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第四章 ラブコメって言ったら学園じゃね…

第408話 体育祭、始まるよ♪

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”ドン、ドン”

「”上空に鳴り響く花火の音。
それは夢の舞台の幕開けを知らせる合図。
若い男たちが跳び、叫び、駆け抜ける。
日々戦い続ける女性にとって、年に一度のご褒美。
それがここ私立桜泉学園高等部における体育祭の意義。
男達よ、魅せるがいい。イケメンの持つポテンシャルと言うものを。
女達よ、刮目せよ。これが我が学園の男達だ!
私立桜泉学園高等部体育祭、これより開催します!”」

”スパーン”

ぬを~~、誰だよ人の頭を引っ叩くのは、って篠原に沢田に兵頭。お久し振り、元気してた?新しいクラスにはもう慣れた感じ?

「アンタは朝から何馬鹿なナレーションをかましてるのよ。しかも放送機材まで使って。あんたの声がスピーカーから聞こえて来た時はびっくりしたわよ、そんなところで何やってんのよ?」

いや~、放送委員の子に体育祭が始まるまでの繋ぎをやってって頼まれちゃって。ほら、ただ音楽流すだけじゃつまらないじゃん、だったらナレーションを入れてもいいんじゃないかなって。みんな折角の体育祭盛り上がって行かないと~。
ん?そんな疲れた顔をしてどうした?

「いや、やっぱりのっぺりはのっぺりだと思っただけ。スポーツ専科が全とっかえになったからあんたがどうしてるか少し心配だったけど、余計だったみたいだわね。
アンタには心配よりも調教師の方が必要だわ、よく話す女子とかって出来たの?」

ん?よく話す女子ね~。小学校の同級生だった梶原さんとはよく話するかな?あとは田島さんに市川さんかな~、みんな中等部からの内部進学生徒。DVDで学習済みの子たちだからすごく話しやすいよ。

「そう、上手くやってるのなら何よりだわ。その子たちには後で私からプレゼントしておくから安心してね。それじゃ私たちは行くから、あまりバカやるんじゃないわよ~。」

えっ、プレゼントって何?安心してって全く安心できないんですけど、どう言う事?
おいお前ら、不安だけ置いて帰るな~。

「おはよう佐々木君、今日は朝からご機嫌だね。やっぱり体育祭が楽しみだったとか?」
にこやかな笑顔と共に颯爽と現れた爽やかイケメン、その軽快な身のこなしはまさに王子様。小山慎太郎、ひろし君化が止まりませんな~。

おはよう小山君、今時間ある?チョッと体育祭を盛り上げるのに協力してくれない?

「ん?そう言う事なら別に構わないけど?俺は何をやればいいの?」

あ、ここに座って俺とお話ししてくれるだけでいいから。基本回しは俺がやるんで。

「”さあ、体育祭を楽しみにしていた女子生徒の皆さん。今日最初のゲストは一年Gクラスの小山慎太郎君だ。Gクラスと馬鹿にすることなかれ、彼は今一番の注目株、ひろし君を師と仰ぎ理想の王子様を目指す爽やかイケメンだ。
小山君おはようございます。”」

「”おはよう佐々木君、何か今の紹介恥ずかしいな。俺なんかひろし君の足元にも及ばないただの男子生徒だよ。でも目標とはしているかな。何時か彼のような素晴らしい男性になりたい、その思いは決してブレていないと思っているよ。”」

「”おぉ、流石小山君。小山君はひろし君のどう言った所に惹かれてるのかな?”」

「”そうだね、ひろし君はよく外面的な事やその所作、女性に対する接し方などまさに王子様と言った点が語られることが多いけど、僕はそれよりも彼の心のありようを見て欲しいかな。しっかりとしたその芯のある生き様は、男の僕でも惚れる格好良さがあるよね。今までの僕なんかはただ顔が良いだけの薄っぺらな存在だったから、彼の様な背中で語る男って憧れるんだ。”」

「”おぉ、思ったよりも深いお話し。こののっぺり佐々木、小山君の事をまだまだ見くびっていた様です、御見それいたしました。小山君は今日はどんな競技に出るんですか?”」

「”借り物競争と学年対抗リレーかな、後は基本女子の応援だよね。”」

「”そうですね、女子の応援は我々の存在意義ですから。それじゃ小山君も頑張ってください。”」

「”うん、佐々木君もね。”」

「おい佐々木、さっきから放送機材使って何を遊んでいる?」

「”おっとこれはこれは石川副生徒会長、お忙しい所ご苦労様です。まあまあこちらにお座りください。”」

こうして俺は競技開始の時間まで次々と男子生徒のインタビューを行っていった。これがなかなか好評で、以降体育祭名物の一つになっていくのだが、それは後のお話し。
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