316 / 525
第二章 中二病には罹りません ー中学校ー
第312話 それぞれの悲喜こもごも (2)
しおりを挟む
朝の駅前、そこに集う様々な制服を着た少年少女たち。
自信に満ち溢れた顔の者、不安に押しつぶされそうな顔の者。
談笑する者、一人孤独を愛する者。
しかし彼らの目的地は一つ、ゾロゾロと歩く道行の先に見えるのはとある学校校舎。
”よっしゃ、有った~!合格だ!!”
”百五十二番、百五十二番、有った~!!キャーッ!”
合格に喜ぶ者、惜しくも希望を叶えられず悲しみの涙を浮かべる者。
「絵実、受験番号何番だっけ?」
「百八十三番。え~っと、有ったよ佐々木君。」
サクッと自分の番号を見つけ報告してくれる絵実さん。
なんかやけに冷静じゃね?普通こう言う時って喜びに大騒ぎするんじゃない?周りの皆さんそうなんだけど。ここってかなりの難関校だよね、なんでそんなに落ち着いてるの?
絵実ってめちゃめちゃ頑張ってたよね、それこそ目標に向かって只管冷静にって感じで。それが叶ったんだからもっと喜んでもいい様に思うんだけど。
「あぁ、それは試験の時に凄く落ち着いて問題に取り組めたからかな?
見直しもちゃんと出来たし、これまでで一番調子が良かったかも。だからかな、終わった時に絶対に受かるって確信しちゃったんだよね。自己採点評価も今までで最高だったしね。
今日は結果の確認と自分の感覚が間違ってなかったって確信したかったってのが主かな。」
おぉ、なんか絵実が出来る女になってる。ちょっと俺置いてきぼり食らってるみたいで不安なんですけど、もしかして捨てられちゃうの俺?
「佐々木君何言ってるの?私が佐々木君を捨てるなんてありえないよ、ずっと佐々木君に相応しい女になろうって頑張ってるんだから。
本当は佐々木君と同じ学校に行って楽しい高校生活を送りたかったけど、それは難しそうって言うのもあるけどそれだけじゃ駄目だと思って。私ももっと自分を磨いて行かなくちゃって。この学校はそのための第一歩、大学進学をっ見据えた進路なの。
きっとあなたに相応しい女って言われるようになるから期待して待っててね♪」
何この健気な女の子、いいのこんな俺で、なんか涙が止まらないんですけど。
ハンカチですか、どうもありがとうございます。ティッシュティッシュ、鼻水が止まらないよ~。
「記念に正門前で写真撮ろうよ。すみません、お願いしてもいいですか~。」
一瞬訝しげな顔を向けた学校職員さんも、俺たち、主に俺の顔?を見たら何故か慈愛の籠った眼差しで協力してくれました。
周囲にいた同じ受験生からは何故か拍手が、”頑張ってね”とか”お幸せにね”とか絵実に向かって掛けられる謎の声援。
”お前凄いよ、俺も頑張るよ。”と言って俺の肩を叩くイケメン男子受験生たち。
その上から目線なのか優しさの籠った眼差しなのかよく分からん視線は止めてくださいませんか?
学校入学案内を貰いに受付に向かった俺たち。手伝いの為駆り出されたであろう女子生徒が”チィッ、リア充が。”と一瞬睨むも、俺の顔を見た途端なぜかすぐに笑顔で対応。
「もしかして彼氏さん?彼女には変な虫が着かない様に生徒会でしっかりお守りするから安心して。」
「はい、ありがとうございます。私彼氏一本なんでよろしくお願いします。」
「そう、それならあなたたちのツーショット写真を新入学生の紹介として掲載させていただいてもイイかしら?学校中の生徒の目に留まると思うけど。」
「ぜひお願いします。下手に男子生徒に期待をさせるのも悪いので。」
笑顔なのにやけに力の籠った攻防だったような。
なんにしてもなんかすごくいい人ばかりの学校の様です。絵実の事、よろしくお願いします。
自信に満ち溢れた顔の者、不安に押しつぶされそうな顔の者。
談笑する者、一人孤独を愛する者。
しかし彼らの目的地は一つ、ゾロゾロと歩く道行の先に見えるのはとある学校校舎。
”よっしゃ、有った~!合格だ!!”
