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第四章 ラブコメって言ったら学園じゃね…

第481話 ツッキーはご自慢です。

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バスは目的地へと到着した。
人々は涼しい車内からまたジリジリとした日差しの元へと戻される。だがその顔はどこか嬉しげだ、何故なら夏の象徴が目の前にあるから。
熱砂スパランド、そこは巨大プールはもちろんウォータースライダーや各種娯楽場、温泉区域などを備えた複合レジャー施設である。
初めて訪れたのは小学六年生の夏、男女比世界に転生した事に感謝したあの日、魂のふるさと。俺は再びこの地に戻って来たんだ。

「はい、固まらない。ここは熱い、移動を推奨。」

えっ、ちょっと。もう少し感動に浸っていたかったんですけど。ちょっと耳を引っ張らないでください、月子さん~。
男のロマンは女性には理解していただけない様です。(グスン)

「着替えたらプールサイドで集合。ナンパされても付いて行かない、お姉さんとのお約束。」

了解であります。大人しくしているのであります。
そう、ここは夏のプール。つまりナンパ女性の多発地帯。一応施設側の監視員が常時見回りをしているんだけど、完全に防ぐことは難しく。以前もあったな~、康太君がナンパされたこと。あの時はイケメン木村君が助けてくれたんだよな。で、女性恐怖症(幼女限定)を発症したんだよね。うん、懐かしい。
今じゃ木村君もすっかり良くなって、世間じゃ”凱旋の騎士様”って呼ばれるようになっちゃったもんな~。木村君本人は”温泉王子”って呼ばれる方が嬉しいみたいだけど。
木村君、ここに来たらプールに行かずにずっと温泉区域にいそう。草津の湯なんか本格的だからね、ちゃんと硫黄泉を運んできてるし。気合の入り方が違うよね、熱砂スパランドって。

すらりと伸びた背筋、逞しい脚部の筋肉群、発達した広背筋。その後ろ姿は誘蛾灯の様に女性を引き付ける。

「そこの彼。」

また一人の女性が彼に声を掛ける。その声に振り向く男性、そして。

「あ、ごめん人違いでした。突然声掛けなんてしてごめんね。」

と、去って行く。うん、これで何度目だ?
普段はここまで声を掛けられる事なんてないんだけどな~。夏のプールサイドは女性を大胆に変えるのか?こんな所に男性が一人佇んでいたらダメもとで声を掛けるのは必然?水着男性って所がポイントとか?スタイルまる分かりだし。

「ねぇそこのお兄さん、もしかして一人とか?よかったら私たちと遊ばない?」

お、今度ははっきりと言い切ったぞ。
俺はゆっくりと振り返る。(急に振り返るとなぜか悲鳴を上げられるため。)
ってか篠原じゃん、それに兵頭も。もしかして沢田と上田さんも一緒とか?

「げ、のっぺりに声掛けちまった。あたしのイケメンセンサーが誤作動を起こすとは、一生の不覚。」

「あ、のっぺり。あなたまた肉体イケメン度上がってない?後ろ姿のオーラ半端なかったわよ。って言うか篠っちがナンパするなんて言い出すから。自業自得よ、こんな所で突っ伏さないの。」

篠原の奴両手両膝ついてマジ落ち込みしてやんの。リアルでorzする奴初めて見たわ。って言うかお前ら部活はどうしたんだよ、今インターハイで忙しいんじゃないのかよ。

「今日は休養日、ずっと部活漬けだと逆にポテンシャルが下がるんですって。それで篠っち達と一緒に遊びに来たわけ。たまたまチケットが手に入ったってのもあるんだけどね。
佐々木はこんな所で何やってたの?もしかしてナンパ待ち?」

するか~、そんな無駄な事。さっきから声を掛けられては人違いでしたって言われ続けとるわ。流石にここまで落ち込んだのは篠原が初めてだけど、自分でも分かってるから言わんといて。
途端ゲラゲラ笑いだす二人、本当失礼しちゃう。
それに一人じゃないから、ちゃんと連れがいるから。

「大地~、ごめんね。待たせちゃった?あれ、こちらの女の子たちは?もしかして浮気?私が遅かったからって酷いぞ。」(ぷんぷん)

「「え?なんかスゴイ美人?大地って下の名前呼び?って言うかもしかして”咲夜”さん!?」」

うわっ、月子さん滅茶苦茶猫被ってご登場。なんかさりげなく俺の事”大地”呼びしてるし。
篠原達驚き過ぎてプチパニック起こしてるんですけど。まぁ有名人が行き成り現れたらびっくりするか~。
月子さん超自慢げ、でもそこまで猫被って来たんなら最後まで我慢しましょうよ、腰に手を当ててどや顔したらダメですから。
エッヘンって胸を張らないで~!
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