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第四章 ラブコメって言ったら学園じゃね…
第487話 のっぺり、常識を知る。(霊能) (2)
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山の奥、長い階段を登り切った先にある立派な大和風の御屋敷。その屋敷の管理された庭園のさらに奥にある別棟の和室で、一服のお茶をいただく。
"ズルズルズル"
は~、美味しい。夏でも爽やかな山の風が吹くここでは、淹れたてのお茶は格別の味わいがあるのだろう。
さて、現実逃避はこの辺にして話しの続きに戻るとしよう。
「ふむ、頭から否定しないところを見るとなにやら色々体験していると言う事かの?では比較的身近にいる存在、怪異についてだが、坊やは怪異について何か知っているかい?」
え~っと、人ならざるモノと聞いてますが詳しくは分かりません。
「ふむ、普通はそんなもんだろう。怪異はそれこそ様々、人には理解出来ない異常現象もひっくるめて大まかに怪異と呼んでおる。坊やは物語に出てくるモンスターや妖怪といった言葉を知っているかい?」
はい、昔は世界の七不思議とか妖怪図鑑とかを読んでた事もありますんで。モンスターはゲームでも出て来ますよね。
「うむ、あれらは昔からの伝承を元に作られた物も多いと聞く。つまりああした存在が現実にも存在すると考えてよい。ほれ、先ほど坊やを案内した番犬が居ったじゃろう。あれは式神、犬の姿をした怪異を調伏または交渉によって使役したものだ。あやつは代々この家に仕える式であるがね。」
えっ、あのワンさん犬じゃないの!?代々ってかなりのご高齢?既に百年は越えている!?凄いなワンさん。
「こうした怪異を従える者をこの国では式神使いと呼んだりする。坊やは聞いたことあるかい?」
古都へ修学旅行に行った時、鳥を追い掛けてる集団がいて後から式神使いだったと聞いたことがあります。てっきり動物使いの別称だと思ってました。
「まぁ、人ならざるモノを従えると言う意味ではドックトレーナーも似たようなものではあるが、やれる事の範囲が違うからね。先ほど坊やにお茶を出してくれた者がいただろう?あれは私の式神、何も式神は動物の形ばかりではない、人型の場合や物の形をとることもある。怪異とは複雑怪奇な存在なのさ。」
えっ、マジですか。それじゃあの頭に付けてた角はコスプレじゃ無かったんだ、てっきり思春期拗らせちゃった人だと思ってた。なんかすみませんでした。
「ブフゥ、コスプレって、坊やはあの子の隠形が効かなかったのかい?普通はただの侍女に見えるはずなんだけどね。」
あ、俺その手の術って全く分からないんですよ。感じられないし感じない。だから教わっても上手く理解出来ないんですよね。
「だからかい、侵入検知の術式が発動しなかったのは。普通はあれで誰が来たのか分かるんだけどね。
まぁ話しを戻すよ、この世ならざるモノ、怪異がいるって事は分かって貰えたかい?」
はい、理解したかと言われれば怪しいですが、そういう存在がいるというのは分かりました。
「ま、それで十分、変に理解した気でいる方が危ないからね。つまりそいつらは人ではない、人の当たり前は全く通用しないと思っていた方がいい。
交流を持つ際には十分気を付けることだね。変に言葉が通じる分失敗する人間が多いからね。
次に神々だね。神様ってのはなんとなく分かるかい?」
お正月に初詣に行ったりお葬式で仏様に祈ったりするくらいですかね。心の支え、常に見守ってくださる存在。それくらいの認識でしょうか。
「一般人の認識としては上等だね。変に神にすがったり恐れたりするよりよほどましさ。でもあたしらの業界じゃ少し違う。神々は実在する。そのお力をお借りして怪異を調伏することもあれば祈祷をすることもある。神々とはより身近な存在なのさ。
この国には八百万の神々と言う言葉があるだろう?各土地や各家々に神々がおわすと言うこともあるのさ。
そうだ、霧影、確か今日は御当主による祈祷が予定されてなかったかい?」
「はい、確か海運企業からの依頼でその会社の船舶の安全祈願を行うと聞いています。」
「ふむ、それなら問題はないか。霧影、すまないが御当主に見学の許可をもらって来ておくれ。坊やと私の二人だ。」
「畏まりました。」
一礼をし、部屋を後にするコスプレーヤー。もとい、式神の霧影さん。
「御当主のお力は強力でね、神々の顕現を可能としているんだよ。
