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第二章 中二病には罹りません ー中学校ー
第290話 それぞれの道
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「ハイいいよ~、そこでポ~ズ、決まってるよ~。最後まで気を抜かないで~。」
”タンッ、タンッ、タンッ、タンッ”
「よかったわよ~、本番もその調子でお願いね~。」
「「「はい!」」」
俺たち元鬼ごっこ同好会桜町っ子部会、通称”チーム黒子”は秋のSin新作コレクションに向けて調整に励んでいた。
でもこのモデル業も随分続いたもんだよな~。はじめは康太君の無茶振りからだったが、今では俺の中での立派な一柱。他の連中もそれぞれ思う所があるだろう。
控室で着替えをしながら皆に聞いてみた、今後モデルの仕事をどうするのか。
「俺は続けて行くつもりだ。なんやかんやで勉強になる事が多いからな。最終的に母さんの会社に入る事になるとは思うが、それはずっと先の事。それまでに、一人の男として自身の地位を確立したい思いもある。」
木村君は私立桜泉学園高等部への進学が決まっている。学校の方針としてもこうした芸能活動は推奨されている。
「俺も高校三年間は続けたいと思っている。なんやかんや言って楽しいからな。そこから先はまだ未定だ。」
吉村はドラマで一緒に出演してからこっちの業界に興味を持ったみたいだ。アイツの彼女も映像研究会の子だし、そういう方面に理解があるのだろう。
「俺たちは今回のショーを最後に引退かな。高校では運動部で頑張ろうと思っている。」
そっか~、お前らは引退か。それぞれスポーツの全国大会常連校からスカウトが来てるんだっけ?野球にしろサッカーにしろバスケットにしろ、フィジィカル面なら負けないもんな。
あぁ~そうだよ、俺たち桜町っ子はぶっ倒れるまで走る、難しい事はそれから考えろが基本だもんな。体力馬鹿は動いてなんぼだよな。
遂に高校もバラバラ、チーム黒子も解散、寂しくなるけど生涯の別れって訳で無し、いつでも遊びに来てくれよな。
俺たちの最後のショー、存分に楽しもう!
「「「おう!」」」
(side:横田伸一)
「そうか、チーム黒子も解散か。卒業だもんな、仕方がない。もともとこちらが無理を言っていたんだ、それに既存のモデル迄鍛え直してくれて感謝の言葉しかないさ。
佐々木と木村、吉村の三人はまだモデルを続けるんだろ?それならこれからもお願いすると思う。今回のショー、頼んだからな。」
スマホを切りケトルのスイッチを入れる。
コーヒーはなぜかインスタントの方が好きだ。あのチープな感じが堪らない。
沸きたてのお湯を注ぎ入れると部屋いっぱいにコーヒーの香りが広がる。
そこにミルクと砂糖を加え、よくかき混ぜてから口を付ける。
鼻腔を抜ける香ばしさ、最近のインスタントは凄いな。
個人的にはもう少し安っぽい感じが好きなんだがと独り言ちる。
チーム黒子。彼らとの出会いは衝撃的であった。
元々がこちらの無茶振り、既存のモデルに我慢できなくなった俺が高木康太に頼み込んで一度限りの出演をお願いした素人集団。
それが蓋を開ければ国内トップモデルに引けを取らない見事なランウェイ。
化け物佐々木に隠れて見失われがちだが、彼ら一人一人がとんでもない存在だと言う事に気が付いているのだろうか?ファッション誌の記者に最初に衝撃を与えたのが自分たちだと言う事を分かっているのだろうか?
