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第四章 ラブコメって言ったら学園じゃね…

第373話 何をしに来たの?

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「おはよう佐々木君、今日も時間ぴったり、流石だね。ところで昨日の宿題やって来た?分からない所があるなら教えるけど?」

「おはよう上田さん。早速実践訓練とは流石実力者揃いのスポーツ専科、良い技術はすぐに取り入れる、その精神がみんなをここまでの選手に育て上げて来たんだね。その姿勢は僕も見習わないと。
宿題の方はバッチリだよ、僕みたいな取り柄のない奴はせめてそれくらい頑張らないと。心配してくれてありがとう♪」(花の様な笑顔の雰囲気)

「グフッ、またのっぺりにやられた。悔しい~!」
顔を真っ赤にしてどこかへ走り去っていく上田さん。ふっ、甘い甘い、こちとら執事喫茶で執事長とまで呼ばれた男、そう簡単に掌で転がせると思ったら大間違いですぞ、お嬢様。

「こらのっぺり、上田ちゃんをいじめて遊ぶんじゃない。彼女は昨日初めて桜木春子先生のお話しを聞いた初心者なんだから、少しは手加減しなさい。」

後ろから声を掛けて来たのは篠原達佐久間中学三人娘であった。

おはよう佐久間中三人娘、昨日は悪かったね。お前さん方には詰まらない話しだったんじゃないの?でもこれから上のクラスに上がっても前の小山君みたいなのばっかりじゃ嫌でしょ。その前に上位クラスの皆さんに調教しておいて貰おうと思ってね。
内部進学生なんかやり方知ってるんだからやればいいのに、人間贅沢が身に付いちゃうと駄目だよね~。

飄々と話す俺に呆れ顔の三人。いやこれでも俺準備とか頑張ったのよ、褒めてくれてもいいんだからね。(ぷんすか)

しっかし本当、こんなの簡単な話しだったのだ。内部進学女子生徒に三年生の内に言い含めておくだけでよかったんだから。”新《あら》たに加わる外部進学男子生徒を教育《調教》してやってくれ”って。
それと本校入学予定の外部進学女子生徒には、中等部女子生徒と同様に入学前に例の講座映像を閲覧するようによくよく言い聞かせておけば連休前には事は解決してたんじゃないかな~。
まぁ、俺も入学するまで実態が分からなかったから提案出来なかったんだけどね。
でもこれで俺のお仕事は終了、後はのうのうとGクラスで過ごすだけ。
事の詳細はマネジメント部の吉川にまとめさせて引継ぎ資料としてマニュアル化すればいいでしょう。こうした事はこれまでも男子生徒対策として行って来たらしいしね。そう言う所は流石伝統ある名門校、教師陣も今一度基本に立ち返ってくれると嬉しいです。

現在朝の教室では昨日手に入れた知識を生かそうと、実戦練習に励む女子生徒が小山君に群がっています。あぁ君達、あまり小山君にプレッシャーを掛けない様に。西城講師のDVD”男性との正しい接し方”でも男性との正しい距離の取り方ってやってたでしょうが、あまりぐいぐい来ると男性は怯えてしまうって。
ん?そっちはまだ見ていない?実践的な桜木講師の方ばかり見ている?
うん、よく分かりました。流石皆さん攻撃的でいらっしゃる。でも基本的な男性との接し方は西城講師の方が詳しいのでぜひ其方もご覧になってください。どんなスポーツでも基本を蔑ろにしていたら伸び悩むって言うじゃないですか。
基本は大事ですよね、基本は。

”小山君行き成りごめんね~”っと言って去っていくクラスメート。訳も分からずキョトンとする小山君、なんか本当、すまん。

一学年の騒動はこれで一応の決着を迎えるでしょう、二年三年に関しては学園のやる気次第、教師陣に期待と言った所。まぁ何もしそうにないですが。俺?やらないよ面倒くさい。それこそこれって本来洋一君辺りの仕事でしょうが、なんで俺がやらんとあかんの。しっかりせいや、生徒会副会長殿。

その後何人かの女子に訓練に付き合って欲しいと言われシチュエーションプレイ大会を開催。小山君にも事情を説明し付き合ってもらいました。
”みんなが男性に慣れる為と言うなら喜んで協力するよ”って小山君、君チョロ過ぎるよ。おじさんは君の将来がとても心配です。

なんやかんやで楽しく(橋本先生にはなぜか”やり過ぎです”と小言を食らいましたが)一日を過ごし、家に帰ると玄関前にこの辺じゃあまり見る事のない高級車がずらり。
前に桜泉学園の正門で捕まっている時に見た事ある様なない様な。

ただいま~、お母様玄関前に高級車がずらりと停まっていますがどなたかお客様でもお見えでしょうか?

「おぉ息子、いい所に帰って来た。こちらアンタのお客だよ。」

リビングを見ると”私たちはお偉いさんです”と言わんばかりの服装をしたいかにもな方々がズラリ。

えっとどちら様でしょうか?

「いや、”見鬼”殿。我々は今回話し合いに来たのです、ご子息を紹介していただけるのは光栄ですが、我々が会いたいのはの超常な存在。すぐに会わせられないと言うのは分かりますがそこを曲げてお願いしたい。」

代表らしき女性がマミーに向かい頭を下げる。困った様な表情のマミー、でも俺は知っている、あれは絶対楽しんでいるときの顔だ。

あの、取り敢えず俺は着替えて来ていいかな?

『だからさっきから言っている、我々は山の神性に揶揄われているんだと。このようななにも力を感じない様な場所にそんな強大な力を持った存在がいるはずがないだろうが。ベンジャミン氏の仰ることが真であるならばそのような存在のおわす場所は神域か異界にでもなっているはずだ。ここはただの住宅街の一軒家ではないか。力なぞ微塵も感じないんだぞ、ありえないだろうが。』

その言葉に同意の頷きを示す一同。

うん、よく分からん。本当皆さん一体何をしに来たの?
俺は純粋な疑問をぶつけるのでした。
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