”百五十二番、百五十二番、有った~!!キャーッ!”
合格に喜ぶ者、惜しくも希望を叶えられず悲しみの涙を浮かべる者。
「絵実、受験番号何番だっけ?」
「百八十三番。え~っと、有ったよ佐々木君。」
サクッと自分の番号を見つけ報告してくれる絵実さん。
なんかやけに冷静じゃね?普通こう言う時って喜びに大騒ぎするんじゃない?周りの皆さんそうなんだけど。ここってかなりの難関校だよね、なんでそんなに落ち着いてるの?
絵実ってめちゃめちゃ頑張ってたよね、それこそ目標に向かって只管冷静にって感じで。それが叶ったんだからもっと喜んでもいい様に思うんだけど。
「あぁ、それは試験の時に凄く落ち着いて問題に取り組めたからかな?
見直しもちゃんと出来たし、これまでで一番調子が良かったかも。だからかな、終わった時に絶対に受かるって確信しちゃったんだよね。自己採点評価も今までで最高だったしね。
今日は結果の確認と自分の感覚が間違ってなかったって確信したかったってのが主かな。」
おぉ、なんか絵実が出来る女になってる。ちょっと俺置いてきぼり食らってるみたいで不安なんですけど、もしかして捨てられちゃうの俺?
「佐々木君何言ってるの?私が佐々木君を捨てるなんてありえないよ、ずっと佐々木君に相応しい女になろうって頑張ってるんだから。
本当は佐々木君と同じ学校に行って楽しい高校生活を送りたかったけど、それは難しそうって言うのもあるけどそれだけじゃ駄目だと思って。私ももっと自分を磨いて行かなくちゃって。この学校はそのための第一歩、大学進学をっ見据えた進路なの。
きっとあなたに相応しい女って言われるようになるから期待して待っててね♪」
何この健気な女の子、いいのこんな俺で、なんか涙が止まらないんですけど。
ハンカチですか、どうもありがとうございます。ティッシュティッシュ、鼻水が止まらないよ~。
「記念に正門前で写真撮ろうよ。すみません、お願いしてもいいですか~。」
一瞬訝しげな顔を向けた学校職員さんも、俺たち、主に俺の顔?を見たら何故か慈愛の籠った眼差しで協力してくれました。
周囲にいた同じ受験生からは何故か拍手が、”頑張ってね”とか”お幸せにね”とか絵実に向かって掛けられる謎の声援。
”お前凄いよ、俺も頑張るよ。”と言って俺の肩を叩くイケメン男子受験生たち。
その上から目線なのか優しさの籠った眼差しなのかよく分からん視線は止めてくださいませんか?
学校入学案内を貰いに受付に向かった俺たち。手伝いの為駆り出されたであろう女子生徒が”チィッ、リア充が。”と一瞬睨むも、俺の顔を見た途端なぜかすぐに笑顔で対応。
「もしかして彼氏さん?彼女には変な虫が着かない様に生徒会でしっかりお守りするから安心して。」
「はい、ありがとうございます。私彼氏一本なんでよろしくお願いします。」
「そう、それならあなたたちのツーショット写真を新入学生の紹介として掲載させていただいてもイイかしら?学校中の生徒の目に留まると思うけど。」
「ぜひお願いします。下手に男子生徒に期待をさせるのも悪いので。」
笑顔なのにやけに力の籠った攻防だったような。
なんにしてもなんかすごくいい人ばかりの学校の様です。絵実の事、よろしくお願いします。
1
お気に入りに追加
49
あなたにおすすめの小説
最底辺の落ちこぼれ、実は彼がハイスペックであることを知っている元幼馴染のヤンデレ義妹が入学してきたせいで真の実力が発覚してしまう!