彼らの凄さはその一回では止まらない、こちらの懇願により行われたそれ以降のショーでもプロを圧倒する表現力を見せ、会場を沸かせ続けた。
残るもの、それぞれの道に進む者。
選択は様々、だが忘れないで欲しい、君たちの残した軌跡を。
チーム黒子の最後のランウェイ、最高の舞台に仕上げてやる。
俺はカップのコーヒーを飲み干し、残った仕事に取り掛かるのだった。
”タンッ、タンッ、タンッ、タンッ”
「よかったわよ~、本番もその調子でお願いね~。」
「「「はい!」」」
俺たち元鬼ごっこ同好会桜町っ子部会、通称”チーム黒子”は秋のSin新作コレクションに向けて調整に励んでいた。
でもこのモデル業も随分続いたもんだよな~。はじめは康太君の無茶振りからだったが、今では俺の中での立派な一柱。他の連中もそれぞれ思う所があるだろう。
控室で着替えをしながら皆に聞いてみた、今後モデルの仕事をどうするのか。
「俺は続けて行くつもりだ。なんやかんやで勉強になる事が多いからな。最終的に母さんの会社に入る事になるとは思うが、それはずっと先の事。それまでに、一人の男として自身の地位を確立したい思いもある。」
木村君は私立桜泉学園高等部への進学が決まっている。学校の方針としてもこうした芸能活動は推奨されている。
「俺も高校三年間は続けたいと思っている。なんやかんや言って楽しいからな。そこから先はまだ未定だ。」
吉村はドラマで一緒に出演してからこっちの業界に興味を持ったみたいだ。アイツの彼女も映像研究会の子だし、そういう方面に理解があるのだろう。
「俺たちは今回のショーを最後に引退かな。高校では運動部で頑張ろうと思っている。」
そっか~、お前らは引退か。それぞれスポーツの全国大会常連校からスカウトが来てるんだっけ?野球にしろサッカーにしろバスケットにしろ、フィジィカル面なら負けないもんな。
あぁ~そうだよ、俺たち桜町っ子はぶっ倒れるまで走る、難しい事はそれから考えろが基本だもんな。体力馬鹿は動いてなんぼだよな。
遂に高校もバラバラ、チーム黒子も解散、寂しくなるけど生涯の別れって訳で無し、いつでも遊びに来てくれよな。
俺たちの最後のショー、存分に楽しもう!
「「「おう!」」」
(side:横田伸一)
「そうか、チーム黒子も解散か。卒業だもんな、仕方がない。もともとこちらが無理を言っていたんだ、それに既存のモデル迄鍛え直してくれて感謝の言葉しかないさ。
佐々木と木村、吉村の三人はまだモデルを続けるんだろ?それならこれからもお願いすると思う。今回のショー、頼んだからな。」
スマホを切りケトルのスイッチを入れる。
コーヒーはなぜかインスタントの方が好きだ。あのチープな感じが堪らない。
沸きたてのお湯を注ぎ入れると部屋いっぱいにコーヒーの香りが広がる。
そこにミルクと砂糖を加え、よくかき混ぜてから口を付ける。
鼻腔を抜ける香ばしさ、最近のインスタントは凄いな。
個人的にはもう少し安っぽい感じが好きなんだがと独り言ちる。
チーム黒子。彼らとの出会いは衝撃的であった。
元々がこちらの無茶振り、既存のモデルに我慢できなくなった俺が高木康太に頼み込んで一度限りの出演をお願いした素人集団。
それが蓋を開ければ国内トップモデルに引けを取らない見事なランウェイ。
化け物佐々木に隠れて見失われがちだが、彼ら一人一人がとんでもない存在だと言う事に気が付いているのだろうか?ファッション誌の記者に最初に衝撃を与えたのが自分たちだと言う事を分かっているのだろうか?
彼らの凄さはその一回では止まらない、こちらの懇願により行われたそれ以降のショーでもプロを圧倒する表現力を見せ、会場を沸かせ続けた。
残るもの、それぞれの道に進む者。
選択は様々、だが忘れないで欲しい、君たちの残した軌跡を。
チーム黒子の最後のランウェイ、最高の舞台に仕上げてやる。
俺はカップのコーヒーを飲み干し、残った仕事に取り掛かるのだった。
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