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第二章 中二病には罹りません ー中学校ー
第310話 続、旅は道連れ世は情けねぇ (3)
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いや~、良いお湯だったわ~。
身体の芯から温まる名湯、ここまで歩いてきた疲れやら寒さに悴んだ関節やらが一気に癒された感じ。これなら帰りの道も問題なく帰れるね。
「なぁ佐々木、悪い事は言わない、帰りはタクシーを呼ぼう。」
懇願するような瞳の木村君とスタッフさん。うん、これは仕方がないよね、タクシー決定で。その前に食事の撮影を行いましょう、女将さんには事前に頼んであるから。
宿の浴衣に着替え、食事の間へ移動。ここで美味しそうな食レポが出来るかどうかが温泉リポーターの良し悪しを決めるんだから、気合を入れるよ木村君。
「うむ、言われるまでもない。温泉王子木村英雄、温泉レポートだけはお前にも負けられん。」
う、木村君が真剣だ。君の情熱はよく伝わった、愛する温泉文化は木村君に任せる事にするよ。
「おう、任された!」
スタッフさん、今回の収録、木村君の新しい一面をお届けできるかもしれないね。
前を意気揚々と歩く木村君を目に、これはバズルかもとゲスな事を考えるのっぺりとスタッフさんなのでありました。
うわ~、囲炉裏を囲んでのお食事だ~♪
目の前の囲炉裏には串に刺した川魚がずらり。他にも半殺し状のもち米を串に巻き付けて味噌ダレを塗り付けた物も刺さっている。
これですよこれ、旅館の懐石もいいけどこういう田舎の風情溢れるお料理、堪りません。
「こちらからしっかり焼けた串をお渡しいたしますので、ごゆるりとお楽しみください。お代わりも出来ますから。」
「「ありがとうございます。いただきます。」」
「「美味しい~♪」」
塩焼の川魚は皮がパリッとしていながら身はジューシー。その身は柔らかくほぐれるように旨味が口いっぱいに広がっていく。
串団子の方はぽたぽた焼きとかきりたんぽとか言うやつと同じような物なのかな?
表面は焼きおにぎりの様にパリッとしていて、中は柔らか。表面の味噌ダレの甘塩っぱい感じがベストマッチ。
木村君、温泉王子として点数をつけるなら何点ですか?
「愚問だな、満点以外付けようがない。シチュエーションも相まってそれ以上だ。心に残る宿とはまさにこの事、この出会いに感謝だな。」
うん、その通りだね。本当についてるわ~。
「お、若じゃないか。なんでこんな所にいるんだい?」
突然の声掛けに振り向くとそこには見慣れた顔が。
葛の葉こそ何でこんな所にいるの?
「あたしはお休みを貰ったんでこの宿に遊びに来てたんだけど、若は今日は動画の撮影で温泉に行くって言ってなかった?」
いや、だから来てるじゃん、牧之原温泉郷。どこも露天風呂が無いって言われて情報集めしてやって来たのがこの旅館って訳ですよこれが。
しばらく考え込む葛の葉。不意に顔を上げると一言。
「若、その宿の名前って”牧之原奥の湯旅館”じゃなかった?それってずいぶん手前にあったはずだよ?」
へっ?じゃあここは?
「牧之原隠里の湯狐火亭だよ、普通じゃ来れない筈なんだけど、そこは若だから仕方がないのかな?だからあいつら妙に浮ついて騒がしかったのか。
若、温泉の情報を街で集めてたんなら向こうの旅館の人間が心配してるかもしれない、送らせるから今日はそっちで一泊するといいよ。」
いやいやいや、ここでの取材が終わったら帰る予定なんだけど?
「悪い事は言わないからそうしときなって、あと向こうの宿に付いたら取材データの確認をして見な、あたしの言ってる事が分かるから。」
どうする二人とも?
「まあ俺は構わんぞ、新たな露天風呂との出会いはいつも新鮮だからな。」
「俺も問題ない。最後の仕事、トラブルも予定の内だ、なんせ佐々木と一緒なんだからな。」
そう、それならその牧之原奥の湯旅館に行ってみるよ。葛の葉、悪いんだけど送迎の手配お願いできる?
