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第四章 ラブコメって言ったら学園じゃね…
第342話 用務員さんと駄弁る
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季節は移ろう。厳しい冬を乗り越え春の息吹に草花は喜びの表情を見せる。
白、黄色、赤、美しい彩りを迎える春の花々。
樹々には若葉が芽吹き、瑞々しい黄緑色の葉を天に向かって大きく開いている。
穏やかだね~。自然は良いよね~。
一人とぼとぼと正門に向かい歩みを進める男、のっぺり佐々木です。
クラスに向かわなくってもいいのかって?うん、疲れちゃった。なんやかんや言ってクラス分けの説明会も出れなかったし、後で木村君か康太君にでも聞けばわかるんじゃない?元々の計画ではGクラス一択だったんだけど、あの感じじゃそれもどうなってるのか分からないしね。
頑張らない事にしました。(大威張り)
桜泉学園の問題児、のっぺり佐々木の誕生です。えっ、問題児なのは前から?そんな馬鹿な・・・。orz
衝撃の事実に上向いて来ていた気分も再び急降下です。
お?あれに見えるは用務員の朱音さんじゃないですか、お~い朱音さ~ん。そんなに急いでどうしたの~?
「ん?お前はいつぞやの外部進学生徒、学校はまだ終わってないだろうにどうしたこんな所で。」
いや~、色々ありましてね、疲れちゃったんで自主早退です。朱音さんこそえらく慌ててどうしたんですか?
「うむ、こちらの教務棟から異常な気配がしたんでな、急いで確認に来たんだが。今はすっかり消えてしまっている様でな。こんな話をお前さんにしても分からんとは思うが、何か気になった事とかなかったか?」
うん?気になった事ですか?気が滅入る事はありましたが他には特に。
「そうか。まぁ、気にはなるが致し方ないか。そうそう、佐々木と言ったな、どうだこれからお茶でもしていかないか?どうせ帰るんだろ。」
そうですね、別に帰っても寝るだけですし、御呼ばれしちゃおうかな?
こうして俺と朱音さんは森にある用務員宿舎に向かうのでした。
木漏れ日差し込むテラス、吹き抜ける優しい風。春の爽やかな気候が俺のささくれ立った心を穏やかなものに変えていく。
”コトッ”
テーブルに差し出された一客のティーカップ。琥珀の液体から漂う甘く爽やかな香り。持ち手を掴み口元え運ぶ。口腔から喉へ、温かく爽やかな味わいがゆっくり広がっていく。
「はぁ~、美味しい。」
零れ出る素直な気持ち、こう言うのも悪くない。
「で、佐々木君。一体何があったんだい、えらくささくれ立っていたじゃないか。」
それ聞いちゃいますか~。まぁ、隠すほどの事でもないんで言いますけどね。
今日入学式じゃないですか、期待一杯胸いっぱいで登校してきた訳ですよ、そうしたら正門で警備員に捕縛されましてね、不審者として通報されて警察署へGO。何とかマネジメント部の人間に連絡がついて解放されたんですけどね、こちらに来たらお披露目に出てくれって体育館に直行、行ったら行ったでひろし君の惨劇の後。
ひろし君ってのは中等部からの内部進学生で大人気アーティストをやってる芸能人なんですけどね、これが凄いんですよ、挨拶一つで体育館の女子生徒壊滅させちゃうんですから。そんでそんな野戦病院状態の中で挨拶しろって言って放置ですよ、これってどうなのって思いません?まぁ、やりましたけどね。
そんで今回の不始末の話があるって言うんで校長室へ行ったら”ウチの学校へ入れてやったんだからありがたく思え”ですよ。
もう俺怒ってもいいですよね?
ま、そんな感じです。
「お、おう。思っていた以上に凄まじいじゃないか、それでよく喚き散らさないでいられたな。普通の男子なら校長室で大暴れして再び警察行きだぞこれ。」
あぁ、今日の原因である警備員とここの鬼龍院校長は気配ぶち当てて病院送りにしましたし、ちゃんと仕事を全う出来なかった駄目な大人たちにはお説教しておきましたから。
「ん?気配をぶち当てた?それってどう言う事だ?」
やってみます?まずこう部屋中に気配を行き渡らせてですね~。
”ブワッ”
膨張する気配、圧倒的な存在がそこに現れた。
「・・・・・・」
ん?どうしました?何かぶるぶる震えてますけど?
