男女比世界は大変らしい。(ただしイケメンに限る)

@aozora

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第四章 ラブコメって言ったら学園じゃね…

第353話 木村君、部活見学に行かない? (3)

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「ほらちんたらやってんじゃねえぞ、走れ走れ!」
「もっと頭使えって言ってるだろうが、自分の立ち位置と味方の位置の把握、
敵の動きから次にどう動くのか。想像力と予測をフルに活用しないとインターハイなんか勝ち上がれないぞ!」
「「「はい、コーチ!」」」

お~、やってるやってる。今俺たちがいるのはバスケット部の専用体育館、中はもう凄い熱気、やっぱりインターハイ常連校は違うわ。中等部も中学総体の優勝校だし、この学園のやり方が完全に間違ってるって言えないのはこういった結果を出してるからなんだよな~。
しかし現場がこれだけ頑張っているって言うのにトップがあれじゃ、本当にうかばれんわ。(遠い目)

「どうした佐々木、急に眼が死に始めたぞ。」

ごめん木村君、ちょっと嫌なこと思い出しちゃって。
お~い、篠原~、約束通り木村君連れて来たぞ~。これで見学させてくれるんだよな~。

「お、佐々木本当に来たんだ、みゆき~、佐々木と木村君が来たからコーチに言って来て~。」
「OK~♪」

「今コーチが来るから待っててね。」

お、了解。でもわざわざコーチを呼び出していいのか?練習中だっただろうに。

「あぁ、それね。私も外部進学組だから知らなかったんだけど、ここの部活って女子ばっかりじゃない?だから時々A・Bクラスの男子生徒が激励に来るんですって。なんでもモチベーションを上げる為みたいよ。」

へ~、木村君知ってた?

「あぁ、お披露目の後のクラス分け説明会の時にな。ここの男子生徒の仕事の一つが女子生徒の意欲向上だからな。他に外部に慰問に行ったり、企業訪問なんかもあるらしいぞ。特に上位クラスはそうした仕事が多くなるとの事だ。」

へ~、わたくしにはあまり舞い込みそうもないお話しですな。昨日のような騒ぎになりますんで。(どや顔)

「うわ、その顔ムカつく。あんたもこの学園の生徒なんだからちゃんと仕事はしなさいよね。男子生徒の義務なんでしょ、義・務。」

くっ、篠原に言われる日が来るとは、何という屈辱。ニヤニヤ笑うな~!ムキ~!

「ハイ、全員一旦練習を中断、こっちに集合しろ~!」
「「「はい!」」」

「本日は新入学外部進学生徒の木村英雄君と佐々木大地君が部活動見学に来てくれた。
皆温かく迎えるように。」

「「「ようこそ、桜泉学園高等部女子バスケット部へ!」」」

おぉ~、なんか壮観。みんな凄い笑顔。(木村君に対して)
注目度も半端ないな~。(木村君に対して)
篠原、沢田、てめぇ~らぶるぶる震えて笑い堪えてるんじゃね~ぞ、仕方が無いんだよ、これが現実なんだよ畜生!

「では代表して木村君に一言貰おうと思う。木村君、女子バスケット部員に一言激励の言葉を頼む。」

うゎ、自然な形でスルーされた。篠原、沢田、顔真っ赤にして震えるな!ニヤニヤした目で涙流してんじゃね~!

「今コーチから紹介があった一年Aクラス木村英雄だ。正直俺は体育の授業でしかバスケをしたことのない素人だ、だから難しい事は分からないが皆が真剣に部活動に取り組んでいる事だけは肌で感じ取る事が出来た。今日はそんな皆の姿をしっかり目に焼き付けたいと思う。頑張ってくれ。」

「「「ありがとうございます、木村君。」」」

「ではそれぞれの練習メニューに戻る様に、解散。」

「「「はい、コーチ。」」」

”ドタドタドタ“

「ぶわっはっはっはっ、無理無理無理、死んじゃう死んじゃう、佐々木最高、勘弁して、あははははは。」
「ぐふぉ、ぶほっはははは、苦しかった、死ぬかと思った、あ~面白、佐々木君ようこそ女子バスケット部へ。もう最高でした、しばらく思い出し笑いしそう。」

喜んでいただけたようで何よりです。それより二人は練習良いんですか~。皆さん色々やってますけど~。

「いいのいいの。今日は二人のご接待係だから。この学園本当に男子には至れり尽くせりだよね。”ただしイケメンに限る”って枕詞が付くけど。」
「うん、学園全体がイケメン至上主義だしね、ゆっくりして行きたまえ、おまけの佐々木君♪」
くそ~、ぜって~楽しんでるだろうが!いいもんいいもん、そんなの慣れっこだもん。(ぷんすか)

「まぁ、まぁ、怒らない怒らない。なんならそこのコートで二対二でもやる?」

お、悪くないね~。木村君、いっちょこの生意気娘どもにお灸を据えてやろうではないですか。

「まぁ、ただ見ていても詰まらんしな。バスケは鬼ごっこ同好会の連中とやって以来か、面白そうだな。」

「はい決まり決まり、みゆき、コーチに言って来て。私先輩に話通してくる。」
「了解、佐々木、昨日はやられたけど今日はこっちが分からせてやるんだからね!」

へへ~んだ、やれるもんならやってみな~。


(十五分後)

ほれほれ如何した、インターハイ選手の体力はそんなものか~!
”パシン、ダンダンッダン”
”ビーッ”
「三十対一で~す。」

「くっ、次こそは。」
”ダンダンダッ””パンッ”

「佐々木ナイスカット」
”バッ、パスン”
”ビーッ”
「スリーポイントシュート、三十三対一で~す。」

「「だ~、めちゃくちゃ強いわこいつら~」」

この後レギュラー五人対二人で戦ってボコボコにされる桜泉学園高等部女子バスケット部なのでした。(合掌)
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