男女比世界は大変らしい。(ただしイケメンに限る)

@aozora

文字の大きさ
上 下
410 / 525
第四章 ラブコメって言ったら学園じゃね…

第401話 トラウマの克服

しおりを挟む
おはようございます。今日も皆さんお元気そうで何よりです。
そうそう、そろそろ体育祭ですが、これって男子生徒の初評価って事になりますね。男子の場合いいきなり上位クラスに入る事も少ないでしょうが、小山君はかなりいい線行くんじゃないかな?
ま、人気投票ですんでわたくしには関係ないんですが、ハッハッハッハッハ。
ん?どうしたの急に暗い顔になっちゃって。小山君がいなくなっちゃう?いやいやいや、別に小山君が転校しちゃう訳でもないんだから。会いに行けばいいんじゃない?小山君だって嫌がらないと思うよ。
それに次にやって来る男子生徒も顔だけなら小山君クラスのイケメンよ?中身が気に食わなくても桜木春子先生の薫陶くんとうを受けた君たちならどうとでも出来るでしょうが。
王子様がお望みなら担任の高橋先生に相談するといいですよ。小山君だって始めから今の小山君だった訳じゃないんですから。(ニヤリ)
あ、この情報は他のクラスにも共有してくれる?Cクラス以下のクラスには必ず伝えて欲しいかな。
何があったかはスポーツ専科の連中なら誰でも知ってるから~。

一斉にスマホを取り出しレインで連絡を取り合う乙女たち野獣ども。人の話しを鵜呑みにせずに確認しようとするのは良い事です。
深い笑みを浮かべサムズアップをするクラスメート。それでこそ桜泉学園女子、欲しいモノは己れで作り出せ。もはや君たちに教える事は何もない。

おはようございます梶原さん。何か呆れた顔をなさっていますがどうかなさいましたか?

「いや、佐々木君が詐欺行為を行っている様子に呆気に取られていただけだから。扇動者ってこうやって周囲を混乱に落として行くんだね、勉強になったよ。」

えっ、酷くない?俺は彼女達に希望を与えただけよ?別に嘘は言って無いからね。田島さんに市川さん、だから余計たちが悪いって辛辣?
皆一緒にコーヒー飲んだ仲間じゃん。仲良くしようよ~。(涙目)

クスクス笑う彼女たち、自然と出る笑みに俺の顔も綻んでくる。
ま、楽しんでくれたなら結構です。

そうそう、梶原さんに前から聞きたかったんだけどさ、小学校の時のあのアッパー、目茶苦茶見事だったんだけど。梶原さんって何か格闘技でも習ってたりするの?

梶原さんは始めにキョトンとしていたが、急に顔を赤くして慌て出した。

「佐々木君その話しは止めてよ、反省はしてるんだから。小学校の頃お母さんがやっていたボクササイズを一緒にね、あの頃は夢のナイスボディーになれると信じていたから。身長はあんまり伸びなかったけどね。」

"シュッ、シュッ、シュッ"

そう言って軽くシャドーボクシングをする梶原さん・・・。良いパンチ持ってるじゃん、今でも全然現役じゃん。
でもボクシングか、やった事無かったな。
ねぇ梶原さん、よかったら放課後簡単なシャドーボクシングで良いから教えてくれない?俺やった事無いんだよね。

「うん、いいけど、本当に簡単な事しか教えられないからね。」

新しい事を教わるのはいつでも楽しみだよね。俺はワクワクした気持ちで放課後を迎えるのでした。


「それじゃ構えから、ワン・ツー」

"シュッ、シュッ"

俺たちGクラスのはみ出しっ子たちは、放課後学園ジャージに着替え、部室棟脇で梶原さんの指導を受ける事になった。
彼女なかなか教え上手で、俺たちは楽しくボクササイズに励むことが出来ていた。

「おい、佐々木、そんな所で何やってるんだ?」

あ、木村君に康太君。いまクラスメートの梶原さんにボクササイズを教わっている所。二人もやってみる?

「ボクササイズか、面白そうだな、やってみよう。」
木村君はブレザーを脱ぎこちらへやって来た。

「梶原さんとやら、俺は木村英雄、今日はよろしく頼む。」

「はいワン・ツー、ワン・ツー。」
"シュッ、シュッ、シュッ、シュッ"

どうしたの木村君?さっきから変な顔しているけど。

「いや、梶原さんだけどな、彼女と言うかあの動きを見ていると何か身体がむずむずしてな。」

あ、やべ。木村君のトラウマが再発しちゃったかも。

「梶原さん、済まないが俺とスパーリングをしてもらえないだろうか。もちろんこちらからは一切ては出さない。これでも俺は逃走王の称号持ち、全て避けさせて貰うがな。」

木村君の申し出に戸惑いの表情を見せる梶原さん、でもこれは木村君にとって大事な分岐点な気がする。俺は梶原さんに彼の話しを受けてくれる様に頼みこんだ。

「それじゃ、始めるね。」

シュッ、シュッ、シュッ、シュッ
パッ、パッ、サッ、サッ

シュッシュッシュッシュッシュッ
サッサッサッサッパッパッ

そしてそれは起きる。
右足の踏み込み、膝腰肩に続く連動した動き、必殺のフィニッシュショット、瞬殺梶原の黄金の右アッパー。
いま、あの伝説が解き放たれた。

"パシン"

その拳は木村君の左手によって受け止められていた。

「あぁ、君だったのか。四年振りかな、あの時は済まなかったね。このパンチ、全てを思い出したよ。
そうか、俺はこの拳を受けていたのか。
うん、なかなか良いパンチだった、ありがとう。
梶原さん、どうかな?俺は変わる事が出来ただろうか。」(ニッコリ)

事態が分からず固まる梶原さん、対して謎が全て解けたとばかりにスッキリとした顔の木村君。
彼の長く厳しい戦いがいま終わりを迎えた、木村君の新しい人生が本当の意味でスタートした瞬間であった。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にいますが会社員してます

neru
ファンタジー
30を過ぎた松田 茂人(まつだ しげひと )は男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にひょんなことから転移してしまう。 松本は新しい世界で会社員となり働くこととなる。 ちなみに、新しい世界の女性は全員高身長、美形だ。 PS.2月27日から4月まで投稿頻度が減ることを許して下さい。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

男女比の狂った世界で愛を振りまく

キョウキョウ
恋愛
男女比が1:10という、男性の数が少ない世界に転生した主人公の七沢直人(ななさわなおと)。 その世界の男性は無気力な人が多くて、異性その恋愛にも消極的。逆に、女性たちは恋愛に飢え続けていた。どうにかして男性と仲良くなりたい。イチャイチャしたい。 直人は他の男性たちと違って、欲求を強く感じていた。女性とイチャイチャしたいし、楽しく過ごしたい。 生まれた瞬間から愛され続けてきた七沢直人は、その愛を周りの女性に返そうと思った。 デートしたり、手料理を振る舞ったり、一緒に趣味を楽しんだりする。その他にも、色々と。 本作品は、男女比の異なる世界の女性たちと積極的に触れ合っていく様子を描く物語です。 ※カクヨムにも掲載中の作品です。

貞操逆転世界の男教師

やまいし
ファンタジー
貞操逆転世界に転生した男が世界初の男性教師として働く話。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

処理中です...