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第四章 ラブコメって言ったら学園じゃね…
第381話 蠢く小物
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兵頭さん、俺が走って行って正気に戻すからぼうっとした阿呆どもを教室に誘導してくれる?
「了解、のっぺりも頑張って。」
ここは陸上部専用グラウンド。目の前では何やら唸り声をあげながら走っているクラスメート女子が数名。
俺は朱音さんから頂いた張り扇を片手にクラスメート女子に向けて走り出した。
”スパンスパンスパンスパンスパンスパンスパンスパンッ”
ふっ、また詰まらぬモノを叩いてしまった。討伐終了。(シャキン)
”スパン“
「のっぺり阿呆な事とやってないで次に行くわよ。Gクラスのみんなも正気に戻ったんなら早く教室に戻って、橋本先生怒ってたんだからね。はい、行った行った~。」
いった~い、ほんのお茶目じゃん。雪ちゃんツッコミ激しいよ~、もっと優しくしてくれても良くね?
「うっさいわ、雪ちゃん言うなし。時間がもったいないから先に行くわよ。」
プリプリ怒りながら先のチェックポイントに向かう兵頭さん。
あんまり怒るとお腹が減っちゃうんだからね。
今俺たちが何をやってるのかと言うと、今朝の騒ぎで散らばってしまったGクラスのクラスメートの討伐と回収である。前回の騒ぎの時は教師陣で回収作業を行ったのだが、流石はスポーツ専科、身体能力が半端ない。
回収し切るまで時間が掛かる掛かる、先生方全員グロッキー状態だったそうである。
そこでお声が掛かったのが俺たち佐久間中学出身者。Gクラスの教室内で身体能力が高くまともに捜索に当たれそうなのが俺たち四人だった、と言うのが事の真相である。
「うりゃっ」
”ズバンッ“
「一本、勝負あり。」
「畜生、得意の柔道でも負けるって、私はこれからどうやって生きて行けばいいって言うのよ。」
武道館の柔道場でサンドバック相手に投げ技を打って暴れていたクラスメートを発見、襲い掛かって来たので思いっきり投げ技を食らわせてやったところでございます。
おい夏目、お前の目標はそんなもんか?オリンピックに出て夢の四連覇を達成するくらいの気概は無いんか?それこそ世界に出れば俺クラスの連中なんかゴロゴロいるだろうが。
お前も知っていると思うが俺はこれでも逃走王、金メダリストと激闘を繰り広げ勝利した男だぞ。お前が本気で世界の頂点を目指すと言うのならこんな所で腐ってないで”打倒のっぺり”くらい言ってみたらどうだ。
俺は逃げも隠れも忖度もせん。何時でも全力で叩き潰してやる。
情けなく突っ伏していた夏目はキッとその顔を上げ、”今の言葉忘れるなよのっぺり、絶対リベンジしてやるからな~!”と宣言して教室に帰って行った。
お~い、兵頭~。今ので最後か?篠原達から連絡入ってる?
「ちょっと待って、みゆきからレインが入った。あと一人が見つからないって。これ上田ちゃんじゃん、って事はのっぺりのせいじゃん。」
げっ、マジかよ。我がライバルよ行方不明とは情けない。それじゃ悪いんだけど捜索続行って事で。
俺たちは再び捜索を開始するのだった。
”クンクン、ん?”
