男女比世界は大変らしい。（ただしイケメンに限る）

第四章 ラブコメって言ったら学園じゃね…

第386話 うん、やっぱり来たか。

うお～、連休じゃ～！！
もう濃すぎるんだよ、私立桜泉学園高等部。まだ入学して一カ月よ？二～三年経った気分だわ、マジで。
でも最後の仕上げも終わったし、義務は終了。後は楽しいスクールライフって奴が待ってるんだもんね～。そう言えば部活動するかな～、基本陸上部所属って事にして他でも遊ぶ？それとも名目の部活でも作るか？助っ人部とか。
連休が明けたら木村君辺りと相談しようかな、そうすれば康太君も溜まり場が出来たって喜ぶんじゃね？

”コンコンコン“
俺が週明けの予定に気分を良くしていると突然のノック音。
はいどなたって扉を開ければ、そこにおわすはマイマザー。

「やあ、息子。いい朝だね、早起きは良い事だよ。」

これはこれはお母様、この度は色々とご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした。それで連休初日の朝にいったいどのような御用でしょうか？私、今日は一日ゴロゴロする予定なのですが。
背中を流れる一筋の汗、いや、そんな事はないと自分に言い聞かせる。

「ハッハッハッ、いい若者が不健全な事を言うもんじゃないよ。」

”ガラガラガラ”

「いってらっしゃい。玄関で増山が待ってるよ。」

そこにあったのは一個のキャリーケースであった。


おはようございます。増山のおっちゃんもいつもご苦労様でございます。
そうそう、順子ちゃんは無事に学園に馴染んだようですよ、あの難しい授業にも着いて行けるって彼女元々出来が良かったんですね。友達も出来て、用務員さんの朱音さんとも親しくしているようですし、何かあっても心配ないんじゃないですか。

「あぁ、おはよう坊主。順子の件、気にしてくれてありがとう。用務員さんって、そうか、守護者様は用務員さんなのか。勉強の件も坊主から貰ったお守りのお陰なんだが、気にしてないならそれでいいのか？
まぁ、今日はよろしく頼む。」

ところでおっちゃん、今日の行き先知ってる？例のごとく何も聞いてないんだけど。

「あぁ、すまないが俺は空港までの送りだな。チケットとパスポートはこの封筒に入ってるぞ。」

空港でパスポート、海外決定じゃないですか。無事に帰って来ることを祈っておいてね、おっちゃん。

「いやいや、そんなに悲壮な雰囲気出さなくても普通に仕事じゃないのか？姐さんもそこまで非道じゃないぞ、多分。」

多分は止めて多分は、それじゃお願いします。
こうして私佐々木大地の連休は、見事に無くなるのでした。（合掌）


着いた～！
ここは空港到着ロビー、遠いわユーロッパ王国。
そう、私わたくし芸術と文化の都、ユーロッパ王国に来ております。
って事はモデルの仕事かね？そう言えば大崎先生とも最近会ってなかったな～、ご活躍はネットで知ってるしたまに電話もするけど、忙しいもんなあの御方。

「Bonjour！」

ん？俺が話し掛けられたん？

『すみません、あなたは佐々木大地さんであってますか？』
振り向くとそこにはこの国特有の金色の髪に青い瞳をした女性が立っていた。

『はい、私は佐々木大地ですが、あなたはどちら様ですか？』

『あぁ、良かった。うまい事合流出来ました。師匠の話しでは東洋の特徴のない顔の男性としか聞いていなかったんで凄い不安だったんですよ。本当に特徴のない顔ですね、一発で分かりました。
私はブリジット・ベルッチ、本日お迎えに上がったものでございます。』

お迎え？はてそんな話は聞いてないんですけど？
師匠って事は大崎先生の弟子か何か？じゃあこの人もモデルなのかな？確かに凄い美人だし鍛えてる様だからそうなのかな。
それじゃブリジットさん、案内の方お願いしますね。

『ハイ、ではこちらです。』

俺はブリジットさん運転の車に乗り込み空港を後にするのでした。