電脳ピエロ
恋愛
時野 玲二はとある事情から真の実力を隠しており、常に退学ギリギリの成績をとっていたことから最底辺の落ちこぼれとバカにされていた。
しかし玲二が2年生になった頃、時を同じくして義理の妹になった人気モデルの神堂 朱音が入学してきたことにより、彼の実力隠しは終わりを迎えようとしていた。
「わたしは大好きなお義兄様の真の実力を、全校生徒に知らしめたいんです♡ そして、全校生徒から羨望の眼差しを向けられているお兄様をわたしだけのものにすることに興奮するんです……あぁんっ♡ お義兄様ぁ♡」
朱音は玲二が実力隠しを始めるよりも前、幼少期からの幼馴染だった。
そして義理の兄妹として再開した現在、玲二に対して変質的な愛情を抱くヤンデレなブラコン義妹に変貌していた朱音は、あの手この手を使って彼の真の実力を発覚させようとしてくる!
――俺はもう、人に期待されるのはごめんなんだ。
そんな玲二の願いは叶うことなく、ヤンデレ義妹の暴走によって彼がハイスペックであるという噂は徐々に学校中へと広まっていく。
やがて玲二の真の実力に危機感を覚えた生徒会までもが動き始めてしまい……。
義兄の実力を全校生徒に知らしめたい、ブラコンにしてヤンデレの人気モデル VS 真の実力を絶対に隠し通したい、実は最強な最底辺の陰キャぼっち。
二人の心理戦は、やがて学校全体を巻き込むほどの大きな戦いへと発展していく。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
男女比の狂った世界で愛を振りまく
キョウキョウ
恋愛
男女比が1:10という、男性の数が少ない世界に転生した主人公の七沢直人(ななさわなおと)。
その世界の男性は無気力な人が多くて、異性その恋愛にも消極的。逆に、女性たちは恋愛に飢え続けていた。どうにかして男性と仲良くなりたい。イチャイチャしたい。
直人は他の男性たちと違って、欲求を強く感じていた。女性とイチャイチャしたいし、楽しく過ごしたい。
生まれた瞬間から愛され続けてきた七沢直人は、その愛を周りの女性に返そうと思った。
デートしたり、手料理を振る舞ったり、一緒に趣味を楽しんだりする。その他にも、色々と。
本作品は、男女比の異なる世界の女性たちと積極的に触れ合っていく様子を描く物語です。
※カクヨムにも掲載中の作品です。
貞操観念が逆転した世界に転生した俺が全部活の共有マネージャーになるようです
卯ノ花
恋愛
少子化により男女比が変わって貞操概念が逆転した世界で俺「佐川幸太郎」は通っている高校、東昴女子高等学校で部活共有のマネージャーをする話
元おっさんの幼馴染育成計画
みずがめ
恋愛
独身貴族のおっさんが逆行転生してしまった。結婚願望がなかったわけじゃない、むしろ強く思っていた。今度こそ人並みのささやかな夢を叶えるために彼女を作るのだ。
だけど結婚どころか彼女すらできたことのないような日陰ものの自分にそんなことができるのだろうか? 軟派なことをできる自信がない。ならば幼馴染の女の子を作ってそのままゴールインすればいい。という考えのもと始まる元おっさんの幼馴染育成計画。
※この作品は小説家になろうにも掲載しています。
※【挿絵あり】の話にはいただいたイラストを載せています。表紙はチャーコさんが依頼して、まるぶち銀河さんに描いていただきました。
可愛すぎるクラスメイトがやたら俺の部屋を訪れる件 ~事故から助けたボクっ娘が存在感空気な俺に熱い視線を送ってきている~
蒼田
青春
人よりも十倍以上存在感が薄い高校一年生、宇治原簾 (うじはられん)は、ある日買い物へ行く。
目的のプリンを買った夜の帰り道、簾はクラスメイトの人気者、重原愛莉 (えはらあいり)を見つける。
しかしいつも教室でみる活発な表情はなくどんよりとしていた。只事ではないと目線で追っていると彼女が信号に差し掛かり、トラックに引かれそうな所を簾が助ける。
事故から助けることで始まる活発少女との関係。
愛莉が簾の家にあがり看病したり、勉強したり、時には二人でデートに行ったりと。
愛莉は簾の事が好きで、廉も愛莉のことを気にし始める。
故障で陸上が出来なくなった愛莉は目標新たにし、簾はそんな彼女を補佐し自分の目標を見つけるお話。
*本作はフィクションです。実在する人物・団体・組織名等とは関係ございません。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる