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第四章 ラブコメって言ったら学園じゃね…
第398話 Gクラスへようこそ
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中間考査も終わり、翌週にはスポーツ専科の連中は各々の教室へと旅立っていった。
皆口々に次はいつ奢ってくれるのって聞いてきたが、そこまで俺は御大尽じゃないから。毎回奢ってたら破産しちゃうから、お前らマジいい加減にしろ?高校生相手に札束ってどっかのテレビ企画じゃないんだからね?
またまた~って煽ててもこないだのレシートしか出んわ。こんなに長いレシート初めて見たし。
あ、小山君は気にしないで良いからね。君はもう少し食べた方がいい位だから、お財布出さないでいいから。
お前らも彼くらいの慎ましさを身に付けなさい。
去り際の"は~い、またね~。"と言う気の抜けた返事が、やけに印象に残ったのは言うまでもない。
あいつらあんなんで意中のイケメンをゲット出来るんだろうか。おじさんは凄く心配です。
この学園は元々クラス替えが前提の教育システムなため各教室にたいした荷物もない。各々の荷物は更衣室のロッカーにしまう形のため、教室の扱いは大学などのそれに近いのだろう。
別れがあれば出会いもあるの言葉の通り、Gクラスの教室には新しいクラスメートが各々の思いを抱え集っていた。
「おはよう、皆このGクラスへようこそ。俺の事は気軽に小山って呼んでくれると嬉しいかな。君たちは今回運悪くこのクラスに配属になってしまったみたいだけど、俺は知っているよ。君たちがどれ程努力しているのか。そしてどれ程才能を持っているのかって事をね。
大丈夫、君たちは凄い力を持ってるんだ。だから私なんてとか言って腐らないで欲しいな。
今回は偶々力が出し切れなかっただけなんだから。今は充電期間なんだよ。次の期末考査では必ず上位クラスに返り咲くはずさ。
だから今は一時の羽休めのつもりで過ごして欲しいかな。
愚痴くらいなら俺で良ければ聞くよ?流石に勉強は無理だけどね。」
小山君は新しいクラスメートたちにそう語り掛け、はにかんだ笑みを見せた。
あ、何人か机に突っ伏した。立ち上がって小山君に突貫かましてる女子も数名。他は皆ぽーっとした顔で彼の事を眺めてるし。
俺この教室入りたくねぇ~。って小山君、ひろし君を目指すのは良いけどやり過ぎだから!今の演説でクラス丸々落としちゃったから。
この後俺も自己紹介するの?無理だから。のっぺり最大のピンチ、自業自得だから文句も言えない。
「ねぇ、佐々木君ってもしかしたら桜町小学校出身の佐々木君?」
教室の扉の前でこの先どうするか思案していると、不意に背後から掛けられる問いかけ。振り返るとそこには小柄なウェーブヘアの可愛らしい女子生徒が立っていた。
「あ、やっぱりだ。佐々木君って全然変わらないわね。そののっぺり顔、懐かしいな~。
ん?分からない?六年生の時のクラスメートの梶原よ、梶原香住。忘れちゃった?ま、あまり親しくしていた訳じゃないんだけどね。」
六年生の時のクラスメート?梶原香住・・・なんだったっけな~、何か凄い引っ掛かるんだけど、梶原、梶原、梶原。
あ~、思い出した、ワンパン木村事件の加害者、黄金の右アッパー、瞬殺の梶原だ~。
そうそう、確か一般で受かって桜泉学園中等部に入ったんだったよね。久しぶり、元気だった~。
相変わらずひろし君の推し活頑張ってるんでしょ?どうよ憧れのスクールライフは。
「ハハハハハ、憧れのスクールライフね。桜町小の他の学校へ行った子たちにもよく言われるわ。
私も始めはそう思ってたしね。でもあれから三年。奨学生の三好さんや他の準奨学生で入った子たちはまだ頑張っているみたいだけど、私はもう一杯一杯かな。
正直疲れちゃった。少しでもひろし君に近づきたくて勉強も頑張ってるけど中等部の頃からずっと下位クラスを行ったり来たりだしね。
ここのシステムって頑張れば結果がついて来るって謳っているけど結果が伴わない人間にとっては結構キツイのよ。お前の努力が足りないって常に責められているみたいでね。」
"何か愚痴言っちゃってごめんね。"
梶原さんはそう言うと一人教室へ入っていった。
俺はその後ろ姿をただ眺める事しか出来なかった。
皆口々に次はいつ奢ってくれるのって聞いてきたが、そこまで俺は御大尽じゃないから。毎回奢ってたら破産しちゃうから、お前らマジいい加減にしろ?高校生相手に札束ってどっかのテレビ企画じゃないんだからね?
