男女比世界は大変らしい。(ただしイケメンに限る)

@aozora

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第四章 ラブコメって言ったら学園じゃね…

第486話 のっぺり、常識を知る。(霊能)

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ほっ、ほっ、ほっ、ほっ、到着~。
しっかし長いな~、この階段。
麓からひたすら続く階段を登り辿り着いた屋敷門。上から見下ろすとその行程の長さが良く分かる。途中背広姿の女性がへばっていたけど大丈夫だったんだろうか。と言うかここの住人は生活物資とかどうしているんだろう?
謎は深まるばかりである。

あ、どうも、のっぺりっす。何してるのか?いや~、こないだマミーがキレちゃいましてね。もうしばらくは仕事をしたくないって言って突然社員旅行に行っちゃったんですよ。それでいいのかスタジオS&Bと思わなくも無いですが、当面大きな案件もないってことで事務員を少し残して温泉にGO。夏川きららたち三人娘も大喜びしてました。大型バスって意外とすぐでもチャーター出来るのね。コネがあった?マザーの謎の交友関係が炸裂です。
で、自分もいそいそと準備をしていたら"お前は常識が無さ過ぎる、少しは勉強してこい!"って別行動を言い渡されまして、マミーが若い頃お世話になった師匠って人の元に送られたってわけです。
でもマミーの師匠ならいいお年だよね?こんな山奥じゃ何かと不便じゃ無いの?
まぁその辺は個人の趣味だしなんとも言えないんですが。

で、到着したのはいいんだけど呼び鈴とか無いけどどうしたらいいんだろう?ごめんくださ~い。

・・・・まぁ当然返事はないよね。勝手に入っていいんだろうか?
お、ワンさんが伏せて居られる。ちょいとワンさん、こちらの家のご主人を訪ねて来たんだけど入ってもいいかね?
"・・・バウッ"

ムックリ立ち上がりこちらを先導する様に歩き出すワンさん。許可が下りた様なので後ろをついて行きましょう。
門の中は良く整えられた大和庭園になっておりました。何人か作務衣を着た女性が掃除や庭木の剪定をしています。こういった環境は維持するのも大変なんですね、作業員さんは住み込みなんだろうか?

"バウッ"

ん?ここで待てと、了解です。ワンさんは俺を案内すると一人で何処かへ行ってしまいました。

「貴方、こんなところで何をしているのですか?」

声がした方へ振り向くと着物姿の女性がこちらの様子をいぶかしげに伺っていました。
あ、どうも、こんにちは。
俺は佐々木大地って言います。母に言われてこちらの御屋敷を訪ねて来たんですが、勝手に入って来てすみませんでした。
初対面に礼儀は大事、俺はまずは非礼を詫びようと深く頭を下げるのでした。

「勝手に入って来た?門の前には侵入検知の術式があったはず。それに式神が侵入者に対処する手筈になっていたのでは。」

式神?あぁ、ワンさんの事?この御屋敷でも動物の事を式神呼びするのね。
お、噂をすればワンさんご登場。後ろのお方は誰じゃらほい?

「あぁ、御当主殿、よいよい。其奴は私の客人だよ。」

「これは大婆様、このような場所まで。こちらの方は一体?」

「この坊やは見鬼の息子だよ。何でもこっちの常識がからっきしらしくてね、あの子が泣き付いて来たって訳さ。」

「見鬼の。しかしながらさして才能も無い様に見受けられますが、大婆様が自らお出ましになられることも無いのではないでしょうか。」

「カッカッカッ、まぁいいじゃないか。あたしだって退屈していたんだ、たまには仕事をさせておくれよ。で、坊やの名前はなんて言うんだい?」

はい、佐々木大地と言います。本日はよろしくお願いします。

「それじゃこっちにおいで、良かったら御当主殿も来るかね?」

「いえ、私はこれから面会の予定がありますので。」

「そうかい、頑張っておくれ。坊やはこっちだよ、ついておいで。」

なんかドラマみたいなやり取りだな~と思いながら、俺はお婆さんの後に着いて行くことにした。

そこは落ち着いた感じの別棟であった。お婆さんは障子張りの和室に入ると座布団を勧めてくれた。
楽にして良いとの事なので、お言葉に甘え胡座をかく。しばらくするとお手伝いさんらしき女性がお茶を出してくれた。

「で、坊やはこっちの業界についてはろくに知らないってことでいいんだね?」

あ、はい。母親が霊能関係の仕事をしているってのもつい最近知ったばかりですから。
俺は隠しても仕方がないので素直に話しをする。

「それにしては体幹がしっかりしてるし、それなりに修行をしている様に見えるけどね。」

それは中学の時から部活で鍛えてたからですかね。これでも俺、逃走王の称号持ちですんで。

「すまないね、世間に疎くてその逃走王ってのが何なのかは分からないが鍛えているってのは分かったよ。それじゃ霊能関係の修行はやってないってことかい?」

う~ん、関係あるかは分からないけど何回か滝行に行かされたり無人島に置き去りにされた事はあるかな?お陰でサバイバル能力には自信があります。
無人島生活、あれは未だに忘れられないトラウマ級の出来事だったな~。(遠い目)

「あの子は子どもに一体何をさせてるんだい。それじゃ霊能関係を知らないってことで話しをさせて貰うよ。
この世界には私たち人間以外に知能を持った存在がいる。それが何か分かるかい?」

え~っと、頭のいい動物とかですか。

「う~ん、近くて遠いって所かね。
それはこの世ならざるモノたち、怪異と呼ばれるモノ、そして神々と呼ばれるモノたちさ。」
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