「お前が・・・お前が原因か~!!」
”スパーン”
朱音の手にはいつの間にか握られた張り扇。
のっぺりはツッコミからは逃げられない宿命なのであった。
白、黄色、赤、美しい彩りを迎える春の花々。
樹々には若葉が芽吹き、瑞々しい黄緑色の葉を天に向かって大きく開いている。
穏やかだね~。自然は良いよね~。
一人とぼとぼと正門に向かい歩みを進める男、のっぺり佐々木です。
クラスに向かわなくってもいいのかって?うん、疲れちゃった。なんやかんや言ってクラス分けの説明会も出れなかったし、後で木村君か康太君にでも聞けばわかるんじゃない?元々の計画ではGクラス一択だったんだけど、あの感じじゃそれもどうなってるのか分からないしね。
頑張らない事にしました。(大威張り)
桜泉学園の問題児、のっぺり佐々木の誕生です。えっ、問題児なのは前から?そんな馬鹿な・・・。orz
衝撃の事実に上向いて来ていた気分も再び急降下です。
お?あれに見えるは用務員の朱音さんじゃないですか、お~い朱音さ~ん。そんなに急いでどうしたの~?
「ん?お前はいつぞやの外部進学生徒、学校はまだ終わってないだろうにどうしたこんな所で。」
いや~、色々ありましてね、疲れちゃったんで自主早退です。朱音さんこそえらく慌ててどうしたんですか?
「うむ、こちらの教務棟から異常な気配がしたんでな、急いで確認に来たんだが。今はすっかり消えてしまっている様でな。こんな話をお前さんにしても分からんとは思うが、何か気になった事とかなかったか?」
うん?気になった事ですか?気が滅入る事はありましたが他には特に。
「そうか。まぁ、気にはなるが致し方ないか。そうそう、佐々木と言ったな、どうだこれからお茶でもしていかないか?どうせ帰るんだろ。」
そうですね、別に帰っても寝るだけですし、御呼ばれしちゃおうかな?
こうして俺と朱音さんは森にある用務員宿舎に向かうのでした。
木漏れ日差し込むテラス、吹き抜ける優しい風。春の爽やかな気候が俺のささくれ立った心を穏やかなものに変えていく。
”コトッ”
テーブルに差し出された一客のティーカップ。琥珀の液体から漂う甘く爽やかな香り。持ち手を掴み口元え運ぶ。口腔から喉へ、温かく爽やかな味わいがゆっくり広がっていく。
「はぁ~、美味しい。」
零れ出る素直な気持ち、こう言うのも悪くない。
「で、佐々木君。一体何があったんだい、えらくささくれ立っていたじゃないか。」
それ聞いちゃいますか~。まぁ、隠すほどの事でもないんで言いますけどね。
今日入学式じゃないですか、期待一杯胸いっぱいで登校してきた訳ですよ、そうしたら正門で警備員に捕縛されましてね、不審者として通報されて警察署へGO。何とかマネジメント部の人間に連絡がついて解放されたんですけどね、こちらに来たらお披露目に出てくれって体育館に直行、行ったら行ったでひろし君の惨劇の後。
ひろし君ってのは中等部からの内部進学生で大人気アーティストをやってる芸能人なんですけどね、これが凄いんですよ、挨拶一つで体育館の女子生徒壊滅させちゃうんですから。そんでそんな野戦病院状態の中で挨拶しろって言って放置ですよ、これってどうなのって思いません?まぁ、やりましたけどね。
そんで今回の不始末の話があるって言うんで校長室へ行ったら”ウチの学校へ入れてやったんだからありがたく思え”ですよ。
もう俺怒ってもいいですよね?
ま、そんな感じです。
「お、おう。思っていた以上に凄まじいじゃないか、それでよく喚き散らさないでいられたな。普通の男子なら校長室で大暴れして再び警察行きだぞこれ。」
あぁ、今日の原因である警備員とここの鬼龍院校長は気配ぶち当てて病院送りにしましたし、ちゃんと仕事を全う出来なかった駄目な大人たちにはお説教しておきましたから。
「ん?気配をぶち当てた?それってどう言う事だ?」
やってみます?まずこう部屋中に気配を行き渡らせてですね~。
”ブワッ”
膨張する気配、圧倒的な存在がそこに現れた。
「・・・・・・」
ん?どうしました?何かぶるぶる震えてますけど?
「お前が・・・お前が原因か~!!」
”スパーン”
朱音の手にはいつの間にか握られた張り扇。
のっぺりはツッコミからは逃げられない宿命なのであった。
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