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第四章 ラブコメって言ったら学園じゃね…
第401話 トラウマの克服
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おはようございます。今日も皆さんお元気そうで何よりです。
そうそう、そろそろ体育祭ですが、これって男子生徒の初評価って事になりますね。男子の場合いいきなり上位クラスに入る事も少ないでしょうが、小山君はかなりいい線行くんじゃないかな?
ま、人気投票ですんで私には関係ないんですが、ハッハッハッハッハ。
ん?どうしたの急に暗い顔になっちゃって。小山君がいなくなっちゃう?いやいやいや、別に小山君が転校しちゃう訳でもないんだから。会いに行けばいいんじゃない?小山君だって嫌がらないと思うよ。
それに次にやって来る男子生徒も顔だけなら小山君クラスのイケメンよ?中身が気に食わなくても桜木春子先生の薫陶を受けた君たちならどうとでも出来るでしょうが。
王子様がお望みなら担任の高橋先生に相談するといいですよ。小山君だって始めから今の小山君だった訳じゃないんですから。(ニヤリ)
あ、この情報は他のクラスにも共有してくれる?Cクラス以下のクラスには必ず伝えて欲しいかな。
何があったかはスポーツ専科の連中なら誰でも知ってるから~。
一斉にスマホを取り出しレインで連絡を取り合う乙女たち。人の話しを鵜呑みにせずに確認しようとするのは良い事です。
深い笑みを浮かべサムズアップをするクラスメート。それでこそ桜泉学園女子、欲しいモノは己れで作り出せ。もはや君たちに教える事は何もない。
おはようございます梶原さん。何か呆れた顔をなさっていますがどうかなさいましたか?
「いや、佐々木君が詐欺行為を行っている様子に呆気に取られていただけだから。扇動者ってこうやって周囲を混乱に落として行くんだね、勉強になったよ。」
えっ、酷くない?俺は彼女達に希望を与えただけよ?別に嘘は言って無いからね。田島さんに市川さん、だから余計たちが悪いって辛辣?
皆一緒にコーヒー飲んだ仲間じゃん。仲良くしようよ~。(涙目)
クスクス笑う彼女たち、自然と出る笑みに俺の顔も綻んでくる。
ま、楽しんでくれたなら結構です。
そうそう、梶原さんに前から聞きたかったんだけどさ、小学校の時のあのアッパー、目茶苦茶見事だったんだけど。梶原さんって何か格闘技でも習ってたりするの?
梶原さんは始めにキョトンとしていたが、急に顔を赤くして慌て出した。
「佐々木君その話しは止めてよ、反省はしてるんだから。小学校の頃お母さんがやっていたボクササイズを一緒にね、あの頃は夢のナイスボディーになれると信じていたから。身長はあんまり伸びなかったけどね。」
"シュッ、シュッ、シュッ"
そう言って軽くシャドーボクシングをする梶原さん・・・。良いパンチ持ってるじゃん、今でも全然現役じゃん。
でもボクシングか、やった事無かったな。
ねぇ梶原さん、よかったら放課後簡単なシャドーボクシングで良いから教えてくれない?俺やった事無いんだよね。
「うん、いいけど、本当に簡単な事しか教えられないからね。」
新しい事を教わるのはいつでも楽しみだよね。俺はワクワクした気持ちで放課後を迎えるのでした。
「それじゃ構えから、ワン・ツー」
"シュッ、シュッ"
俺たちGクラスのはみ出しっ子たちは、放課後学園ジャージに着替え、部室棟脇で梶原さんの指導を受ける事になった。
彼女なかなか教え上手で、俺たちは楽しくボクササイズに励むことが出来ていた。
「おい、佐々木、そんな所で何やってるんだ?」
あ、木村君に康太君。いまクラスメートの梶原さんにボクササイズを教わっている所。二人もやってみる?
「ボクササイズか、面白そうだな、やってみよう。」
木村君はブレザーを脱ぎこちらへやって来た。
「梶原さんとやら、俺は木村英雄、今日はよろしく頼む。」
「はいワン・ツー、ワン・ツー。」
"シュッ、シュッ、シュッ、シュッ"
どうしたの木村君?さっきから変な顔しているけど。
「いや、梶原さんだけどな、彼女と言うかあの動きを見ていると何か身体がむずむずしてな。」
あ、やべ。木村君のトラウマが再発しちゃったかも。
「梶原さん、済まないが俺とスパーリングをしてもらえないだろうか。もちろんこちらからは一切ては出さない。これでも俺は逃走王の称号持ち、全て避けさせて貰うがな。」
木村君の申し出に戸惑いの表情を見せる梶原さん、でもこれは木村君にとって大事な分岐点な気がする。俺は梶原さんに彼の話しを受けてくれる様に頼みこんだ。
「それじゃ、始めるね。」
シュッ、シュッ、シュッ、シュッ
パッ、パッ、サッ、サッ
シュッシュッシュッシュッシュッ
サッサッサッサッパッパッ
そしてそれは起きる。
右足の踏み込み、膝腰肩に続く連動した動き、必殺のフィニッシュショット、瞬殺梶原の黄金の右アッパー。
いま、あの伝説が解き放たれた。
"パシン"
その拳は木村君の左手によって受け止められていた。
「あぁ、君だったのか。四年振りかな、あの時は済まなかったね。このパンチ、全てを思い出したよ。
そうか、俺はこの拳を受けていたのか。
うん、なかなか良いパンチだった、ありがとう。
梶原さん、どうかな?俺は変わる事が出来ただろうか。」(ニッコリ)
事態が分からず固まる梶原さん、対して謎が全て解けたとばかりにスッキリとした顔の木村君。
彼の長く厳しい戦いがいま終わりを迎えた、木村君の新しい人生が本当の意味でスタートした瞬間であった。
そうそう、そろそろ体育祭ですが、これって男子生徒の初評価って事になりますね。男子の場合いいきなり上位クラスに入る事も少ないでしょうが、小山君はかなりいい線行くんじゃないかな?
