467 / 525
第四章 ラブコメって言ったら学園じゃね…
第456話 護衛任務 (12)
しおりを挟む
『”AチームBチーム、配置完了。これより突入を開始する。”』
『”本部了解、各チームの健闘を祈る。こちらの合図と共に行動に移られたし。”』
『宜しいでしょうか?行きます。』
”パチンッ”
『”各チーム突入開始!”』
合図と共に一斉に建物になだれ込む突入部隊、だがそこには銃声も喧騒も一切生じない。彼女らは全ての場所の安全を確認し、そこに転がる容疑者を次々と捕縛していく。
『使者殿、ご協力感謝いたします。これですべての組織員を捕縛する事が出来ました。』
『いえ、これも私の仕事ですので。では後の事は全てお任せしても?』
『はい、後の事はこちらで。おい、誰か使者殿をお送りしろ。』
『了解しました、司令官。』
これ何件目だろう。私ハニ子はやや遠い目をしながらこれまでの日々を振り返る。
ひろし君を狙う組織多過ぎでしょうが!
初日の誘拐未遂事件に二日目の狙撃未遂事件、”暁の夜明け”の実行犯捕縛、警備部副主任シルビア・バードさん泡吹いて倒れちゃいました。
そりゃそうだよね、どこのリアルタイム犯罪ドラマ?二十四時間走り回っちゃうの?四十八時間走り回る続編もあった様な?普通の人、いや、修羅場をくぐり抜けた人でも無理だから、アップアップしちゃうから。
仕方がないので公爵閣下の元へGO。
”これ以上の接触はお互いに不幸を呼ぶことでしょう。”などと格好いい事を抜かしておきながら、舌の根も乾かぬうちに公爵様ヘルプですわ。執事長のジャンジバルさん、目をひん剥いて驚いてたけどね。
だって仕方が無いじゃない、現場が回らないんだもん。
それでお隣の軍人さんを一個小隊お借りして見つけ次第出動して貰ってるんですけどね。
ひろし君御一行、有名なショッピング市場にお買い物に行く。楽しく談笑しながらお店散策、とある宝石店に入ると”お客様方に特別な商品をお見せします”と店の奥にご案内。でも危ない、ひろし君そこは人身売買組織のGETスポットよ。
店員が”しばらくお待ちください”と言って一行から離れた隙に全員を捕縛。店員に化けた捜査官を向かわせお買い物を楽しんでいただきました。
再びお買い物を楽しむひろし君御一行、すると母親を探して泣きじゃくっている少女を発見。ひろし君、少女にそっと寄り添い一緒に母親を探します。そんな彼の優しさに一行の女性陣メロメロです。
でも残念、その少女実は誘拐犯の一味なの、しかも幹部の一人です。
母親役の人物を先に捕縛、十丁のサブマシンガンと三名のスナイパーにより説得、快く協力して下さることになりました。
”○○ちゃん”、と少女の名前を呼び駆け寄る母親役、焦りながらも”離れたくない”とひろし君に縋りつく少女。
そんな彼女にしゃがんで目線を合わせ、慈愛の籠った瞳で優しく微笑み掛けながら、”大丈夫だよ、お母さんが見つかってよかったね”と言葉を掛けるひろし君。
そっと頭に手をやり何度も髪を撫でるひろし君。
少女が顔を真っ赤にし、放心している隙に母親役により回収です。
他にも他国の組織による介入やらスパイチームによる工作、ハニートラップなんてのもあったな~。流石大国タスマニア公国、国内外に様々な問題を抱えているようです。
そしていよいよ本日女子ワールドカップの開会式、ひろし君本番です。昨日のリハーサルは上手く言ったようですし、問題が起きない事を祈りましょう。
人々が埋め尽くす熱狂のスタジアム。
来賓席には公爵家の面々の他、海外からも多くの国賓が訪れている。
スタジアム中央に備え付けられた舞台、そこへ続く花道に一人の男性が姿を現した。
ふわりと靡く亜麻色の髪、すらりとし引き締まった身体。
”タンッ、タンッ、タンッ、タンッ”
しっかりとした力強い、それでいて繊細で優しい。
その一歩一歩に、観客は目を奪われる。
マイクの前に一人佇む彼。その甘く優しい瞳はスタジアム全体を見据えている。
その艶のある美しい唇が、今ゆっくりと開かれる。
「”~~♪”」
鼓膜を揺らす優しく美しい声音、それは天使の歌声。スタジアムにいる観客が、この映像を見る全ての人が、この瞬間恋をした。
高宮ひろし、彼は世界の至宝、全ての女性を魅了する究極の王子様。
世界は今、”高宮ひろし”を知ったのだった
『”本部了解、各チームの健闘を祈る。こちらの合図と共に行動に移られたし。”』
『宜しいでしょうか?行きます。』
”パチンッ”
『”各チーム突入開始!”』
合図と共に一斉に建物になだれ込む突入部隊、だがそこには銃声も喧騒も一切生じない。彼女らは全ての場所の安全を確認し、そこに転がる容疑者を次々と捕縛していく。
『使者殿、ご協力感謝いたします。これですべての組織員を捕縛する事が出来ました。』
『いえ、これも私の仕事ですので。では後の事は全てお任せしても?』
『はい、後の事はこちらで。おい、誰か使者殿をお送りしろ。』
『了解しました、司令官。』
これ何件目だろう。私ハニ子はやや遠い目をしながらこれまでの日々を振り返る。
ひろし君を狙う組織多過ぎでしょうが!
