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第二章 中二病には罹りません ー中学校ー
第319話 雪山で遊ぼう (3)
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どこまでも広がる白い大地、背後に聳え立つ連なる山々。
霊峰御奉霊山。遥かなる太古より変わらぬその姿は、多くの信仰を呼び、今なお山岳信仰の聖地として人々に恐れ敬われるこの国の三大パワースポットの一つである。
おぉ~、空気がうまい!ザ・大自然、日頃の喧騒から離れ真の自然に抱かれる、う~んめちゃくちゃ癒される。
にしてもやっぱり遠いよココ。移動時間が十時間超えるって、朝早くに家出たのにもう夕方じゃん。それに雪残り過ぎ、もう三月だよ?普通春スキーもそろそろ終わりじゃない?そんな事はないと、五月の連休中までやってる所もあるの!?
知らなかった、ビックジョーが”春休みはスキーだー”って騒いでたからてっきり北国の話だと思い込んでた。
例年より積雪の残りが多いけどそこまで異常って訳じゃないと、なるほどね~。
で、隊長、今夜はどうするの?流石に今からってのは無謀だよ。
ふもとのお寺の宿坊を借りるんだ。増山のおっちゃんってそう言った神社や仏閣の施設に詳しいよね。前の仕事ってそういう所の営業もしてたの?それとも趣味とか。御朱印集めって流行ってるらしいしね。
ニヒルな笑みを浮かべ話を打ち切る増山のおっちゃん。ブラックな会社員時代を思い出しちゃったのかも、申し訳ない事をしたかな?
でも宿坊か、前世で一回だけ行った事あるけど精進料理とか食べさせてくれるんだよね、ちょっと楽しみ。
「お久し振りです、増山です。本日は突然の事で申し訳ありませんでした、どうぞよろしくお願いします。」
「増山さん、お久し振りです。あなたも色々大変だったでしょうに、本当にお元気そうでよかった。今日はゆっくりして行ってください。
お山の方は明日行かれるんでしょうか?宿泊の準備は整っていますが、今一度装備の確認をお願いできますか?」
「はい、では後程。今日は連れに男性がいますので、周りに余計な刺激を与えないよう先に宿で休ませていただきます。」
「そうですか、ご配慮ありがとうございます。ではご案内いたします。」
住職と軽い会話をする増山さん。でももしかして俺っちあまり歓迎されてないっぽい?おっちゃんその辺大丈夫なの?
「あぁ、坊主はあまり知らないと思うが修行中の尼は基本男子禁制でな。男性との接触を可能な限り避けるんだ。俺は何度かここに訪れているからその辺よく分かっているからいいが、坊主は分からんだろう?だから早く宿に移動すると言って住職を安心させたって流れだな。」
なるほど、流石は出来る男、卒が無い。
渡り廊下を進み宿泊棟へ。おっちゃんと俺が同室で、葛の葉が一人部屋へ案内された。
おお、何かどこぞの合宿所みたい。本当に簡素、ホテルとはまた違ってこう言うのも悪くない。
「荷物を置いたら食事に行くぞ、こういう所は飯が早いんだ。風呂は一応大浴場だが温泉とは違う、あまり期待するなよ。基本寝泊まりするだけの場所だからな。」
「あ、若。私は食事のあと少し抜けるぞ。こっちの知り合いに顔を出さないといけないからな、明日の朝には戻ってるからいなくても気にしないでくれ。」
へ~、葛の葉って結構顔が広いよね。前も牧之原温泉にいたし、もしかして全国津々浦々出歩いてるとか?いよ、謎多き女。
でも雪の中じゃ移動とかってどうするの、タクシー呼ぶの?
「向こうから迎が来るから大丈夫だぞ、寺の住職にもそう伝えておいてくれ。」
了解、気を付けて行って来てね。
おぉ、これぞ精進料理、湯葉のお刺身美味しい。がんもどきって鶏肉に見立てた精進料理の一つなんだよね、昔の修行僧もめちゃくちゃ肉が食べたかったんだろうな~。執念の一品、美味しく頂かせてもらいます。お出汁が効いてて美味しい~♪
でも大豆って凄いわ、これだけ色々姿を変えて楽しませてくれるって、小麦と大豆くらいじゃないだろうか。
「・・・・」
葛の葉、さっきから無言でひとの油揚げを狙うのは止めなさい、欲しいならあげるから。増山のおっちゃんもごめんね、気を使ってくれてありがとうございます。
「♪~。」
油揚げを貰ってご満悦な葛の葉。君はこれからお出掛けでしょうが、ほどほどにしておきなさいね。
床に置かれたペット皿で仲良くドッグフード(半生タイプ)を食べる黒丸とつくねを見ながら、明日の登山に思いを馳せるのっぺり佐々木君なのでありました。
霊峰御奉霊山。遥かなる太古より変わらぬその姿は、多くの信仰を呼び、今なお山岳信仰の聖地として人々に恐れ敬われるこの国の三大パワースポットの一つである。
おぉ~、空気がうまい!ザ・大自然、日頃の喧騒から離れ真の自然に抱かれる、う~んめちゃくちゃ癒される。
にしてもやっぱり遠いよココ。移動時間が十時間超えるって、朝早くに家出たのにもう夕方じゃん。それに雪残り過ぎ、もう三月だよ?普通春スキーもそろそろ終わりじゃない?そんな事はないと、五月の連休中までやってる所もあるの!?