「それはもう手配済み、玄関先に車が待ってるから着替えたら行くといいよ。あたしはもう少し泊まってから帰るから、ノエル達にはよろしく伝えておいてね。」
分かった、なんか色々ありがとうね。女将さんも色々とありがとうございました。最高のお宿でした、今度はプライベートでお伺いしますね?仲居の皆さんもありがとうございました。
俺たちは玄関先に用意されていた車で牧之原奥の世旅館に向かう事になった。時刻は夕方、葛の葉の言う通り今夜は泊りになりそうだ。
「送っていただきありがとうございます。女将さんをはじめ宿の方々にはよろしくお伝えください。」
送迎してくれたお姉さんにお礼を述べ、俺たちは牧之原奥の湯旅館の扉をくぐっていった。
「お待ちしていました、温泉王子御一行様。ずいぶんお着きが遅かったようですが、何かトラブルでもありましたか?」
ここ奥の湯旅館は牧之原温泉街から徒歩三十分ほど、こちらに向かっていると聞いていた女将さんには随分心配をお掛けしてしまったらしい。
いや~、どうも途中看板を見失っていたらしく、さらに奥にある別の旅館まで行ってしまったらしいんですよ。ご心配をお掛けしたみたいで申し訳ない。
深々と頭を下げ心配してくれたことに感謝するのっぺり佐々木。
「それは大変だったでしょう、この時期山の温泉宿は閉館していますから。お身体が冷え切ってしまわれたのでは?すぐに温泉の方へご案内いたします。勿論取材もOKですので。」
何か変な事を言う女将さん。
「なぁ、佐々木。ちょっといいか。」
スタッフさんどうしたの?何かトラブル?
「さっきの隠里の湯狐火亭で撮ったはずのVTRなんだがな、何にも写っていないんだ。正確には雪原の光景しか映ってないんだよ。」
へっ?何言ってるの?俺たちお風呂に入ったじゃん。飯だって食べたよね。
「だからその俺たちも写っていないんだって、声だけ録れてるんだけど映像はほぼほぼ雪原、たまに動物らしきものが写り込んでるの。全部確認出来た訳じゃないからはっきり言えないけど、これが使えないって事だけは確かだな。」
マジかよ、木村君撮り直しだって。申し訳ないけどお願い出来る?
「何も問題ないぞ。新たな露天風呂が待っている、難しい事は風呂から上がってから考えればいい。」
本当に露天風呂の事になると一切ブレないのね、温泉王子。
スタッフさん、そう言う事みたいなんで、この問題は棚上げで。温泉の撮影に参りましょう。レッツゴー、露天風呂。
世の中は不思議がいっぱい、深く考えたらだめ、そう言う事ですねメイドさん。
俺は我が家最大の不思議に思いを馳せながら、まだ見ぬ露天風呂に向かうのであった。
身体の芯から温まる名湯、ここまで歩いてきた疲れやら寒さに悴んだ関節やらが一気に癒された感じ。これなら帰りの道も問題なく帰れるね。
「なぁ佐々木、悪い事は言わない、帰りはタクシーを呼ぼう。」
懇願するような瞳の木村君とスタッフさん。うん、これは仕方がないよね、タクシー決定で。その前に食事の撮影を行いましょう、女将さんには事前に頼んであるから。
宿の浴衣に着替え、食事の間へ移動。ここで美味しそうな食レポが出来るかどうかが温泉リポーターの良し悪しを決めるんだから、気合を入れるよ木村君。
「うむ、言われるまでもない。温泉王子木村英雄、温泉レポートだけはお前にも負けられん。」
う、木村君が真剣だ。君の情熱はよく伝わった、愛する温泉文化は木村君に任せる事にするよ。
「おう、任された!」
スタッフさん、今回の収録、木村君の新しい一面をお届けできるかもしれないね。
前を意気揚々と歩く木村君を目に、これはバズルかもとゲスな事を考えるのっぺりとスタッフさんなのでありました。
うわ~、囲炉裏を囲んでのお食事だ~♪
目の前の囲炉裏には串に刺した川魚がずらり。他にも半殺し状のもち米を串に巻き付けて味噌ダレを塗り付けた物も刺さっている。
これですよこれ、旅館の懐石もいいけどこういう田舎の風情溢れるお料理、堪りません。
「こちらからしっかり焼けた串をお渡しいたしますので、ごゆるりとお楽しみください。お代わりも出来ますから。」
「「ありがとうございます。いただきます。」」
「「美味しい~♪」」
塩焼の川魚は皮がパリッとしていながら身はジューシー。その身は柔らかくほぐれるように旨味が口いっぱいに広がっていく。
串団子の方はぽたぽた焼きとかきりたんぽとか言うやつと同じような物なのかな?
表面は焼きおにぎりの様にパリッとしていて、中は柔らか。表面の味噌ダレの甘塩っぱい感じがベストマッチ。
木村君、温泉王子として点数をつけるなら何点ですか?
