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第二章 中二病には罹りません ー中学校ー
第308話 続、旅は道連れ世は情けねぇ
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吹き付ける雪、俯き先を急ぐ人々。ここは北の街、人々の喧騒は全て白い大地に溶け消えて行く。
どうも、さすらいのポエマー、のっぺり佐々木です。
今回は待望の温泉探訪、東北地方冬の温泉街をぷらぷらします。
旅は道連れ世は情けねぇ、スタートです。"スパーン"
痛いよ、酷いよ、誰よ人の頭ひっぱたくのは。
後頭部を押さえ犯人を探すのっぺり。
「酷いのはどっちだ、何勝手に話を終わらそうとする。」
そこには携帯用張り扇を掲げた勇者が立っていた。
あぁ、ごめんごめん、本日は特別ゲストがございます。ご紹介致しましょう、スタジオS&B所属のモデル、第一回逃走王の称号保持者、木村英雄君で~す。
「どうも、流浪の露天風呂愛好家、木村英雄です。ここで個人的なお知らせ。私木村英雄は、この度湯の華温泉郷温泉大使に就任致しました。此れからもどんどん温泉の良さをピーアールしていきますので、よろしくお願いします。」
えっ?木村君遂に温泉大使になったんだ、スゲー。でも俺にはその話し来てないんだけど?そこのところどうなのさ~!
「ふん、日頃の言動と基本スペック(主に顔)の差だな。俺は温泉愛に溢れる温泉王子だからな。」(キラ~ン☆彡)
うっ、悔しいけど反論出来ない。良いもん、のっぺり佐々木は長いスパンで生き残るタレントなのさ、その内饅頭大使にでもなってやる!
じゃ、行くよ。東北、牧之原温泉郷のぶらぶら歩き旅、スタートです。
木村君とやいのやいの言い合いながら温泉街に消えて行くのっぺり佐々木、
「はいカット」、声を掛けたのは元映像研究会部長吉田誠であった。
吉田君、オープニングトーク今の感じでどう?
「良いんじゃないか?
のっぺりの番組はゆるさとドタバタが命だからな。収益化にも成功したし、今後はいかに定期的に番組を上げて行くかになるな。
そろそろスタジオS&Bでも専門スタッフを雇うか、撮影自体を外注するかした方が良いだろうな。」
そうだよね、吉田もこの撮影で引退だし後任を探してみるよ。
「まだ吉田の後任決まってなかったのか?早い事頼むぞ、温泉大使は温泉に入ってなんぼなんだからな。」
お、おう。木村君の熱意は十分伝わったから。植村ディレクターにもその件は確りと伝えてあるから。
それじゃ、張り切って行きますか。吉田君、撮影よろしくお願いします。
「木村君、あのお店から良い匂いが漂って来ていませんか?お姉さん、これは一体どう言った食べ物なんです?」
「おや、お客さん牧之原温泉名物肉焼き饅頭を知らないのかい?これは中に挽き肉と菜っ葉の塩漬けの炒めものを詰めて押し焼きした饅頭さ。
寒い時期には腹持ちがいいってんで昔から親しまれてる食べ物さ。」
「それじゃ、三つください。はい、ありがとうございます。
ほい、木村君。スタッフさんは後でね~。いただきま~す。
はむ、ほむ、旨。塩漬けの菜っ葉が良いアクセントになって食欲をそそりますね~。」
焼き饅頭を半分に割って中の具を見せるのっぺり。湯気が立って本当に美味しそうだ。
「うむ、旨いな。俺はこういった腹にずっしり来る食べ物は大好きだ。店主、旨い物をありがとう。」
「あら嫌だ、こんなイケメンにお礼を言われるなんて。でも貴方たちどこかで見たことあるんだけど何でかしら?」
「あ、俺たちこれでもちょこちょこテレビに出てるんですよ。」
「あぁ、代表作は"いい旅、湯め気分"ですよ、マダム。」
「ああ~、みんな~、温泉王子一行が来てるわよ~!」
「「「あー、温泉王子だ~!」」」
わらわらと群がる円熟看板娘のお歴々、ある意味壮観。
しかし、木村君は覚悟が違う。満面の笑みで振り向くと、にこやかに手を振り声援に応えていた。
スタッフさん、注目がめっちゃ木村君に集中してるんですけど・・・。
"ポンッ"
無言で俺の肩に手を載せる吉田君。
君の優しさ、嬉しいけど辛いっす。(涙)
どうも、さすらいのポエマー、のっぺり佐々木です。
今回は待望の温泉探訪、東北地方冬の温泉街をぷらぷらします。
旅は道連れ世は情けねぇ、スタートです。"スパーン"
痛いよ、酷いよ、誰よ人の頭ひっぱたくのは。
後頭部を押さえ犯人を探すのっぺり。
「酷いのはどっちだ、何勝手に話を終わらそうとする。」
そこには携帯用張り扇を掲げた勇者が立っていた。
あぁ、ごめんごめん、本日は特別ゲストがございます。ご紹介致しましょう、スタジオS&B所属のモデル、第一回逃走王の称号保持者、木村英雄君で~す。
「どうも、流浪の露天風呂愛好家、木村英雄です。ここで個人的なお知らせ。私木村英雄は、この度湯の華温泉郷温泉大使に就任致しました。此れからもどんどん温泉の良さをピーアールしていきますので、よろしくお願いします。」
えっ?木村君遂に温泉大使になったんだ、スゲー。でも俺にはその話し来てないんだけど?そこのところどうなのさ~!
