416 / 525
第四章 ラブコメって言ったら学園じゃね…
第407話 芸能界、闇が深いわ~。
しおりを挟む
こんちは、町田さんいる?
「あ、若。こっちに顔を出されるなんて珍しいですね。町田さんは第二会議室で北川統括と打ち合わせだと思います。そちらに顔を出されてはいかがですか?」
ありがとう、でも皆俺の事を若って呼ぶのね、のっぺりで良いって言ってるのに。
「いえいえ、若は若ですから。ではごゆっくり~。」
「「「若、いらっしゃいませ。」」」
・・・もういいです。
ここスタジオS&Bでの俺の呼び名はいつの間にか"若"で固定化してしまった。以前はまだのっぺり君とか大地君とか言ってくれる人もいたのに、俺が何をしたって言うんだ~。(グスン)
"コンコンコン"
"どうぞ。"
打ち合わせ中ごめんね。
例のヘッドハンティング計画どうなってるかと思って。
「あぁ、若。丁度良かったです、いまその事について報告を貰っている所だったものですから。
じゃあ町田、続けてくれるかしら。」
「はい、若のお話しの通り、ひろし君にアプローチを掛けるアイドル・女優の中で明らかに不自然なモノについて本人に接触を試みた所、いずれもハニートラップである事が判明致しました。
現在彼女らの意思確認のもと、事務所移籍等の提案を行っているところです。」
何か余計な仕事を増やしちゃってごめんね。それで何人かはうちに来てくれるって?
「そちらは私から、夏川きららをはじめ三名の移籍が決定しております。他に二名ほど別の事務所を紹介致しました。」
えっ、そんなにいたの?結構大々的にやってたんだね。
「いえ、対象は更に五名ほど。彼女らに関しては本人たちに問題があったり移籍の意思が見られないため、若のお言葉通り放置と致しました。」
おいおい、彼方さん馬鹿なの?次々突貫かませばいいってもんじゃないのよ?そんなんで上手く行くくらいなら、ひろし君今頃嫁さんだらけよ?
「向こうとしては成功の是非よりも女性関係が盛んであると言う情報の方が大事なのではないでしょうか?今回ハニートラップ要員として選らばれた女性たちも、有名無名に関わらず各事務所でのリストラ対象であった様ですし。」
ハハハ、それじゃあ彼女らに提示された成功報酬も形だけ?やっぱり俺芸能界嫌い、そんなんばっかりじゃん。
うちに来た人間に関しては良く彼女らの希望を聞いた上で方針を決めてあげて。うちはやりたい事をやるってのがモットーだからね。
ひろし君に関してはスタジオCherryと情報共有の上信者の暴走を抑える方向で。信者にはこちらの取り組みと今回の顛末を情報として流して、一つのエンタメとしてひろし君の手腕を楽しんでもらう様に誘導すればいいんじゃない?
君たちのひろし君は凄いんだって感じで。
「・・・流石は若、その発想はありませんでした。ではひろし君ファンクラブ会員限定コンテンツとして情報を流させて頂きます。」
ちゃんと面白コンテンツにしてね、茶化す感じでいいから。要は呆れさせて信者の敵がい心を無くさせるのが目的だからね。最後にひろし君を悲しませないでねってつければ暴れる事もないでしょう。
俺の言葉にポカンとした顔の二人。やっぱり若は若ですねってどういう意味でしょうか?それって褒めてます?貶してます?
いつもの事ですが!(解せん)
(side : 黒幕たち)
「東山プロデューサー、例のひろし君包囲網、その後の経過はどうなっています?」
とある芸能事務所の一室、二人の人物が紅茶を飲みながら談笑していた。
「あぁ、あれですか。頑張っている娘もいる様ですよ、精々夢に向かって突き進んで行って欲しいものです。」
「あら、東山プロデューサーは彼女らの頑張りに余り興味が無いようだけど?ひろし君の件はどうでもいいのかしら?」
紅茶を口に含み不敵な笑みを浮かべる男は、女性に向かい語りかけた。
「社長、今回の件はその計画が実行された時点で我々の目的は達成されているのですよ。
では我々の目的とは何か?それは大まかに分けて三つになります。
一つ、ひろし君の評判を落とす事。実はこれに関しては余り重要ではありません。大手事務所のオーダーはあくまでも多くの女性とのスキャンダルです。あとはマスコミが勝手に煽ってくれる。彼らは世間が騒ぐような内容であれば相手が誰であれどうでもいいんですから。
二つ、大手芸能事務所とのコネを構築する。今回ひろし君を敵視する多くの事務所とのコネを作る事が出来ました。これは我が事務所が推し進めているグループアイドル計画の大きな後押しとなります。やはりこの業界は横の繋がりが重要ですからね。
三つ、各事務所でのリストラ。我が事務所の夏川きららをはじめある程度名も顔も売れている人間はこちらの一方的な思惑で解雇する訳にも行きませんから。かと言って他所に移籍と言っても引受先がね。今が一番でこれから落ち目の高給取りを引き受けようと言うもの好きはいませんよ。他の事務所でも同じようなお荷物を抱えている所は多かったようで、彼らにはかなり喜ばれましたよ。
彼女達も頑張ってひろし君を落としてくれればいいんですよ、ちゃんと大手事務所の椅子は用意されているんですから。それが自分たちの望み通りかどうかは私の知るところではありませんがね。
これからはより大衆に密着したグループアイドルの時代です。次々と新たな原石を発掘して消費していく、一人に拘って事務所の命運をかける様なハイリスクな時代は終わったのですよ。
確かに彼の言う様に輝く絶対的カリスマの出にくい今の時代、アイドルとは消耗品なのかもしれない。自らの判断の正しさに笑みを深める二人。だが彼らは知らない、彼らが不要と切り捨てたアイドルたちが再び脚光を浴びると言う事を、そして絶対的カリスマとして不動の地位を確立していくと言う事を。
「あ、若。こっちに顔を出されるなんて珍しいですね。町田さんは第二会議室で北川統括と打ち合わせだと思います。そちらに顔を出されてはいかがですか?」
ありがとう、でも皆俺の事を若って呼ぶのね、のっぺりで良いって言ってるのに。
「いえいえ、若は若ですから。ではごゆっくり~。」
「「「若、いらっしゃいませ。」」」
・・・もういいです。
ここスタジオS&Bでの俺の呼び名はいつの間にか"若"で固定化してしまった。以前はまだのっぺり君とか大地君とか言ってくれる人もいたのに、俺が何をしたって言うんだ~。(グスン)
"コンコンコン"
"どうぞ。"
打ち合わせ中ごめんね。
例のヘッドハンティング計画どうなってるかと思って。
「あぁ、若。丁度良かったです、いまその事について報告を貰っている所だったものですから。
じゃあ町田、続けてくれるかしら。」
「はい、若のお話しの通り、ひろし君にアプローチを掛けるアイドル・女優の中で明らかに不自然なモノについて本人に接触を試みた所、いずれもハニートラップである事が判明致しました。
現在彼女らの意思確認のもと、事務所移籍等の提案を行っているところです。」
何か余計な仕事を増やしちゃってごめんね。それで何人かはうちに来てくれるって?
「そちらは私から、夏川きららをはじめ三名の移籍が決定しております。他に二名ほど別の事務所を紹介致しました。」
えっ、そんなにいたの?結構大々的にやってたんだね。
「いえ、対象は更に五名ほど。彼女らに関しては本人たちに問題があったり移籍の意思が見られないため、若のお言葉通り放置と致しました。」
おいおい、彼方さん馬鹿なの?次々突貫かませばいいってもんじゃないのよ?そんなんで上手く行くくらいなら、ひろし君今頃嫁さんだらけよ?
「向こうとしては成功の是非よりも女性関係が盛んであると言う情報の方が大事なのではないでしょうか?今回ハニートラップ要員として選らばれた女性たちも、有名無名に関わらず各事務所でのリストラ対象であった様ですし。」
ハハハ、それじゃあ彼女らに提示された成功報酬も形だけ?やっぱり俺芸能界嫌い、そんなんばっかりじゃん。
うちに来た人間に関しては良く彼女らの希望を聞いた上で方針を決めてあげて。うちはやりたい事をやるってのがモットーだからね。
ひろし君に関してはスタジオCherryと情報共有の上信者の暴走を抑える方向で。信者にはこちらの取り組みと今回の顛末を情報として流して、一つのエンタメとしてひろし君の手腕を楽しんでもらう様に誘導すればいいんじゃない?
君たちのひろし君は凄いんだって感じで。
「・・・流石は若、その発想はありませんでした。ではひろし君ファンクラブ会員限定コンテンツとして情報を流させて頂きます。」
ちゃんと面白コンテンツにしてね、茶化す感じでいいから。要は呆れさせて信者の敵がい心を無くさせるのが目的だからね。最後にひろし君を悲しませないでねってつければ暴れる事もないでしょう。
俺の言葉にポカンとした顔の二人。やっぱり若は若ですねってどういう意味でしょうか?それって褒めてます?貶してます?
