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第四章 ラブコメって言ったら学園じゃね…
第492話 用務員さんと駄弁る (5)
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夏休みの桜泉学園高等部、運動部の生徒は大会に出向き文化部の生徒がまばらに登校するくらいの静かな校内。正門からしばらく進んだ通学道脇の森の中にひっそりと佇む一軒の洋館、そこでは休みにも拘らず一人の女子生徒が熱心に修行に励んでいた。
”ズズズズズズズ”
あ~、お茶が旨い。今日も順子ちゃんは熱心ですね~。
「まぁの、順子は才能に胡坐をかくタイプではないからの。この夏で着実に実力を付けておる。すでにその辺の術師では順子には敵わんのではないかの。」
おぉ~、それは凄い。何か橘家って所でも才能の突出した順子ちゃんは腫物扱いされてたみたいですし、変に自意識過剰じゃない分物覚えもいいんじゃないんですかね。
「うむ、悲しい事ではあるがそれが今はいい方向に作用していると言う事であろう。今が良ければそれで良しとしておこうではないか。それはそうとのっぺりは変な事件は起こしてないであろうな?お主は少し目を離すととんでもない事をしそうで怖いんじゃが。」
いや、まぁ、のっぺりはやってないんですけどね、ハニ子がね~。タスマニア公国でかなり暴れたみたいですよ~。
「はぁ?タスマニア公国ってあのタスマニアであろう?なんでハニ子が暴れる事になるんじゃ。」
いや~、夏休み前に女子サッカーワールドカップでひろし君がタスマニア公国に行ったじゃないですか。その警護でハニ子とウチのブリジットが向かったんですけどね。ひろし君、国の要人に拉致られそうになりましてね。その黒幕があそこの第二公女だったりしたんですよ。そんで公爵邸で大暴れって流れでして、最終的にタスマニアの守護神不死鳥を焼き鳥にして食べました。
「ブフォ、何やっとるんじゃお主は、神殺しもいい所じゃないか!」
イヤイヤイヤ、死んでませんから、不死鳥ですから,今も元気に教会で神様やってますから。不死鳥って燃やすと灰の中から復活するって伝承があるじゃないですか、あれって本当でしたよ、細かい原理は分からないんですが見事復活なされましたから。
いやね、色々国の不祥事に係わる秘密を抱えちゃったんで不死鳥様に始末されるところだったんですって。俺だって死にたくありませんし?張り扇でしばき倒したら気絶して動かなくなっちゃったんでサクッとね、不可抗力ですって。
あとは毎日ひろし君が狙われまくってですね、彼に気付かせない様に悪党退治でしたね~。本当神経擦り切れるかと思いましたよ、すぐに統合する気になりませんでしたから。
でもひろし君もタフですよね~、あの後すぐに全国ツアーでしょ?俺だったらマネできませんって。
「いや、不死鳥しばいて焼き鳥にして食べる方がまねできないと思うぞ。何にしてもお主には常識が足りん、その辺少しどうにか出来んのか。」
あ、それなら大丈夫です。流石に不味いと思ったマザーに言われて一色家って所で先代当主のお婆さんに霊能業界の常識を教わってきましたから。
「ちょっとまて、一色家と言ったら大和でも指折りの霊能の大家じゃないか、何でのっぺりがそんなところと関係があるんだい。」
どうもマザーが若い頃にあそこのお婆さんに見いだされて暫く手ほどきを受けてたらしいですよ。その絡みがあってマミーは霊能の仕事を引き受けていたらしいです。
そんで色々教わったんですけど世の中何があるか分かりませんね、ウチに遊びに来てた海姫さんと山姫さん、実は有名な神様でした。超びっくりですよ。後偶に来る菅原道子さんも神様って言うね、訳分かんないですよ。俺の周りどうなってるんですかね。
「へ?のっぺりって湯島の御大とも知り合いなのか?それに山姫って、どちらもビックネームじゃないか、どうなってるんだい本当に。」
それと俺って実は式神使いだったらしいです。四人と二匹の怪異と契約してたらしいんですよね。あ、これってハニワは除きますよ、あれはよく分からないって分類ですから。
「順子~、ちょっと来てくれ~。私一人では処理し切れん、お前も同席してくれ、頼む。」
朱音さんの声に修行を中断してこちらに戻って来た順子ちゃん、何かすみませんね。
そんで式神の話しでしたね、まずは動物タイプが二匹、鼬のつくねと犬の黒丸ですね。
「犬の黒丸って鎮魂の祠の主だよな?」
「師匠、気にしたら敗けです。」
それと人型が四人ですね。ブリジットと葛の葉、ノエルは朱音さんも会ってますよね。ハニ子の時の三人です。後うちで畑仕事をしているエリザベスさんも怪異だったんですよね、もう何がなんだか。
「なぁ順子や、葛の葉って神話レベルの大妖狐だったよな。」
「はい、鎮魂の森の主、朝廷の宿敵、伝承に謳われた古都の大怪異ですね。」
「ノエルとやらにもそれに匹敵する力を感じたんだが。」
「義父によれば他のお二方もとんでもない力を秘めているそうですよ。」
「それにハニ子までおるのっぺりって、世界中を敵に回しても余裕で勝てるのではないか?」
「これが佐々木さんで良かったですよね。」
"ズズズズズズ"
その辺もただ聞かされただけなら信じなかったかも知れないんですけど、一色家で行われた神降ろしの儀式ってのを見学させてもらった時に海姫さんが降臨しちゃったんですよね。もう信じざるを得ないでしょう、イリュージョンの仕事お疲れ様ですって言ったら”イリュージョンはやめて、ちゃんとご利益与えてるから”って言われちゃいましたけど。
「海姫様に向かってイリュージョンって。」
「佐々木さんにしてみたら降臨も顕現もマジックショーと変わらないんですね。」
あ、俺式神召喚出来るみたいです。つくねカモン。
”キュイキュイ”
ね?こいつ鼬のつくねです。可愛いでしょ?
”キュキュキュー♪”
「なんじゃあの無茶苦茶強力な鎌鼬は、下手な大怪異より強くないか!?」
「私、最近強くなったって調子に乗ってたみたいです。私なんてまだまだだったんですね。」
「いや、順子はようやっとる、こやつがおかしいだけじゃ。」
そう言えば二人は黒丸に会った事ってありましたっけ?黒丸呼びます?
「「勘弁してください。」」
え~、黒丸可愛いのに。
それで一色家で常識を教わりながら、あそこの訓練生と一緒に訓練して一般的な術者について教わって来たって訳です。
「一色家の家人と言えばこの国でも有数の術者集団ではなかったか?」
「はい、相当優秀でなければあそこの門はくぐれません。世間の一流があそこの最低基準ですから。」
「こやつの一般基準って一体。」
でもあそこの地下訓練施設は楽しかったな~。あの山の裏手にある洞窟なんですけどね、地下に続く深い下り坂になってまして、降りきると大きな門があって門番さんがいるんですよ。そこから地上までを一気に駆け上がるって奴なんですけどどういう仕組みか背後や上下左右から無数の手が伸びて来るんですよね。その辺は霊能術式の不思議パワーって奴なんですかね。
んでそれらを避けながら地上を目指す訓練をやって来たんですけ、どこれが中々タフな訓練でして。油断したら直ぐに捕まって門番さんの所に戻されるんですよね。つくねですら三回くらい捕まってましたから。
ま、私《わたくし》は逃走王ですので逃げ切って見せましたが。でも本選ラスト三十分に匹敵するほどの緊張感があったよな~、あれは良かった。結局五回やったら門番さんが記念品くれたんですよね。通行手形って言ってたけどあの先にはどんな訓練施設があるんだろう?つくねはまだ貰えてないんだけどね、連続五回クリアは中々難しいよね~。
”キュキュキュイー!”
次こそはクリアする?いい意気込みだ、頑張ろうね。
「師匠、一色家の山の洞窟って確かよ黄泉平・・・」
「よさんか順子、それ以上は口にしてはならん、囚われてしまうぞ。あとのっぺり、その通行証はここでは出すなよ、振りではないからな!
あぁ、それは一色のお婆さんにも言われてるんでハニワに仕舞ってあります。最近機能の拡張のお陰でリュックサック一つ分くらいなら取り込まずに収納出来るようになったんですよね。これ凄い便利です、いつでもカロリーバー食べれます。門番さんにも好評で、泣いて喜ばれましたから。そうそうこれお土産です。
そう言って俺は二本のペットボトルを取り出した。
「何じゃこれは?」
順子ちゃんも知ってる御奉霊山の天然水、一色家の後に行ってきました。スッとしてて美味しいですよ。
恐る恐る口にする両者。
”ゴクリッ”
「スッと抜ける爽やかな味わい、癖のない喉越し。確かに美味しい。
身体全体に染み渡る爽快感。次第に高まる力、魂の階位が二段階は上がる様な充実感ってなんじゃこりゃ~!!
