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第四章 ラブコメって言ったら学園じゃね…
第458話 業務報告
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「おい息子、ハニ子見なかったかい?」
土曜日の朝、リビングで黒丸と戯れているとマイマザーからそんな質問が投げ掛けられた。
ん?ハニ子ならブリと葛の葉連れて温泉に行ったけど?牧之原温泉郷の牧之原隠里の湯狐火亭って所。前に“旅は道連れ世は情けねぇ”の撮影で行った所なんだけど、隠れ里の湯って言うだけあって、なかなかいい温泉宿なんだよね、静かで雰囲気も最高だし。今回滅茶苦茶疲れたからしばらく学校に行きたくないんだと。俺もそんな状態で統合したくないんでリフレッシュしてからって事にしたんだよね。
そんな俺の返答に苦笑いを浮かべるマイマミー。いや、しょうがないじゃん、高校生にやらす様な仕事じゃないからね。話し聞いただけて頭くらくらしたもん。だよね~黒丸~♪
お腹を見せて気持ち良さそうな顔の黒丸、超癒される。
「はぁ~、そう言う事なら仕方がない、事情説明は私が行く事にするよ。」
深いため息と共に諦め顔になるマミー。
どうしたマミー、報告書ならハニ子が出したはずだけど?
「その報告書が問題だったのさ。政府側の担当者にお前が言った通りそのまんまの状態で提出したら、徹頭徹尾信じられない内容だって相手にされなくってね。ま、それは想定通りなんでいいんだが、後から更に上層部の人間からの問い合わせがあったらしくて大慌てさ。何せこっちの報告書を突っぱねて内容なんざ何も知らないんだから。
それで急に警護担当者の話しが聞きたいと言い出したって訳さ。」
そいつ馬鹿じゃん。そんなのほっとけば?だって報告書は提出したんでしょ?受け取る受け取らないは向こうの判断なんじゃない?
今回の件だって散々警告したのに聞かなかったんじゃん。いくらマミーが言ったからって、俺はこれ以上の協力なんてしないからね。
あんまりしつこいと直接出張るよ?
「どうどう、落ち着きなって。あたしもそこまで言わないよ。一応ハニ子は関係者だからね、話しは通さないといけないだろうさ。統合した後ならあんたに話せばいいかも知れないけどまだなんだろ?今のハニ子がどう考えるのか分からないからね。」
あぁ、そう言う事ね、ちょっと待って。うん、いまハニ子に聞いたら絶対行かないってさ。私の仕事はお仕舞い、当面ハニ子にはなりませんって言ってるよ。
"だろうさね"と再びため息をつくマイマザー。一縷の望みに賭けたんだろうけど基本精神は俺だから、終わった事まで面倒は見ないから。物事は速攻解決それがのっぺりクオリティーですから。やることやったら後はだらだらするのさ。
(side : 大和国政府)
「総理、タスマニア公国政府よりの内々での会談要請ですが如何いたしますか?向こうサイドとしてはこの度の高宮ひろし招聘の際に起きた数々の不祥事に対する謝罪を行いたいとのよしにございますが。」
「如何もなにもその詳細についての情報が上がって来ていないではないですか。今回の件の担当者は一体何をしているのです。」
「それですが、詳しい話しを聞く為に直接担当者に当たったのですが、私は知らない、警護担当者に聞いてくれの一点張りでして。仕方がなく警護担当に当たった民間会社に問い合わせたのですが、詳細報告書はこちらの担当者に渡したから他に説明する事はないと梨の礫でして。
どうもこちらの担当者が報告書を握り潰した様でした。」
「はぁ?一体何をやっているんですかその担当者は、国際問題に発展しようとしているのですよ?」
「それなんですが、よくよく問い詰めたところ、あまりに荒唐無稽な話しに馬鹿にされていると思ったらしく処分してしまったようでした。
仕方がなく、先の民間会社に報告資料の再提出をお願いしたものがこれになります。」
総理は暫し黙して報告書を読み耽る。
「貴女はこの報告書に目を通しましたか?」
「はい、総理にご覧頂くのですからその精査は私の仕事ですので。」
「ではこれを読んで、正直なところどう思いましたか?」
「はい、高宮ひろし招聘の担当者が握り潰した気持ちがよく分かったかと。荒唐無稽、映画でももう少し大人しい作りではないかと。これでは観客が疲れてしまいます。B級映画でももう少しましですかね。」
「空港到着直ぐに国際テロに見せかけた拉致未遂、しかも黒幕が大物議員のアルテイシア・クロイッツ。
続いて第三公女の呼び出しからの求婚、第二公女の暗躍、更に公爵本邸に乗り込むって、初日からクライマックスではないですか。」
「ええ、更に言えばその場で我が国とタスマニア公国との友好関係をより強固に取り持っています。その辺の外交官では太刀打ち出来ない快挙です。」
「で、その後に現れたタスマニア公国の守護神不死鳥をボコボコにして美味しく頂いたと。」
「味が濃厚なのでシンプルに塩胡椒がベストとの事でしたね。炊きたてご飯がなかったことが悔やまれるとの記載がありました。」
「その後はタスマニア公国軍を指揮して犯罪組織を検挙しまくるですか。誰が信じるんですかこんな報告書、私だったら怒鳴り付けてるところですよ。
一体どこのスーパーヒーローだと言うのです、フロンティア連合ですか。」
「あぁ、私もあの国の映画は好きですね。それでこの報告書に記載されている二名の警護担当者について調べて見ました。」
「何か分かったのですか?」
「はい、彼女たちは外事登録をしておりました。」
「・・・えっ、外事ってあの外事ですよね。と言うことは今回の件も誰かと契約しての事だと。」
「恐らく。更に分かった事ですが、彼女たちの登録所属先事務所の代表は御劔山の所有者でした。」
「なっ・・・。」
「そして・・・」
「まだ何かあると言うのですか!」
「はい、これはまだ未確認の情報なのですが、この者マザー佐々木に関して無視できない話しがございます。」
「・・・・」
「ユーロッパ王国国王ジュゼッペ・ウル・ユーロピア陛下が極秘裏に来訪、密会をしたとの情報でございます。」
土曜日の朝、リビングで黒丸と戯れているとマイマザーからそんな質問が投げ掛けられた。
ん?ハニ子ならブリと葛の葉連れて温泉に行ったけど?牧之原温泉郷の牧之原隠里の湯狐火亭って所。前に“旅は道連れ世は情けねぇ”の撮影で行った所なんだけど、隠れ里の湯って言うだけあって、なかなかいい温泉宿なんだよね、静かで雰囲気も最高だし。今回滅茶苦茶疲れたからしばらく学校に行きたくないんだと。俺もそんな状態で統合したくないんでリフレッシュしてからって事にしたんだよね。
そんな俺の返答に苦笑いを浮かべるマイマミー。いや、しょうがないじゃん、高校生にやらす様な仕事じゃないからね。話し聞いただけて頭くらくらしたもん。だよね~黒丸~♪
お腹を見せて気持ち良さそうな顔の黒丸、超癒される。
「はぁ~、そう言う事なら仕方がない、事情説明は私が行く事にするよ。」
深いため息と共に諦め顔になるマミー。
どうしたマミー、報告書ならハニ子が出したはずだけど?
「その報告書が問題だったのさ。政府側の担当者にお前が言った通りそのまんまの状態で提出したら、徹頭徹尾信じられない内容だって相手にされなくってね。ま、それは想定通りなんでいいんだが、後から更に上層部の人間からの問い合わせがあったらしくて大慌てさ。何せこっちの報告書を突っぱねて内容なんざ何も知らないんだから。
それで急に警護担当者の話しが聞きたいと言い出したって訳さ。」
そいつ馬鹿じゃん。そんなのほっとけば?だって報告書は提出したんでしょ?受け取る受け取らないは向こうの判断なんじゃない?
今回の件だって散々警告したのに聞かなかったんじゃん。いくらマミーが言ったからって、俺はこれ以上の協力なんてしないからね。
あんまりしつこいと直接出張るよ?
「どうどう、落ち着きなって。あたしもそこまで言わないよ。一応ハニ子は関係者だからね、話しは通さないといけないだろうさ。統合した後ならあんたに話せばいいかも知れないけどまだなんだろ?今のハニ子がどう考えるのか分からないからね。」
あぁ、そう言う事ね、ちょっと待って。うん、いまハニ子に聞いたら絶対行かないってさ。私の仕事はお仕舞い、当面ハニ子にはなりませんって言ってるよ。
"だろうさね"と再びため息をつくマイマザー。一縷の望みに賭けたんだろうけど基本精神は俺だから、終わった事まで面倒は見ないから。物事は速攻解決それがのっぺりクオリティーですから。やることやったら後はだらだらするのさ。
(side : 大和国政府)
「総理、タスマニア公国政府よりの内々での会談要請ですが如何いたしますか?向こうサイドとしてはこの度の高宮ひろし招聘の際に起きた数々の不祥事に対する謝罪を行いたいとのよしにございますが。」
「如何もなにもその詳細についての情報が上がって来ていないではないですか。今回の件の担当者は一体何をしているのです。」
「それですが、詳しい話しを聞く為に直接担当者に当たったのですが、私は知らない、警護担当者に聞いてくれの一点張りでして。仕方がなく警護担当に当たった民間会社に問い合わせたのですが、詳細報告書はこちらの担当者に渡したから他に説明する事はないと梨の礫でして。
どうもこちらの担当者が報告書を握り潰した様でした。」
「はぁ?一体何をやっているんですかその担当者は、国際問題に発展しようとしているのですよ?」
「それなんですが、よくよく問い詰めたところ、あまりに荒唐無稽な話しに馬鹿にされていると思ったらしく処分してしまったようでした。
仕方がなく、先の民間会社に報告資料の再提出をお願いしたものがこれになります。」
総理は暫し黙して報告書を読み耽る。
「貴女はこの報告書に目を通しましたか?」
「はい、総理にご覧頂くのですからその精査は私の仕事ですので。」
「ではこれを読んで、正直なところどう思いましたか?」
「はい、高宮ひろし招聘の担当者が握り潰した気持ちがよく分かったかと。荒唐無稽、映画でももう少し大人しい作りではないかと。これでは観客が疲れてしまいます。B級映画でももう少しましですかね。」
「空港到着直ぐに国際テロに見せかけた拉致未遂、しかも黒幕が大物議員のアルテイシア・クロイッツ。
続いて第三公女の呼び出しからの求婚、第二公女の暗躍、更に公爵本邸に乗り込むって、初日からクライマックスではないですか。」
「ええ、更に言えばその場で我が国とタスマニア公国との友好関係をより強固に取り持っています。その辺の外交官では太刀打ち出来ない快挙です。」
「で、その後に現れたタスマニア公国の守護神不死鳥をボコボコにして美味しく頂いたと。」
「味が濃厚なのでシンプルに塩胡椒がベストとの事でしたね。炊きたてご飯がなかったことが悔やまれるとの記載がありました。」
「その後はタスマニア公国軍を指揮して犯罪組織を検挙しまくるですか。誰が信じるんですかこんな報告書、私だったら怒鳴り付けてるところですよ。
一体どこのスーパーヒーローだと言うのです、フロンティア連合ですか。」
「あぁ、私もあの国の映画は好きですね。それでこの報告書に記載されている二名の警護担当者について調べて見ました。」
「何か分かったのですか?」
「はい、彼女たちは外事登録をしておりました。」
「・・・えっ、外事ってあの外事ですよね。と言うことは今回の件も誰かと契約しての事だと。」
「恐らく。更に分かった事ですが、彼女たちの登録所属先事務所の代表は御劔山の所有者でした。」
「なっ・・・。」
「そして・・・」
「まだ何かあると言うのですか!」
「はい、これはまだ未確認の情報なのですが、この者マザー佐々木に関して無視できない話しがございます。」
「・・・・」
「ユーロッパ王国国王ジュゼッペ・ウル・ユーロピア陛下が極秘裏に来訪、密会をしたとの情報でございます。」
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