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第四章 ラブコメって言ったら学園じゃね…
第478話 次はドラマのお仕事です。
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「「ただいま~。」」
フロンティア連合でのお仕事は楽しかったけど草臥れました。あの国ってなんかパワフルなんだもん、基本怠け者の私にはキツイものがあります。
リビングでゴロゴロしながら黒丸と戯れてる時が一番幸せ。
渋めのお茶をすすりながらお茶菓子を齧ってる時も至福。
温泉に入ってボーっと空を眺めるのもいいよね~。
やっぱり大和が一番だよね~。(しみじみ)
「あ、若。ちょうどよい所に戻られました。早速で申し訳ありませんが撮影現場に向かいましょう。」
ん?ごめん、俺帰国してすぐで頭が働かないみたい。町田さんが何を言ってるのか理解できない。
「詳しい事は車内でお話しいたします。早速移動しましょう。」
えっ?ちょっと待って。おいブリ、何笑顔で見送り側に立っている。”私はVツーバーアーカイブのチェックがございますんで”じゃねえんだよ。一応お前は俺の付き人でしょうが、頑張ってくださいじゃないんだよ!
あ、早くしろと、分りました。ブリ、手前覚えてろよ、この裏切り者~!
帰国後そうそう町田さんにドナドナされるのっぺり佐々木なのであります。(グスン)
んでどうしちゃったんです、いくらなんでも急ですよね。確か撮影は帰国後何日か間があったはずなんですけど。
「はい、本来なら今回の敵役とのシーン撮影の予定が入っていたんですが、その敵役が不祥事を起こしちゃいまして。今までのシーンすべて撮り直しになっちゃったんですよ。
それで急遽支配者のシーンを先撮り出来ないかとの打診が入りまして、吉村君と木村君はすでに撮影に入っています。後は若の帰国待ちと言った所です。」
うわっ、なんて迷惑な。なんで監督もそんな役者選んじゃったかな~。
「それが上層部からのごり押しだったらしいです。中央都テレビの上層部、大手芸能事務所とズブズブですから。」
あぁ、そう言えばイケメン大好き編成局長のいる所だったっけ?俺今回大丈夫なの?確か素顔で出るんだよね?
「その辺は大丈夫な様です。これがメインの役柄でしたら大揉めですが、物語を盛り上げる為のキャスティングですので。脇役には必ずしもイケメンを求めていませんからね。」
う~ん、そう言えばあの局ってドラマのメインキャストにイケメン以外が登場しないんだよね。関東テレビならそんな事も無いんだけどね、あそこの二時間サスペンス個性派俳優や個性派女優を結構起用するし。その方が世界観の幅が広がって面白いと思うんだけどな~。
「まぁその辺は各局の考え方の違いですから。中央都テレビもお笑いバラエティーやほのぼの企画にはイケメン以外がメインになる事もあるじゃないですか。」
あぁ、電動バイクの旅がそうだったね。あの芸人さん面白いよね、ゲストの個性派俳優さんも楽しそうだしね。
「それもそれぞれの持ち味の違いって奴ですよ。そろそろ着きます。おはようございます、スタジオS&Bの町田です。本日はよろしくお願いします。」
守衛さんに挨拶をして車を進める町田さん。
こうして俺は旅の疲れもそのままに現場入りする事になってしまった。
「お疲れさん、佐々木久しぶりだな~。」
おぉ~、吉村、本当久し振り、元気そうで何より。
町田さんから聞いてるよ、滅茶苦茶忙しくしてるらしいじゃん。ドラマで引っ張りだこなんだって、大出世じゃん。
「いや~、そんな事はあるかな、俺頑張ってるし。お前の方はどうよ、相変わらずマルチにご活躍な様じゃないか。」
うん、色々やってはいるんだけどね、なぜか世間で認知されないというか、懐かしのあの人みたいな扱いなんだよね。最終的には本人と認識されないって言うこの不思議。なんでこんな事になるのか自分が一番分かってないんだけどね。
「それは俺にも解らん。ウチの彼女も不思議がっていた、あれだけメディアに出てるのに誰も騒がないのっておかしいって。まぁなんにしても今日はよろしく。
そうそう、台本にかなりの修正が入ったぞ。なんでも撮影スケジュールがカツカツなんだと。それで残念ながら佐々木の冴えないサラリーマンのシーンは全面カットとなりました。ほら、これが新しい台本。」
えっ、ちょっと待って。俺の出番ってただでさえ少なかったよね!?もっと減っちゃうの?
俺は急いで渡された台本を確認する。
>配下から渡された資料に目を通す。
>「よし、行くぞ。」
>椅子から立ち上がり部屋を出る。
えっ、もしかしてこれだけ?
主人公のラスボス対決に乱入するシーンは?
他に見せ場なんてなかったよね?
”ポン”
俺の肩にそっと置かれた吉村の手、彼は慈愛の籠った眼差しを向け言葉を掛けた。
「強く生きろ。」
俺はその場で膝から崩れ落ちるのであった。
フロンティア連合でのお仕事は楽しかったけど草臥れました。あの国ってなんかパワフルなんだもん、基本怠け者の私にはキツイものがあります。
リビングでゴロゴロしながら黒丸と戯れてる時が一番幸せ。
渋めのお茶をすすりながらお茶菓子を齧ってる時も至福。
温泉に入ってボーっと空を眺めるのもいいよね~。
やっぱり大和が一番だよね~。(しみじみ)
「あ、若。ちょうどよい所に戻られました。早速で申し訳ありませんが撮影現場に向かいましょう。」
ん?ごめん、俺帰国してすぐで頭が働かないみたい。町田さんが何を言ってるのか理解できない。
「詳しい事は車内でお話しいたします。早速移動しましょう。」
えっ?ちょっと待って。おいブリ、何笑顔で見送り側に立っている。”私はVツーバーアーカイブのチェックがございますんで”じゃねえんだよ。一応お前は俺の付き人でしょうが、頑張ってくださいじゃないんだよ!
あ、早くしろと、分りました。ブリ、手前覚えてろよ、この裏切り者~!
帰国後そうそう町田さんにドナドナされるのっぺり佐々木なのであります。(グスン)
んでどうしちゃったんです、いくらなんでも急ですよね。確か撮影は帰国後何日か間があったはずなんですけど。
「はい、本来なら今回の敵役とのシーン撮影の予定が入っていたんですが、その敵役が不祥事を起こしちゃいまして。今までのシーンすべて撮り直しになっちゃったんですよ。
それで急遽支配者のシーンを先撮り出来ないかとの打診が入りまして、吉村君と木村君はすでに撮影に入っています。後は若の帰国待ちと言った所です。」
うわっ、なんて迷惑な。なんで監督もそんな役者選んじゃったかな~。
「それが上層部からのごり押しだったらしいです。中央都テレビの上層部、大手芸能事務所とズブズブですから。」
あぁ、そう言えばイケメン大好き編成局長のいる所だったっけ?俺今回大丈夫なの?確か素顔で出るんだよね?
「その辺は大丈夫な様です。これがメインの役柄でしたら大揉めですが、物語を盛り上げる為のキャスティングですので。脇役には必ずしもイケメンを求めていませんからね。」
う~ん、そう言えばあの局ってドラマのメインキャストにイケメン以外が登場しないんだよね。関東テレビならそんな事も無いんだけどね、あそこの二時間サスペンス個性派俳優や個性派女優を結構起用するし。その方が世界観の幅が広がって面白いと思うんだけどな~。
「まぁその辺は各局の考え方の違いですから。中央都テレビもお笑いバラエティーやほのぼの企画にはイケメン以外がメインになる事もあるじゃないですか。」
あぁ、電動バイクの旅がそうだったね。あの芸人さん面白いよね、ゲストの個性派俳優さんも楽しそうだしね。
「それもそれぞれの持ち味の違いって奴ですよ。そろそろ着きます。おはようございます、スタジオS&Bの町田です。本日はよろしくお願いします。」
守衛さんに挨拶をして車を進める町田さん。
こうして俺は旅の疲れもそのままに現場入りする事になってしまった。
「お疲れさん、佐々木久しぶりだな~。」
おぉ~、吉村、本当久し振り、元気そうで何より。
町田さんから聞いてるよ、滅茶苦茶忙しくしてるらしいじゃん。ドラマで引っ張りだこなんだって、大出世じゃん。
「いや~、そんな事はあるかな、俺頑張ってるし。お前の方はどうよ、相変わらずマルチにご活躍な様じゃないか。」
うん、色々やってはいるんだけどね、なぜか世間で認知されないというか、懐かしのあの人みたいな扱いなんだよね。最終的には本人と認識されないって言うこの不思議。なんでこんな事になるのか自分が一番分かってないんだけどね。
「それは俺にも解らん。ウチの彼女も不思議がっていた、あれだけメディアに出てるのに誰も騒がないのっておかしいって。まぁなんにしても今日はよろしく。
そうそう、台本にかなりの修正が入ったぞ。なんでも撮影スケジュールがカツカツなんだと。それで残念ながら佐々木の冴えないサラリーマンのシーンは全面カットとなりました。ほら、これが新しい台本。」
えっ、ちょっと待って。俺の出番ってただでさえ少なかったよね!?もっと減っちゃうの?
俺は急いで渡された台本を確認する。
>配下から渡された資料に目を通す。
>「よし、行くぞ。」
>椅子から立ち上がり部屋を出る。
えっ、もしかしてこれだけ?
主人公のラスボス対決に乱入するシーンは?
他に見せ場なんてなかったよね?
”ポン”
俺の肩にそっと置かれた吉村の手、彼は慈愛の籠った眼差しを向け言葉を掛けた。
「強く生きろ。」
俺はその場で膝から崩れ落ちるのであった。
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