おいのっぺり、これは何処のどう言った水なのじゃ!」
へ?これはワンワンのお社の水ですけど?疲れた時に飲むとスッと疲れが取れる不思議な水ですが。時々送って来てくれるからうちに帰れば冷蔵庫にあるんですけどね、こう言ったものは気持ちと言う事で。
「御奉霊山のワンワンのお社って大神様じゃないか!そこの水って御神水!なんつう物を持ってきとんじゃこの馬鹿もんが~!!」
”スパーン”
お土産渡して張り扇喰らうのっぺり佐々木、美味しいって喜んでたじゃないか~、超理不尽。
”ズズズズズズズ”
あ~、お茶が旨い。今日も順子ちゃんは熱心ですね~。
「まぁの、順子は才能に胡坐をかくタイプではないからの。この夏で着実に実力を付けておる。すでにその辺の術師では順子には敵わんのではないかの。」
おぉ~、それは凄い。何か橘家って所でも才能の突出した順子ちゃんは腫物扱いされてたみたいですし、変に自意識過剰じゃない分物覚えもいいんじゃないんですかね。
「うむ、悲しい事ではあるがそれが今はいい方向に作用していると言う事であろう。今が良ければそれで良しとしておこうではないか。それはそうとのっぺりは変な事件は起こしてないであろうな?お主は少し目を離すととんでもない事をしそうで怖いんじゃが。」
いや、まぁ、のっぺりはやってないんですけどね、ハニ子がね~。タスマニア公国でかなり暴れたみたいですよ~。
「はぁ?タスマニア公国ってあのタスマニアであろう?なんでハニ子が暴れる事になるんじゃ。」
いや~、夏休み前に女子サッカーワールドカップでひろし君がタスマニア公国に行ったじゃないですか。その警護でハニ子とウチのブリジットが向かったんですけどね。ひろし君、国の要人に拉致られそうになりましてね。その黒幕があそこの第二公女だったりしたんですよ。そんで公爵邸で大暴れって流れでして、最終的にタスマニアの守護神不死鳥を焼き鳥にして食べました。
「ブフォ、何やっとるんじゃお主は、神殺しもいい所じゃないか!」
イヤイヤイヤ、死んでませんから、不死鳥ですから,今も元気に教会で神様やってますから。不死鳥って燃やすと灰の中から復活するって伝承があるじゃないですか、あれって本当でしたよ、細かい原理は分からないんですが見事復活なされましたから。
いやね、色々国の不祥事に係わる秘密を抱えちゃったんで不死鳥様に始末されるところだったんですって。俺だって死にたくありませんし?張り扇でしばき倒したら気絶して動かなくなっちゃったんでサクッとね、不可抗力ですって。
あとは毎日ひろし君が狙われまくってですね、彼に気付かせない様に悪党退治でしたね~。本当神経擦り切れるかと思いましたよ、すぐに統合する気になりませんでしたから。
でもひろし君もタフですよね~、あの後すぐに全国ツアーでしょ?俺だったらマネできませんって。
「いや、不死鳥しばいて焼き鳥にして食べる方がまねできないと思うぞ。何にしてもお主には常識が足りん、その辺少しどうにか出来んのか。」
あ、それなら大丈夫です。流石に不味いと思ったマザーに言われて一色家って所で先代当主のお婆さんに霊能業界の常識を教わってきましたから。
「ちょっとまて、一色家と言ったら大和でも指折りの霊能の大家じゃないか、何でのっぺりがそんなところと関係があるんだい。」
どうもマザーが若い頃にあそこのお婆さんに見いだされて暫く手ほどきを受けてたらしいですよ。その絡みがあってマミーは霊能の仕事を引き受けていたらしいです。
そんで色々教わったんですけど世の中何があるか分かりませんね、ウチに遊びに来てた海姫さんと山姫さん、実は有名な神様でした。超びっくりですよ。後偶に来る菅原道子さんも神様って言うね、訳分かんないですよ。俺の周りどうなってるんですかね。
「へ?のっぺりって湯島の御大とも知り合いなのか?それに山姫って、どちらもビックネームじゃないか、どうなってるんだい本当に。」
それと俺って実は式神使いだったらしいです。四人と二匹の怪異と契約してたらしいんですよね。あ、これってハニワは除きますよ、あれはよく分からないって分類ですから。
「順子~、ちょっと来てくれ~。私一人では処理し切れん、お前も同席してくれ、頼む。」
朱音さんの声に修行を中断してこちらに戻って来た順子ちゃん、何かすみませんね。
そんで式神の話しでしたね、まずは動物タイプが二匹、鼬のつくねと犬の黒丸ですね。
「犬の黒丸って鎮魂の祠の主だよな?」
「師匠、気にしたら敗けです。」
それと人型が四人ですね。ブリジットと葛の葉、ノエルは朱音さんも会ってますよね。ハニ子の時の三人です。後うちで畑仕事をしているエリザベスさんも怪異だったんですよね、もう何がなんだか。
「なぁ順子や、葛の葉って神話レベルの大妖狐だったよな。」
「はい、鎮魂の森の主、朝廷の宿敵、伝承に謳われた古都の大怪異ですね。」
「ノエルとやらにもそれに匹敵する力を感じたんだが。」
「義父によれば他のお二方もとんでもない力を秘めているそうですよ。」
「それにハニ子までおるのっぺりって、世界中を敵に回しても余裕で勝てるのではないか?」
「これが佐々木さんで良かったですよね。」
"ズズズズズズ"
その辺もただ聞かされただけなら信じなかったかも知れないんですけど、一色家で行われた神降ろしの儀式ってのを見学させてもらった時に海姫さんが降臨しちゃったんですよね。もう信じざるを得ないでしょう、イリュージョンの仕事お疲れ様ですって言ったら”イリュージョンはやめて、ちゃんとご利益与えてるから”って言われちゃいましたけど。
「海姫様に向かってイリュージョンって。」
「佐々木さんにしてみたら降臨も顕現もマジックショーと変わらないんですね。」
あ、俺式神召喚出来るみたいです。つくねカモン。
”キュイキュイ”
ね?こいつ鼬のつくねです。可愛いでしょ?
