男女比世界は大変らしい。（ただしイケメンに限る）

第四章 ラブコメって言ったら学園じゃね…

第422話 日替わりひろし君計画

「と言う訳でして、下位クラスからの変動は本人たちの意欲以外にもその環境が大きく影響していると思われます。
そこで彼らの中から希望者を募り、外部進学生徒対策パターンBの対象とすることを提案いたします。」

ここは教職員会議室、現在一学年の職員会議が行われている真っ最中です。
えっ、お前は何をやってるのかって？無論お仕事ですが？
私わたくし、外部進学生徒退学問題対策で呼ばれた特例生徒（顔）ですので。
お昼休みにFクラスの内部進学女子生徒北見さんの話しを聞いて思ったのは、”これって放置して置いたらまたCボーイズみたいな不平不満分子が出るんじゃね？面倒くせ～。”でした。
中等部の男子生徒の時は康太君が皇グループの会長をそそのかして上手い事仕事を振ってくれたから良いんですけどね、そんな美味しい仕事がゴロゴロある訳じゃないんですよ。この学園の生徒に来て欲しいって依頼はかなりあるんですが、企業訪問や病院の慰問、女子校などとの交流と言ったものが多くてですね。芸能関係や企業ポスター、CM等の仕事はそれこそ一部の生徒に集中しちゃうのが現実です。
一般男子生徒（それでもイケメンですが）に割り当てられるのは余り自己顕示欲を満たしてくれるようなものばかりじゃないんですね実際。
で、期待の女子生徒による教育調教ですが、上位クラスと下位クラスではその出来上がりにかなりの差があると。これは貴重な情報でした。
中等部の方は自己顕示欲を満たしつつ教育が行われるという理想の循環が出来上がっていますが高等部はね。そこで目を付けたのが小山君が体験した”一日付き人体験、真のイケメンひろし君と過ごす学園生活”体験型イケメンツアー。
へんに下位クラスで燻ってるくらいならいっそ真のイケメンを目指してみませんかと言う提案です。
これはあくまで燻ってる生徒が対象、天海君みたいに自分の世界を持ってる生徒が行っても効果は薄いですから。俺様が何でこんな事に、もっと評価されてしかるべきといった不平不満を抱えているほどその反転効果がデカイと言う事は小山君が証明していますからね。

「いかがでしょうか、学年主任。先ずはEクラス以下の男子生徒を対象とすればひろし君の負担も少ないと思うのですが？今回の試みが上手く行けばそれこそ男子生徒の変動が起きるでしょうから、以降はEクラス以下の希望者を対象にと言う条件で”Aクラス体験”と言う名目で行えば、今後入学してくる外部進学生徒の対策のテストケースとして使用出来ると考えます。私からは以上です。」

黙り込む教師陣、頼むから何か意見を言って？おっちゃん不安になっちゃうじゃない。

「学年主任、よろしいのではないでしょうか。今回の計画は特別時間や労力を使うと言ったものではありませんし、あらかじめ用意していた準備の用途を少し変えると言っただけのもの。負担の掛かるひろし君の了承は得なければなりませんが、それ以降はひろし君の付き人ではなくAクラス男子との交流と言った比較的マイルドなモノに移行する事の様ですし。」

「そうですね、外部進学生徒は我が学園の男子生徒の実態を知らないのですから一度体験するというのは良い事だと思います。過去のデータから見ても下位クラスの外部進学生徒率は明らかですし、我が学園男子生徒の更に上澄みを体験するのは良い刺激になると思われます。」

よし、何とか話は通ったぞ。これで超イケメン・イケメン・はみ出し者の三層構造が構築されるな。
牝馬たち、ニンジンはこれで三種類、美味しいニンジンが食べたければ必死に走るがいい。
変わり種のニンジンと疲れちゃったお馬さんは下からボケッと眺めさせていただきます。