またまた~って煽ててもこないだのレシートしか出んわ。こんなに長いレシート初めて見たし。
あ、小山君は気にしないで良いからね。君はもう少し食べた方がいい位だから、お財布出さないでいいから。
お前らも彼くらいの慎ましさを身に付けなさい。
去り際の"は~い、またね~。"と言う気の抜けた返事が、やけに印象に残ったのは言うまでもない。
あいつらあんなんで意中のイケメンをゲット出来るんだろうか。おじさんは凄く心配です。
この学園は元々クラス替えが前提の教育システムなため各教室にたいした荷物もない。各々の荷物は更衣室のロッカーにしまう形のため、教室の扱いは大学などのそれに近いのだろう。
別れがあれば出会いもあるの言葉の通り、Gクラスの教室には新しいクラスメートが各々の思いを抱え集っていた。
「おはよう、皆このGクラスへようこそ。俺の事は気軽に小山って呼んでくれると嬉しいかな。君たちは今回運悪くこのクラスに配属になってしまったみたいだけど、俺は知っているよ。君たちがどれ程努力しているのか。そしてどれ程才能を持っているのかって事をね。
大丈夫、君たちは凄い力を持ってるんだ。だから私なんてとか言って腐らないで欲しいな。
今回は偶々力が出し切れなかっただけなんだから。今は充電期間なんだよ。次の期末考査では必ず上位クラスに返り咲くはずさ。
だから今は一時の羽休めのつもりで過ごして欲しいかな。
愚痴くらいなら俺で良ければ聞くよ?流石に勉強は無理だけどね。」
小山君は新しいクラスメートたちにそう語り掛け、はにかんだ笑みを見せた。
あ、何人か机に突っ伏した。立ち上がって小山君に突貫かましてる女子も数名。他は皆ぽーっとした顔で彼の事を眺めてるし。
俺この教室入りたくねぇ~。って小山君、ひろし君を目指すのは良いけどやり過ぎだから!今の演説でクラス丸々落としちゃったから。
この後俺も自己紹介するの?無理だから。のっぺり最大のピンチ、自業自得だから文句も言えない。
「ねぇ、佐々木君ってもしかしたら桜町小学校出身の佐々木君?」
教室の扉の前でこの先どうするか思案していると、不意に背後から掛けられる問いかけ。振り返るとそこには小柄なウェーブヘアの可愛らしい女子生徒が立っていた。
「あ、やっぱりだ。佐々木君って全然変わらないわね。そののっぺり顔、懐かしいな~。
ん?分からない?六年生の時のクラスメートの梶原よ、梶原香住。忘れちゃった?ま、あまり親しくしていた訳じゃないんだけどね。」
六年生の時のクラスメート?梶原香住・・・なんだったっけな~、何か凄い引っ掛かるんだけど、梶原、梶原、梶原。
あ~、思い出した、ワンパン木村事件の加害者、黄金の右アッパー、瞬殺の梶原だ~。
そうそう、確か一般で受かって桜泉学園中等部に入ったんだったよね。久しぶり、元気だった~。
相変わらずひろし君の推し活頑張ってるんでしょ?どうよ憧れのスクールライフは。
「ハハハハハ、憧れのスクールライフね。桜町小の他の学校へ行った子たちにもよく言われるわ。
私も始めはそう思ってたしね。でもあれから三年。奨学生の三好さんや他の準奨学生で入った子たちはまだ頑張っているみたいだけど、私はもう一杯一杯かな。
正直疲れちゃった。少しでもひろし君に近づきたくて勉強も頑張ってるけど中等部の頃からずっと下位クラスを行ったり来たりだしね。
ここのシステムって頑張れば結果がついて来るって謳っているけど結果が伴わない人間にとっては結構キツイのよ。お前の努力が足りないって常に責められているみたいでね。」
"何か愚痴言っちゃってごめんね。"
梶原さんはそう言うと一人教室へ入っていった。
俺はその後ろ姿をただ眺める事しか出来なかった。
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