知らなかった、ビックジョーが”春休みはスキーだー”って騒いでたからてっきり北国の話だと思い込んでた。
例年より積雪の残りが多いけどそこまで異常って訳じゃないと、なるほどね~。
で、隊長、今夜はどうするの?流石に今からってのは無謀だよ。
ふもとのお寺の宿坊を借りるんだ。増山のおっちゃんってそう言った神社や仏閣の施設に詳しいよね。前の仕事ってそういう所の営業もしてたの?それとも趣味とか。御朱印集めって流行ってるらしいしね。
ニヒルな笑みを浮かべ話を打ち切る増山のおっちゃん。ブラックな会社員時代を思い出しちゃったのかも、申し訳ない事をしたかな?
でも宿坊か、前世で一回だけ行った事あるけど精進料理とか食べさせてくれるんだよね、ちょっと楽しみ。
「お久し振りです、増山です。本日は突然の事で申し訳ありませんでした、どうぞよろしくお願いします。」
「増山さん、お久し振りです。あなたも色々大変だったでしょうに、本当にお元気そうでよかった。今日はゆっくりして行ってください。
お山の方は明日行かれるんでしょうか?宿泊の準備は整っていますが、今一度装備の確認をお願いできますか?」
「はい、では後程。今日は連れに男性がいますので、周りに余計な刺激を与えないよう先に宿で休ませていただきます。」
「そうですか、ご配慮ありがとうございます。ではご案内いたします。」
住職と軽い会話をする増山さん。でももしかして俺っちあまり歓迎されてないっぽい?おっちゃんその辺大丈夫なの?
「あぁ、坊主はあまり知らないと思うが修行中の尼は基本男子禁制でな。男性との接触を可能な限り避けるんだ。俺は何度かここに訪れているからその辺よく分かっているからいいが、坊主は分からんだろう?だから早く宿に移動すると言って住職を安心させたって流れだな。」
なるほど、流石は出来る男、卒が無い。
渡り廊下を進み宿泊棟へ。おっちゃんと俺が同室で、葛の葉が一人部屋へ案内された。
おお、何かどこぞの合宿所みたい。本当に簡素、ホテルとはまた違ってこう言うのも悪くない。
「荷物を置いたら食事に行くぞ、こういう所は飯が早いんだ。風呂は一応大浴場だが温泉とは違う、あまり期待するなよ。基本寝泊まりするだけの場所だからな。」
「あ、若。私は食事のあと少し抜けるぞ。こっちの知り合いに顔を出さないといけないからな、明日の朝には戻ってるからいなくても気にしないでくれ。」
へ~、葛の葉って結構顔が広いよね。前も牧之原温泉にいたし、もしかして全国津々浦々出歩いてるとか?いよ、謎多き女。
でも雪の中じゃ移動とかってどうするの、タクシー呼ぶの?
「向こうから迎が来るから大丈夫だぞ、寺の住職にもそう伝えておいてくれ。」
了解、気を付けて行って来てね。
おぉ、これぞ精進料理、湯葉のお刺身美味しい。がんもどきって鶏肉に見立てた精進料理の一つなんだよね、昔の修行僧もめちゃくちゃ肉が食べたかったんだろうな~。執念の一品、美味しく頂かせてもらいます。お出汁が効いてて美味しい~♪
でも大豆って凄いわ、これだけ色々姿を変えて楽しませてくれるって、小麦と大豆くらいじゃないだろうか。
「・・・・」
葛の葉、さっきから無言でひとの油揚げを狙うのは止めなさい、欲しいならあげるから。増山のおっちゃんもごめんね、気を使ってくれてありがとうございます。
「♪~。」
油揚げを貰ってご満悦な葛の葉。君はこれからお出掛けでしょうが、ほどほどにしておきなさいね。
床に置かれたペット皿で仲良くドッグフード(半生タイプ)を食べる黒丸とつくねを見ながら、明日の登山に思いを馳せるのっぺり佐々木君なのでありました。
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