”キュキュキュー♪”
「なんじゃあの無茶苦茶強力な鎌鼬は、下手な大怪異より強くないか!?」
「私、最近強くなったって調子に乗ってたみたいです。私なんてまだまだだったんですね。」
「いや、順子はようやっとる、こやつがおかしいだけじゃ。」
そう言えば二人は黒丸に会った事ってありましたっけ?黒丸呼びます?
「「勘弁してください。」」
え~、黒丸可愛いのに。
それで一色家で常識を教わりながら、あそこの訓練生と一緒に訓練して一般的な術者について教わって来たって訳です。
「一色家の家人と言えばこの国でも有数の術者集団ではなかったか?」
「はい、相当優秀でなければあそこの門はくぐれません。世間の一流があそこの最低基準ですから。」
「こやつの一般基準って一体。」
でもあそこの地下訓練施設は楽しかったな~。あの山の裏手にある洞窟なんですけどね、地下に続く深い下り坂になってまして、降りきると大きな門があって門番さんがいるんですよ。そこから地上までを一気に駆け上がるって奴なんですけどどういう仕組みか背後や上下左右から無数の手が伸びて来るんですよね。その辺は霊能術式の不思議パワーって奴なんですかね。
んでそれらを避けながら地上を目指す訓練をやって来たんですけ、どこれが中々タフな訓練でして。油断したら直ぐに捕まって門番さんの所に戻されるんですよね。つくねですら三回くらい捕まってましたから。
ま、私《わたくし》は逃走王ですので逃げ切って見せましたが。でも本選ラスト三十分に匹敵するほどの緊張感があったよな~、あれは良かった。結局五回やったら門番さんが記念品くれたんですよね。通行手形って言ってたけどあの先にはどんな訓練施設があるんだろう?つくねはまだ貰えてないんだけどね、連続五回クリアは中々難しいよね~。
”キュキュキュイー!”
次こそはクリアする?いい意気込みだ、頑張ろうね。
「師匠、一色家の山の洞窟って確かよ黄泉平・・・」
「よさんか順子、それ以上は口にしてはならん、囚われてしまうぞ。あとのっぺり、その通行証はここでは出すなよ、振りではないからな!
あぁ、それは一色のお婆さんにも言われてるんでハニワに仕舞ってあります。最近機能の拡張のお陰でリュックサック一つ分くらいなら取り込まずに収納出来るようになったんですよね。これ凄い便利です、いつでもカロリーバー食べれます。門番さんにも好評で、泣いて喜ばれましたから。そうそうこれお土産です。
そう言って俺は二本のペットボトルを取り出した。
「何じゃこれは?」
順子ちゃんも知ってる御奉霊山の天然水、一色家の後に行ってきました。スッとしてて美味しいですよ。
恐る恐る口にする両者。
”ゴクリッ”
「スッと抜ける爽やかな味わい、癖のない喉越し。確かに美味しい。
身体全体に染み渡る爽快感。次第に高まる力、魂の階位が二段階は上がる様な充実感ってなんじゃこりゃ~!!
おいのっぺり、これは何処のどう言った水なのじゃ!」
へ?これはワンワンのお社の水ですけど?疲れた時に飲むとスッと疲れが取れる不思議な水ですが。時々送って来てくれるからうちに帰れば冷蔵庫にあるんですけどね、こう言ったものは気持ちと言う事で。
「御奉霊山のワンワンのお社って大神様じゃないか!そこの水って御神水!なんつう物を持ってきとんじゃこの馬鹿もんが~!!」
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