「愚問だな、満点以外付けようがない。シチュエーションも相まってそれ以上だ。心に残る宿とはまさにこの事、この出会いに感謝だな。」
うん、その通りだね。本当についてるわ~。
「お、若じゃないか。なんでこんな所にいるんだい?」
突然の声掛けに振り向くとそこには見慣れた顔が。
葛の葉こそ何でこんな所にいるの?
「あたしはお休みを貰ったんでこの宿に遊びに来てたんだけど、若は今日は動画の撮影で温泉に行くって言ってなかった?」
いや、だから来てるじゃん、牧之原温泉郷。どこも露天風呂が無いって言われて情報集めしてやって来たのがこの旅館って訳ですよこれが。
しばらく考え込む葛の葉。不意に顔を上げると一言。
「若、その宿の名前って”牧之原奥の湯旅館”じゃなかった?それってずいぶん手前にあったはずだよ?」
へっ?じゃあここは?
「牧之原隠里の湯狐火亭だよ、普通じゃ来れない筈なんだけど、そこは若だから仕方がないのかな?だからあいつら妙に浮ついて騒がしかったのか。
若、温泉の情報を街で集めてたんなら向こうの旅館の人間が心配してるかもしれない、送らせるから今日はそっちで一泊するといいよ。」
いやいやいや、ここでの取材が終わったら帰る予定なんだけど?
「悪い事は言わないからそうしときなって、あと向こうの宿に付いたら取材データの確認をして見な、あたしの言ってる事が分かるから。」
どうする二人とも?
「まあ俺は構わんぞ、新たな露天風呂との出会いはいつも新鮮だからな。」
「俺も問題ない。最後の仕事、トラブルも予定の内だ、なんせ佐々木と一緒なんだからな。」
そう、それならその牧之原奥の湯旅館に行ってみるよ。葛の葉、悪いんだけど送迎の手配お願いできる?
「それはもう手配済み、玄関先に車が待ってるから着替えたら行くといいよ。あたしはもう少し泊まってから帰るから、ノエル達にはよろしく伝えておいてね。」
分かった、なんか色々ありがとうね。女将さんも色々とありがとうございました。最高のお宿でした、今度はプライベートでお伺いしますね?仲居の皆さんもありがとうございました。
俺たちは玄関先に用意されていた車で牧之原奥の世旅館に向かう事になった。時刻は夕方、葛の葉の言う通り今夜は泊りになりそうだ。
「送っていただきありがとうございます。女将さんをはじめ宿の方々にはよろしくお伝えください。」
送迎してくれたお姉さんにお礼を述べ、俺たちは牧之原奥の湯旅館の扉をくぐっていった。
「お待ちしていました、温泉王子御一行様。ずいぶんお着きが遅かったようですが、何かトラブルでもありましたか?」
ここ奥の湯旅館は牧之原温泉街から徒歩三十分ほど、こちらに向かっていると聞いていた女将さんには随分心配をお掛けしてしまったらしい。
いや~、どうも途中看板を見失っていたらしく、さらに奥にある別の旅館まで行ってしまったらしいんですよ。ご心配をお掛けしたみたいで申し訳ない。
深々と頭を下げ心配してくれたことに感謝するのっぺり佐々木。
「それは大変だったでしょう、この時期山の温泉宿は閉館していますから。お身体が冷え切ってしまわれたのでは?すぐに温泉の方へご案内いたします。勿論取材もOKですので。」
何か変な事を言う女将さん。
「なぁ、佐々木。ちょっといいか。」
スタッフさんどうしたの?何かトラブル?
「さっきの隠里の湯狐火亭で撮ったはずのVTRなんだがな、何にも写っていないんだ。正確には雪原の光景しか映ってないんだよ。」
へっ?何言ってるの?俺たちお風呂に入ったじゃん。飯だって食べたよね。
「だからその俺たちも写っていないんだって、声だけ録れてるんだけど映像はほぼほぼ雪原、たまに動物らしきものが写り込んでるの。全部確認出来た訳じゃないからはっきり言えないけど、これが使えないって事だけは確かだな。」
マジかよ、木村君撮り直しだって。申し訳ないけどお願い出来る?
「何も問題ないぞ。新たな露天風呂が待っている、難しい事は風呂から上がってから考えればいい。」
本当に露天風呂の事になると一切ブレないのね、温泉王子。
スタッフさん、そう言う事みたいなんで、この問題は棚上げで。温泉の撮影に参りましょう。レッツゴー、露天風呂。
世の中は不思議がいっぱい、深く考えたらだめ、そう言う事ですねメイドさん。
俺は我が家最大の不思議に思いを馳せながら、まだ見ぬ露天風呂に向かうのであった。
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