「どうしたの佐々木君、急に立ち止まって。」
いや、なんかたばこの臭いがする。これって風の流れからすると部室棟の方からだな。悪い、ちょっと寄り道するね。
なんとなく嫌な予感がしつつ、俺たちは臭いを頼りに部室棟へと向かうのだった。
あ、あの窓が開いている所からだわ。
俺の指さすそこは三階の一室、なにやら人の話し声が聞こえる所であった。
懐からスマホを取り出し動画の録画モードを起動、胸ポケットからカメラレンズが出るように調整して建物の壁へと向き合った。
兵頭さん、今から俺の事が認識出来なくなるけど驚かない様に、ちょっと行ってくる。
俺は気配を薄め周りからの認識を甘くする、所謂ステルスモードに入る。
そして建物の壁に取り付くとするするとよじ登り三階窓へと到着、気取られない様にこっそりと侵入するのであった。
「了解、のっぺりも頑張って。」
ここは陸上部専用グラウンド。目の前では何やら唸り声をあげながら走っているクラスメート女子が数名。
俺は朱音さんから頂いた張り扇を片手にクラスメート女子に向けて走り出した。
”スパンスパンスパンスパンスパンスパンスパンスパンッ”
ふっ、また詰まらぬモノを叩いてしまった。討伐終了。(シャキン)
”スパン“
「のっぺり阿呆な事とやってないで次に行くわよ。Gクラスのみんなも正気に戻ったんなら早く教室に戻って、橋本先生怒ってたんだからね。はい、行った行った~。」
いった~い、ほんのお茶目じゃん。雪ちゃんツッコミ激しいよ~、もっと優しくしてくれても良くね?
「うっさいわ、雪ちゃん言うなし。時間がもったいないから先に行くわよ。」
プリプリ怒りながら先のチェックポイントに向かう兵頭さん。
あんまり怒るとお腹が減っちゃうんだからね。
今俺たちが何をやってるのかと言うと、今朝の騒ぎで散らばってしまったGクラスのクラスメートの討伐と回収である。前回の騒ぎの時は教師陣で回収作業を行ったのだが、流石はスポーツ専科、身体能力が半端ない。
回収し切るまで時間が掛かる掛かる、先生方全員グロッキー状態だったそうである。
そこでお声が掛かったのが俺たち佐久間中学出身者。Gクラスの教室内で身体能力が高くまともに捜索に当たれそうなのが俺たち四人だった、と言うのが事の真相である。
「うりゃっ」
”ズバンッ“
「一本、勝負あり。」
「畜生、得意の柔道でも負けるって、私はこれからどうやって生きて行けばいいって言うのよ。」
武道館の柔道場でサンドバック相手に投げ技を打って暴れていたクラスメートを発見、襲い掛かって来たので思いっきり投げ技を食らわせてやったところでございます。
おい夏目、お前の目標はそんなもんか?オリンピックに出て夢の四連覇を達成するくらいの気概は無いんか?それこそ世界に出れば俺クラスの連中なんかゴロゴロいるだろうが。
お前も知っていると思うが俺はこれでも逃走王、金メダリストと激闘を繰り広げ勝利した男だぞ。お前が本気で世界の頂点を目指すと言うのならこんな所で腐ってないで”打倒のっぺり”くらい言ってみたらどうだ。
俺は逃げも隠れも忖度もせん。何時でも全力で叩き潰してやる。
情けなく突っ伏していた夏目はキッとその顔を上げ、”今の言葉忘れるなよのっぺり、絶対リベンジしてやるからな~!”と宣言して教室に帰って行った。
お~い、兵頭~。今ので最後か?篠原達から連絡入ってる?
「ちょっと待って、みゆきからレインが入った。あと一人が見つからないって。これ上田ちゃんじゃん、って事はのっぺりのせいじゃん。」
げっ、マジかよ。我がライバルよ行方不明とは情けない。それじゃ悪いんだけど捜索続行って事で。
俺たちは再び捜索を開始するのだった。
”クンクン、ん?”
「どうしたの佐々木君、急に立ち止まって。」
いや、なんかたばこの臭いがする。これって風の流れからすると部室棟の方からだな。悪い、ちょっと寄り道するね。
なんとなく嫌な予感がしつつ、俺たちは臭いを頼りに部室棟へと向かうのだった。
あ、あの窓が開いている所からだわ。
俺の指さすそこは三階の一室、なにやら人の話し声が聞こえる所であった。
懐からスマホを取り出し動画の録画モードを起動、胸ポケットからカメラレンズが出るように調整して建物の壁へと向き合った。
兵頭さん、今から俺の事が認識出来なくなるけど驚かない様に、ちょっと行ってくる。
俺は気配を薄め周りからの認識を甘くする、所謂ステルスモードに入る。
そして建物の壁に取り付くとするするとよじ登り三階窓へと到着、気取られない様にこっそりと侵入するのであった。
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