もはね除け君主を守る鉄壁の男。
よし、行こう。端からトップギアだ。

"Ready, Set."

高まる緊張、跳ねる鼓動、そして研ぎ澄まされる集中。

"GO!!"
"ギュンッ"

俺は咄嗟に身体を左側に撥ね飛ばす。
さっきまで立っていた場所には二人の女性が殺到していた。
やるな、フロンティア。
だがこれから三十分、まともに呼吸出来ると思うなよ?


"ギュンギュンギュンギュンギュンギュンギュンギュン、ズバンッズバンッズバンッ、バッ、ダダダダダダダダ、バッ、スパンッスパン"

まさに目にも止まらぬ攻防、三人の女性がまるで一匹の獣の様な見事な連携で赤の騎士に迫る。突き出される無数の手はガトリング砲の咆哮。その強大な敵の攻撃を避ける、走る、躱す、飛ぶ、跳ねる。赤い閃光がフィールド上を縦横無尽に駆け抜ける。

”凄い、正に激闘。私の目では赤の騎士の場所も挑戦者の位置も追い付けません。解説の本条さん、本条さんから見てこの戦いはいかがですか?”

”何で・・・”

”ん?本条さん?”

”何でわたしがあのフィールドに立てないんですか!?私もあの舞台で戦いたい、赤の騎士様との激闘、羨まし過ぎるでしょう!赤の騎士様~!!”

”本条さん、落ち着いてください~!
お~っと、会場では何か動きがあった模様だ~!”

『残り時間五分、命を燃やせ、本能解放ビーストモード!』
『『『GWooooー!!』』』

"自らのリミッターを無理矢理解除する、その意思や善し。"

"グイーン"
世界から音が消える。その目に見える全てから色が褪せ、モノクロの情景が広がる。時の流れが変わったかの様に、皆がゆっくりと動いている。今なら落ちてくる雨粒も全て避ける事が出来るだろう。

"さぁ、セカンドステージの始まりだ。共に踊ろう、戦いのワルツを。"


"ビーーーッ"
「"試合終了、勝者、赤の騎士。"」

"ドサドサドサッ"

倒れ伏す挑戦者たち、死屍累々、全員が白目を剥き気を失っていた。

「ソナタらの戦いぶり、見事であった。某は赤の騎士、バトルフィールドの戦士にして鉄壁の守護者なり。」

戦場に背を向け去っていく赤の騎士。残されたのは酸素吸入器を装着され担架で運ばれて行く挑戦者だけであった。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

まずはお嫁さんからお願いします。

桜庭かなめ
恋愛
 高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。  4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。  総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。  いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。  デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!  ※特別編3が完結しました!(2024.8.29)  ※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、感想をお待ちしております。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

可愛すぎるクラスメイトがやたら俺の部屋を訪れる件 ~事故から助けたボクっ娘が存在感空気な俺に熱い視線を送ってきている~

蒼田
青春
 人よりも十倍以上存在感が薄い高校一年生、宇治原簾 (うじはられん)は、ある日買い物へ行く。  目的のプリンを買った夜の帰り道、簾はクラスメイトの人気者、重原愛莉 (えはらあいり)を見つける。  しかしいつも教室でみる活発な表情はなくどんよりとしていた。只事ではないと目線で追っていると彼女が信号に差し掛かり、トラックに引かれそうな所を簾が助ける。  事故から助けることで始まる活発少女との関係。  愛莉が簾の家にあがり看病したり、勉強したり、時には二人でデートに行ったりと。  愛莉は簾の事が好きで、廉も愛莉のことを気にし始める。  故障で陸上が出来なくなった愛莉は目標新たにし、簾はそんな彼女を補佐し自分の目標を見つけるお話。 *本作はフィクションです。実在する人物・団体・組織名等とは関係ございません。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

貞操逆転世界の男教師

やまいし
ファンタジー
貞操逆転世界に転生した男が世界初の男性教師として働く話。

男:女=1:10000の世界に来た記憶が無いけど生きる俺

マオセン
ファンタジー
突然公園で目覚めた青年「優心」は身辺状況の記憶をすべて忘れていた。分かるのは自分の名前と剣道の経験、常識くらいだった。 その公園を通りすがった「七瀬 椿」に話しかけてからこの物語は幕を開ける。 彼は何も記憶が無い状態で男女比が圧倒的な世界を生き抜けることができるのか。 そして....彼の身体は大丈夫なのか!?

貞操観念が逆転した世界に転生した俺が全部活の共有マネージャーになるようです

.
恋愛
少子化により男女比が変わって貞操概念が逆転した世界で俺「佐川幸太郎」は通っている高校、東昴女子高等学校で部活共有のマネージャーをする話

処理中です...