「ふん、日頃の言動と基本スペック(主に顔)の差だな。俺は温泉愛に溢れる温泉王子だからな。」(キラ~ン☆彡)
うっ、悔しいけど反論出来ない。良いもん、のっぺり佐々木は長いスパンで生き残るタレントなのさ、その内饅頭大使にでもなってやる!
じゃ、行くよ。東北、牧之原温泉郷のぶらぶら歩き旅、スタートです。
木村君とやいのやいの言い合いながら温泉街に消えて行くのっぺり佐々木、
「はいカット」、声を掛けたのは元映像研究会部長吉田誠であった。
吉田君、オープニングトーク今の感じでどう?
「良いんじゃないか?
のっぺりの番組はゆるさとドタバタが命だからな。収益化にも成功したし、今後はいかに定期的に番組を上げて行くかになるな。
そろそろスタジオS&Bでも専門スタッフを雇うか、撮影自体を外注するかした方が良いだろうな。」
そうだよね、吉田もこの撮影で引退だし後任を探してみるよ。
「まだ吉田の後任決まってなかったのか?早い事頼むぞ、温泉大使は温泉に入ってなんぼなんだからな。」
お、おう。木村君の熱意は十分伝わったから。植村ディレクターにもその件は確りと伝えてあるから。
それじゃ、張り切って行きますか。吉田君、撮影よろしくお願いします。
「木村君、あのお店から良い匂いが漂って来ていませんか?お姉さん、これは一体どう言った食べ物なんです?」
「おや、お客さん牧之原温泉名物肉焼き饅頭を知らないのかい?これは中に挽き肉と菜っ葉の塩漬けの炒めものを詰めて押し焼きした饅頭さ。
寒い時期には腹持ちがいいってんで昔から親しまれてる食べ物さ。」
「それじゃ、三つください。はい、ありがとうございます。
ほい、木村君。スタッフさんは後でね~。いただきま~す。
はむ、ほむ、旨。塩漬けの菜っ葉が良いアクセントになって食欲をそそりますね~。」
焼き饅頭を半分に割って中の具を見せるのっぺり。湯気が立って本当に美味しそうだ。
「うむ、旨いな。俺はこういった腹にずっしり来る食べ物は大好きだ。店主、旨い物をありがとう。」
「あら嫌だ、こんなイケメンにお礼を言われるなんて。でも貴方たちどこかで見たことあるんだけど何でかしら?」
「あ、俺たちこれでもちょこちょこテレビに出てるんですよ。」
「あぁ、代表作は"いい旅、湯め気分"ですよ、マダム。」
「ああ~、みんな~、温泉王子一行が来てるわよ~!」
「「「あー、温泉王子だ~!」」」
わらわらと群がる円熟看板娘のお歴々、ある意味壮観。
しかし、木村君は覚悟が違う。満面の笑みで振り向くと、にこやかに手を振り声援に応えていた。
スタッフさん、注目がめっちゃ木村君に集中してるんですけど・・・。
"ポンッ"
無言で俺の肩に手を載せる吉田君。
君の優しさ、嬉しいけど辛いっす。(涙)
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