ま、人気投票ですんで私には関係ないんですが、ハッハッハッハッハ。
ん?どうしたの急に暗い顔になっちゃって。小山君がいなくなっちゃう?いやいやいや、別に小山君が転校しちゃう訳でもないんだから。会いに行けばいいんじゃない?小山君だって嫌がらないと思うよ。
それに次にやって来る男子生徒も顔だけなら小山君クラスのイケメンよ?中身が気に食わなくても桜木春子先生の薫陶を受けた君たちならどうとでも出来るでしょうが。
王子様がお望みなら担任の高橋先生に相談するといいですよ。小山君だって始めから今の小山君だった訳じゃないんですから。(ニヤリ)
あ、この情報は他のクラスにも共有してくれる?Cクラス以下のクラスには必ず伝えて欲しいかな。
何があったかはスポーツ専科の連中なら誰でも知ってるから~。
一斉にスマホを取り出しレインで連絡を取り合う乙女たち。人の話しを鵜呑みにせずに確認しようとするのは良い事です。
深い笑みを浮かべサムズアップをするクラスメート。それでこそ桜泉学園女子、欲しいモノは己れで作り出せ。もはや君たちに教える事は何もない。
おはようございます梶原さん。何か呆れた顔をなさっていますがどうかなさいましたか?
「いや、佐々木君が詐欺行為を行っている様子に呆気に取られていただけだから。扇動者ってこうやって周囲を混乱に落として行くんだね、勉強になったよ。」
えっ、酷くない?俺は彼女達に希望を与えただけよ?別に嘘は言って無いからね。田島さんに市川さん、だから余計たちが悪いって辛辣?
皆一緒にコーヒー飲んだ仲間じゃん。仲良くしようよ~。(涙目)
クスクス笑う彼女たち、自然と出る笑みに俺の顔も綻んでくる。
ま、楽しんでくれたなら結構です。
そうそう、梶原さんに前から聞きたかったんだけどさ、小学校の時のあのアッパー、目茶苦茶見事だったんだけど。梶原さんって何か格闘技でも習ってたりするの?
梶原さんは始めにキョトンとしていたが、急に顔を赤くして慌て出した。
「佐々木君その話しは止めてよ、反省はしてるんだから。小学校の頃お母さんがやっていたボクササイズを一緒にね、あの頃は夢のナイスボディーになれると信じていたから。身長はあんまり伸びなかったけどね。」
"シュッ、シュッ、シュッ"
そう言って軽くシャドーボクシングをする梶原さん・・・。良いパンチ持ってるじゃん、今でも全然現役じゃん。
でもボクシングか、やった事無かったな。
ねぇ梶原さん、よかったら放課後簡単なシャドーボクシングで良いから教えてくれない?俺やった事無いんだよね。
「うん、いいけど、本当に簡単な事しか教えられないからね。」
新しい事を教わるのはいつでも楽しみだよね。俺はワクワクした気持ちで放課後を迎えるのでした。
「それじゃ構えから、ワン・ツー」
"シュッ、シュッ"
俺たちGクラスのはみ出しっ子たちは、放課後学園ジャージに着替え、部室棟脇で梶原さんの指導を受ける事になった。
彼女なかなか教え上手で、俺たちは楽しくボクササイズに励むことが出来ていた。
「おい、佐々木、そんな所で何やってるんだ?」
あ、木村君に康太君。いまクラスメートの梶原さんにボクササイズを教わっている所。二人もやってみる?
「ボクササイズか、面白そうだな、やってみよう。」
木村君はブレザーを脱ぎこちらへやって来た。
「梶原さんとやら、俺は木村英雄、今日はよろしく頼む。」
「はいワン・ツー、ワン・ツー。」
"シュッ、シュッ、シュッ、シュッ"
どうしたの木村君?さっきから変な顔しているけど。
「いや、梶原さんだけどな、彼女と言うかあの動きを見ていると何か身体がむずむずしてな。」
あ、やべ。木村君のトラウマが再発しちゃったかも。
「梶原さん、済まないが俺とスパーリングをしてもらえないだろうか。もちろんこちらからは一切ては出さない。これでも俺は逃走王の称号持ち、全て避けさせて貰うがな。」
木村君の申し出に戸惑いの表情を見せる梶原さん、でもこれは木村君にとって大事な分岐点な気がする。俺は梶原さんに彼の話しを受けてくれる様に頼みこんだ。
「それじゃ、始めるね。」
シュッ、シュッ、シュッ、シュッ
パッ、パッ、サッ、サッ
シュッシュッシュッシュッシュッ
サッサッサッサッパッパッ
そしてそれは起きる。
右足の踏み込み、膝腰肩に続く連動した動き、必殺のフィニッシュショット、瞬殺梶原の黄金の右アッパー。
いま、あの伝説が解き放たれた。
"パシン"
その拳は木村君の左手によって受け止められていた。
「あぁ、君だったのか。四年振りかな、あの時は済まなかったね。このパンチ、全てを思い出したよ。
そうか、俺はこの拳を受けていたのか。
うん、なかなか良いパンチだった、ありがとう。
梶原さん、どうかな?俺は変わる事が出来ただろうか。」(ニッコリ)
事態が分からず固まる梶原さん、対して謎が全て解けたとばかりにスッキリとした顔の木村君。
彼の長く厳しい戦いがいま終わりを迎えた、木村君の新しい人生が本当の意味でスタートした瞬間であった。
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