初日の誘拐未遂事件に二日目の狙撃未遂事件、”暁の夜明け”の実行犯捕縛、警備部副主任シルビア・バードさん泡吹いて倒れちゃいました。
そりゃそうだよね、どこのリアルタイム犯罪ドラマ?二十四時間走り回っちゃうの?四十八時間走り回る続編もあった様な?普通の人、いや、修羅場をくぐり抜けた人でも無理だから、アップアップしちゃうから。
仕方がないので公爵閣下の元へGO。
”これ以上の接触はお互いに不幸を呼ぶことでしょう。”などと格好いい事を抜かしておきながら、舌の根も乾かぬうちに公爵様ヘルプですわ。執事長のジャンジバルさん、目をひん剥いて驚いてたけどね。
だって仕方が無いじゃない、現場が回らないんだもん。
それでお隣の軍人さんを一個小隊お借りして見つけ次第出動して貰ってるんですけどね。
ひろし君御一行、有名なショッピング市場にお買い物に行く。楽しく談笑しながらお店散策、とある宝石店に入ると”お客様方に特別な商品をお見せします”と店の奥にご案内。でも危ない、ひろし君そこは人身売買組織のGETスポットよ。
店員が”しばらくお待ちください”と言って一行から離れた隙に全員を捕縛。店員に化けた捜査官を向かわせお買い物を楽しんでいただきました。
再びお買い物を楽しむひろし君御一行、すると母親を探して泣きじゃくっている少女を発見。ひろし君、少女にそっと寄り添い一緒に母親を探します。そんな彼の優しさに一行の女性陣メロメロです。
でも残念、その少女実は誘拐犯の一味なの、しかも幹部の一人です。
母親役の人物を先に捕縛、十丁のサブマシンガンと三名のスナイパーにより説得、快く協力して下さることになりました。
”○○ちゃん”、と少女の名前を呼び駆け寄る母親役、焦りながらも”離れたくない”とひろし君に縋りつく少女。
そんな彼女にしゃがんで目線を合わせ、慈愛の籠った瞳で優しく微笑み掛けながら、”大丈夫だよ、お母さんが見つかってよかったね”と言葉を掛けるひろし君。
そっと頭に手をやり何度も髪を撫でるひろし君。
少女が顔を真っ赤にし、放心している隙に母親役により回収です。
他にも他国の組織による介入やらスパイチームによる工作、ハニートラップなんてのもあったな~。流石大国タスマニア公国、国内外に様々な問題を抱えているようです。
そしていよいよ本日女子ワールドカップの開会式、ひろし君本番です。昨日のリハーサルは上手く言ったようですし、問題が起きない事を祈りましょう。
人々が埋め尽くす熱狂のスタジアム。
来賓席には公爵家の面々の他、海外からも多くの国賓が訪れている。
スタジアム中央に備え付けられた舞台、そこへ続く花道に一人の男性が姿を現した。
ふわりと靡く亜麻色の髪、すらりとし引き締まった身体。
”タンッ、タンッ、タンッ、タンッ”
しっかりとした力強い、それでいて繊細で優しい。
その一歩一歩に、観客は目を奪われる。
マイクの前に一人佇む彼。その甘く優しい瞳はスタジアム全体を見据えている。
その艶のある美しい唇が、今ゆっくりと開かれる。
「”~~♪”」
鼓膜を揺らす優しく美しい声音、それは天使の歌声。スタジアムにいる観客が、この映像を見る全ての人が、この瞬間恋をした。
高宮ひろし、彼は世界の至宝、全ての女性を魅了する究極の王子様。
世界は今、”高宮ひろし”を知ったのだった
0
お気に入りに追加
57
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

男女比の狂った世界で愛を振りまく
キョウキョウ
恋愛
男女比が1:10という、男性の数が少ない世界に転生した主人公の七沢直人(ななさわなおと)。
その世界の男性は無気力な人が多くて、異性その恋愛にも消極的。逆に、女性たちは恋愛に飢え続けていた。どうにかして男性と仲良くなりたい。イチャイチャしたい。
直人は他の男性たちと違って、欲求を強く感じていた。女性とイチャイチャしたいし、楽しく過ごしたい。
生まれた瞬間から愛され続けてきた七沢直人は、その愛を周りの女性に返そうと思った。
デートしたり、手料理を振る舞ったり、一緒に趣味を楽しんだりする。その他にも、色々と。
本作品は、男女比の異なる世界の女性たちと積極的に触れ合っていく様子を描く物語です。
※カクヨムにも掲載中の作品です。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる