男女比世界は大変らしい。(ただしイケメンに限る)

@aozora

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第四章 ラブコメって言ったら学園じゃね…

第466話 ペンションに行こう (3)

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ほんのり薄暗い室内。各テーブルにはガラス製のランプが置かれ淡い光を浮かべている。

「こちら、当館自慢のビーフシチューになります。ごゆっくりお召し上がりください。」

一礼し下がって行くウェイター(天海君)。テーブルのスープ皿からはデミグラスソースの美味しそうな香りが立ち昇って来る。
スプーンを牛肉に当てる。ほろっと崩れる様に切り分ける事の出来るお肉の塊。
スープと共に口に運べば口内一杯に幸せの味が広がって行く。牛肉の旨味と赤ワインとが混ざり合い深いコクとなっている。

「美味しい~。」

自然とこぼれる笑み、美味しいものは人を幸せにするのだと改めて実感する。
行際悪いかもしれないけど、これはパンにつけたら絶対美味しいかも。
マナー的には最悪らしいんですけど!
格好付けのナレーションは良いのか?無理無理、だって美味しいんだもん。天海君、このスープ浸して食べちゃダメ?駄目なの?そうなんだ。(しょんぼり)

「今度家で作ってあげますね。そうしたら心行くまで浸して食べてもいいですよ♪」

本当?香織さんありがとう。お子様な俺でごめんね。

「その代わり私の事も絵実みたいに”香織”って呼んでください。いつまでも”さん”付けじゃ寂しいです。私だって婚約者なんですからね。」(ウルウルした上目使い)

「う、うん分かったよ。これから敬称は付けずに呼ぶ様にするよ。”香織”」

「はい♪」(花の様な満面の笑み)

グホッ、クリティカルヒット。隣で絵実が嬉しそうにしているのが余計に来る。
口から砂糖吐くってこんな感じ?周りのヘイト溜まってない?

あ、うん、そんな事なかった。めっちゃ温かい視線頂いてました。口パクで”頑張れ少年”って伝えてくれたお姉さん、どうもありがとう。俺、幸せになるね。

その後デザートを食べ、楽しく美味しい食事を終えた俺たちは、大変満足した気持ちで部屋へと戻るのでした。


(side:天海光彦)

「お前たち、待たせたな。今宵も一時ひとときの夢を届けよう。
異界よりの使者、大空天。ここに推参。今宵は我が屋敷ではなく別邸からお送りしよう。
はいまぁそう言う訳でして、以前報告した通り親戚の家のペンションからお届けしております。今日もしっかり労働しました、おばさんこき使いまくるんだもん。あちこち筋肉痛です。」

名無しの虜>
天さんお疲れっす。少しは労働の喜びを味わえましたか。

「コメありがとうね。労働の喜び、勤労意欲皆無な我にはない概念だな。しかし、世間体は非常に大事。現場では完璧に取り繕って見せようではないか、ハハハハハ。
って感じでやってま~す。」

名無しの虜>
天さん相変わらずっすね、それで接客業(笑)、持ちますか。

「ふん、我の持続性の無さは折り紙付き、故にこれは社会復帰との名目で課せられた試練なのさ。我に試練、片腹痛いわ。主に筋肉痛で、もう大変なの。」

名無しの虜>
前に客引きのノルマ一組(笑)があるって言ってましたが、達成出来ました~?

「お前たち、この我を嘗めるなよ。友人皆無な我が客引きなど出来ると思うてか!
頼み込んで何とか一組GETです、超ラッキー。
でもそいつ滅茶苦茶美人の婚約者連れて来やがった。しかも二人、驚き過ぎて動き固まりました。うん、世の中何が起きるか分からないね。」

名無しの虜>
天様の知り合いでノルマに協力してくれそうな人・・・もしかして”中の人”ですか?えっ、中の人婚約してたんですか!?だって中の人ですよ、しかも美人って・・・。
天様その辺詳しく!

名無しの虜>
えっ、”中の人”ってこないだ暴走しまくった”のっぺり”か?あいつ婚約してたんかい、やるなのっぺり。俺なんか凄く勇気もらった気がする。
アイツが婚約者、しかも二人も。俺も負けてられないわ、天さん、俺明日ハロワに行ってくるよ。

「お、おう。頑張れよ~。あまり気合入れ過ぎて空回りするなよ~。って言うかコメ欄滅茶苦茶のっぺりの事で埋め尽くされてるんですけど。のっぺり大人気?
今すぐ引き摺って来いって無理だから、お客様だから。お前らチョッと落ち着け~。」

Vツーバー大空天の配信は不用意な発言のっぺりの情報により、またしても大炎上となるのでした。(合掌)
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