それほど頻繁に出来る事でもないから坊やはついていたよ。」
どうやら俺は本物の神様に会えるらしい。なんか凄い事になって来たと今更ながら緊張する佐々木大地なのでありました。
"ズルズルズル"
は~、美味しい。夏でも爽やかな山の風が吹くここでは、淹れたてのお茶は格別の味わいがあるのだろう。
さて、現実逃避はこの辺にして話しの続きに戻るとしよう。
「ふむ、頭から否定しないところを見るとなにやら色々体験していると言う事かの?では比較的身近にいる存在、怪異についてだが、坊やは怪異について何か知っているかい?」
え~っと、人ならざるモノと聞いてますが詳しくは分かりません。
「ふむ、普通はそんなもんだろう。怪異はそれこそ様々、人には理解出来ない異常現象もひっくるめて大まかに怪異と呼んでおる。坊やは物語に出てくるモンスターや妖怪といった言葉を知っているかい?」
はい、昔は世界の七不思議とか妖怪図鑑とかを読んでた事もありますんで。モンスターはゲームでも出て来ますよね。
「うむ、あれらは昔からの伝承を元に作られた物も多いと聞く。つまりああした存在が現実にも存在すると考えてよい。ほれ、先ほど坊やを案内した番犬が居ったじゃろう。あれは式神、犬の姿をした怪異を調伏または交渉によって使役したものだ。あやつは代々この家に仕える式であるがね。」
えっ、あのワンさん犬じゃないの!?代々ってかなりのご高齢?既に百年は越えている!?凄いなワンさん。
「こうした怪異を従える者をこの国では式神使いと呼んだりする。坊やは聞いたことあるかい?」
古都へ修学旅行に行った時、鳥を追い掛けてる集団がいて後から式神使いだったと聞いたことがあります。てっきり動物使いの別称だと思ってました。
「まぁ、人ならざるモノを従えると言う意味ではドックトレーナーも似たようなものではあるが、やれる事の範囲が違うからね。先ほど坊やにお茶を出してくれた者がいただろう?あれは私の式神、何も式神は動物の形ばかりではない、人型の場合や物の形をとることもある。怪異とは複雑怪奇な存在なのさ。」
えっ、マジですか。それじゃあの頭に付けてた角はコスプレじゃ無かったんだ、てっきり思春期拗らせちゃった人だと思ってた。なんかすみませんでした。
「ブフゥ、コスプレって、坊やはあの子の隠形が効かなかったのかい?普通はただの侍女に見えるはずなんだけどね。」
あ、俺その手の術って全く分からないんですよ。感じられないし感じない。だから教わっても上手く理解出来ないんですよね。
「だからかい、侵入検知の術式が発動しなかったのは。普通はあれで誰が来たのか分かるんだけどね。
まぁ話しを戻すよ、この世ならざるモノ、怪異がいるって事は分かって貰えたかい?」
はい、理解したかと言われれば怪しいですが、そういう存在がいるというのは分かりました。
「ま、それで十分、変に理解した気でいる方が危ないからね。つまりそいつらは人ではない、人の当たり前は全く通用しないと思っていた方がいい。
交流を持つ際には十分気を付けることだね。変に言葉が通じる分失敗する人間が多いからね。
次に神々だね。神様ってのはなんとなく分かるかい?」
お正月に初詣に行ったりお葬式で仏様に祈ったりするくらいですかね。心の支え、常に見守ってくださる存在。それくらいの認識でしょうか。
「一般人の認識としては上等だね。変に神にすがったり恐れたりするよりよほどましさ。でもあたしらの業界じゃ少し違う。神々は実在する。そのお力をお借りして怪異を調伏することもあれば祈祷をすることもある。神々とはより身近な存在なのさ。
この国には八百万の神々と言う言葉があるだろう?各土地や各家々に神々がおわすと言うこともあるのさ。
そうだ、霧影、確か今日は御当主による祈祷が予定されてなかったかい?」
「はい、確か海運企業からの依頼でその会社の船舶の安全祈願を行うと聞いています。」
「ふむ、それなら問題はないか。霧影、すまないが御当主に見学の許可をもらって来ておくれ。坊やと私の二人だ。」
「畏まりました。」
一礼をし、部屋を後にするコスプレーヤー。もとい、式神の霧影さん。
「御当主のお力は強力でね、神々の顕現を可能としているんだよ。
それほど頻繁に出来る事でもないから坊やはついていたよ。」
どうやら俺は本物の神様に会えるらしい。なんか凄い事になって来たと今更ながら緊張する佐々木大地なのでありました。
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