いつもの事ですが!(解せん)
(side : 黒幕たち)
「東山プロデューサー、例のひろし君包囲網、その後の経過はどうなっています?」
とある芸能事務所の一室、二人の人物が紅茶を飲みながら談笑していた。
「あぁ、あれですか。頑張っている娘もいる様ですよ、精々夢に向かって突き進んで行って欲しいものです。」
「あら、東山プロデューサーは彼女らの頑張りに余り興味が無いようだけど?ひろし君の件はどうでもいいのかしら?」
紅茶を口に含み不敵な笑みを浮かべる男は、女性に向かい語りかけた。
「社長、今回の件はその計画が実行された時点で我々の目的は達成されているのですよ。
では我々の目的とは何か?それは大まかに分けて三つになります。
一つ、ひろし君の評判を落とす事。実はこれに関しては余り重要ではありません。大手事務所のオーダーはあくまでも多くの女性とのスキャンダルです。あとはマスコミが勝手に煽ってくれる。彼らは世間が騒ぐような内容であれば相手が誰であれどうでもいいんですから。
二つ、大手芸能事務所とのコネを構築する。今回ひろし君を敵視する多くの事務所とのコネを作る事が出来ました。これは我が事務所が推し進めているグループアイドル計画の大きな後押しとなります。やはりこの業界は横の繋がりが重要ですからね。
三つ、各事務所でのリストラ。我が事務所の夏川きららをはじめある程度名も顔も売れている人間はこちらの一方的な思惑で解雇する訳にも行きませんから。かと言って他所に移籍と言っても引受先がね。今が一番でこれから落ち目の高給取りを引き受けようと言うもの好きはいませんよ。他の事務所でも同じようなお荷物を抱えている所は多かったようで、彼らにはかなり喜ばれましたよ。
彼女達も頑張ってひろし君を落としてくれればいいんですよ、ちゃんと大手事務所の椅子は用意されているんですから。それが自分たちの望み通りかどうかは私の知るところではありませんがね。
これからはより大衆に密着したグループアイドルの時代です。次々と新たな原石を発掘して消費していく、一人に拘って事務所の命運をかける様なハイリスクな時代は終わったのですよ。
確かに彼の言う様に輝く絶対的カリスマの出にくい今の時代、アイドルとは消耗品なのかもしれない。自らの判断の正しさに笑みを深める二人。だが彼らは知らない、彼らが不要と切り捨てたアイドルたちが再び脚光を浴びると言う事を、そして絶対的カリスマとして不動の地位を確立していくと言う事を。
0
お気に入りに追加
47
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件
森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。
学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。
そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……
大好きな彼女を学校一のイケメンに寝取られた。そしたら陰キャの僕が突然モテ始めた件について
ねんごろ
恋愛
僕の大好きな彼女が寝取られた。学校一のイケメンに……
しかし、それはまだ始まりに過ぎなかったのだ。
NTRは始まりでしか、なかったのだ……
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
金貨1,000万枚貯まったので勇者辞めてハーレム作ってスローライフ送ります!!
夕凪五月雨影法師
ファンタジー
AIイラストあり! 追放された世界最強の勇者が、ハーレムの女の子たちと自由気ままなスローライフを送る、ちょっとエッチでハートフルな異世界ラブコメディ!!
国内最強の勇者パーティを率いる勇者ユーリが、突然の引退を宣言した。
幼い頃に神託を受けて勇者に選ばれて以来、寝る間も惜しんで人々を助け続けてきたユーリ。
彼はもう限界だったのだ。
「これからは好きな時に寝て、好きな時に食べて、好きな時に好きな子とエッチしてやる!! ハーレム作ってやるーーーー!!」
そんな発言に愛想を尽かし、パーティメンバーは彼の元から去っていくが……。
その引退の裏には、世界をも巻き込む大規模な陰謀が隠されていた。
その陰謀によって、ユーリは勇者引退を余儀なくされ、全てを失った……。
かのように思われた。
「はい、じゃあ僕もう勇者じゃないから、こっからは好きにやらせて貰うね」
勇者としての条約や規約に縛られていた彼は、力をセーブしたまま活動を強いられていたのだ。
本来の力を取り戻した彼は、その強大な魔力と、金貨1,000万枚にものを言わせ、好き勝手に人々を救い、気ままに高難度ダンジョンを攻略し、そして自身をざまぁした巨大な陰謀に立ち向かっていく!!
基本的には、金持ちで最強の勇者が、ハーレムの女の子たちとまったりするだけのスローライフコメディです。
異世界版の光源氏のようなストーリーです!
……やっぱりちょっと違います笑
また、AIイラストは初心者ですので、あくまでも小説のおまけ程度に考えていただければ……(震え声)
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
漫画の寝取り竿役に転生して真面目に生きようとしたのに、なぜかエッチな巨乳ヒロインがぐいぐい攻めてくるんだけど?
みずがめ
恋愛
目が覚めたら読んだことのあるエロ漫画の最低寝取り野郎になっていた。
なんでよりによってこんな悪役に転生してしまったんだ。最初はそう落ち込んだが、よく考えれば若いチートボディを手に入れて学生時代をやり直せる。
身体の持ち主が悪人なら意識を乗っ取ったことに心を痛める必要はない。俺がヒロインを寝取りさえしなければ、主人公は精神崩壊することなくハッピーエンドを迎えるだろう。
一時の快楽に身を委ねて他人の人生を狂わせるだなんて、そんな責任を負いたくはない。ここが現実である以上、NTRする気にはなれなかった。メインヒロインとは適切な距離を保っていこう。俺自身がお天道様の下で青春を送るために、そう固く決意した。
……なのになぜ、俺はヒロインに誘惑されているんだ?
※他サイトでも掲載しています。
※表紙や作中イラストは、AIイラストレーターのおしつじさん(https://twitter.com/your_shitsuji)に外注契約を通して作成していただきました。おしつじさんのAIイラストはすべて商用利用が認められたものを使用しており、また「小説活動に関する利用許諾」を許可していただいています。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる