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第二章 中二病には罹りません ー中学校ー
第289話 カップルさんの後始末
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衝撃の公開収録は更に二カップルのエピソードを披露して終了した。
観覧していた生徒、教職員共にぐったりしていたのは仕方の無い事であろう。
「のっぺり君、今日は楽しかったわ~♪また一緒に仕事しましょうね。」
突然のオファーにも拘らず、番組アシスタントを務めてくれた伊集院ミホちゃんには感謝である。笑顔で帰って行く彼女を見送りながら思う、彼女の暴走を抑えられるのは轟五郎さん、貴方だけです。
偉大な先輩芸能人に対する尊敬の念を更に深くしたのっぺり佐々木君なのでありました。
「佐々木君、今日はお疲れ様なのであります。今回もまたいい仕事をさせて頂いたのでありますよ~。バッチリ編集しますんで、放送を楽しみにして欲しいのであります。」
植松ディレクターもお疲れ様でした。ここから先はプロのお仕事、演者はただ待つのみです。
後の事はよろしくお願いします。
撤収して行く彼女達を見ながら"さて、一体どうなることやら。"と、どこか他人事の様に呟く俺なのでした。
あれから二週間が経った。
公開収録後の学校は本当に騒がしかった。各所で行われる熱い告白、そして起こる悲喜こもごも。お互いの気持ちを確かめ合う者、夢破れ涙する者。しかし皆が内に抱えた想いを吐き出す事で、自身に区切りをつける事が出来たのであろう。次第にソレは沈静化し、全体に落ち着きを取り戻す事となった。(賢者状態)
元凶であったバカップルどもはどうかと言えば、こちらも大観衆の面前での公開処刑が効いたのだろう、新婚当初から結婚二年目くらいの夫婦状態に移行。
過度に周囲を刺激する事も無くなっていった。
「皆さんおはようございます、席について下さい。朝のHRを始めます。
まずは出席です。」
佐藤先生はあれからすっかり落ち着きを取り戻した。やはりなんやかんや言ってもれっきとした教師、職業意識を取り戻してくれて本当に良かった。吉田との事は一時の熱病として整理が着いたのかも知れない。大人の女性は辛いよね、頑張って佐藤先生。
「ねぇ木村君。佐藤先生すっかり落ち着いたけど、吉田との事どうなったとかって何か聞いてる?」
「あぁ、それか。何でも佐藤先生が吉田に告白したらしいぞ、それで吉田から中学卒業するまで待って欲しいって言われたんだと。”一人の女性として真剣に向き合いたい”って言ったらしいぞ。」
前言撤回、佐藤先生、行っちゃったようです。これ前世なら完全な事案、教育委員会動いちゃいます。場合によっては警察も。
この世界だとグレーゾーン。少しでも相手(この場合男子生徒に限る)が不快に思ったり、危険を感じる様ならダンカン案件。(実刑)
逆に相手が歓迎すれば完全勝利。(社会倫理的にも問題なし)
デッドオアアライブの大博打、佐藤先生は栄光のチケットを掴み取ったようです。
でも吉田も凄いな、懐が広い。
(side:植松咲子)
「植松ディレクター、関東テレビの錦野社長からお電話です。例の番組の件だそうです。」
「了解であります、回線こちらに回してください。」
佐々木君の提案で企画制作を行った”カップルさん、いらっしゃ~い”は大反響を呼んだ。政府教育委員会からは”これはヤラセではないのか?男子生徒を貶めてはいないのか?”と言った問い合わせがあり、収録したVTRのコピーをすべて提出すると言った事態になった。男性保護観察局からは学生同士のカップル促進の資料にしたいとの要望で、こちらもVTRを提出する事となった。
今回の番組は全てスタジオS&Bの提供で行われ、番組使用権及び映像著作権はスタジオS&Bと我が社の共有となっている。その為政府機関がこれらの映像を使用する場合、両者に使用料が振り込まれる事となる。そう言った法的な事は法務部の仕事だが、その辺を細かく指示した佐々木君は抜け目がないというか本当に子供らしくない。
関東テレビでのスペシャル番組として放送された直後、放送局の電話回線はあまりの問い合わせの多さにパンク状態に陥り、ネット回線はサーバーダウンに陥る事態となった。
”どうすればあんな素敵な出会いがありますか?””彼氏を紹介して欲しい。”
分かりませんから、無理ですから。そんな事私に聞かないで欲しいのであります。
関東テレビからは続編の制作をせっつかれておりますが、あんな学校全国探しても無いのであります。いくら大手企業がスポンサーに名乗りを上げてるからって無理なものは無理なのであります。
鳴り止まぬ問い合わせに頭を痛めた私は一つの結論に達するのでありました。
”のっぺり佐々木に丸投げしよう。”
観覧していた生徒、教職員共にぐったりしていたのは仕方の無い事であろう。
「のっぺり君、今日は楽しかったわ~♪また一緒に仕事しましょうね。」
突然のオファーにも拘らず、番組アシスタントを務めてくれた伊集院ミホちゃんには感謝である。笑顔で帰って行く彼女を見送りながら思う、彼女の暴走を抑えられるのは轟五郎さん、貴方だけです。
偉大な先輩芸能人に対する尊敬の念を更に深くしたのっぺり佐々木君なのでありました。
「佐々木君、今日はお疲れ様なのであります。今回もまたいい仕事をさせて頂いたのでありますよ~。バッチリ編集しますんで、放送を楽しみにして欲しいのであります。」
植松ディレクターもお疲れ様でした。ここから先はプロのお仕事、演者はただ待つのみです。
後の事はよろしくお願いします。
撤収して行く彼女達を見ながら"さて、一体どうなることやら。"と、どこか他人事の様に呟く俺なのでした。
あれから二週間が経った。
公開収録後の学校は本当に騒がしかった。各所で行われる熱い告白、そして起こる悲喜こもごも。お互いの気持ちを確かめ合う者、夢破れ涙する者。しかし皆が内に抱えた想いを吐き出す事で、自身に区切りをつける事が出来たのであろう。次第にソレは沈静化し、全体に落ち着きを取り戻す事となった。(賢者状態)
元凶であったバカップルどもはどうかと言えば、こちらも大観衆の面前での公開処刑が効いたのだろう、新婚当初から結婚二年目くらいの夫婦状態に移行。
過度に周囲を刺激する事も無くなっていった。
「皆さんおはようございます、席について下さい。朝のHRを始めます。
まずは出席です。」
佐藤先生はあれからすっかり落ち着きを取り戻した。やはりなんやかんや言ってもれっきとした教師、職業意識を取り戻してくれて本当に良かった。吉田との事は一時の熱病として整理が着いたのかも知れない。大人の女性は辛いよね、頑張って佐藤先生。
「ねぇ木村君。佐藤先生すっかり落ち着いたけど、吉田との事どうなったとかって何か聞いてる?」
「あぁ、それか。何でも佐藤先生が吉田に告白したらしいぞ、それで吉田から中学卒業するまで待って欲しいって言われたんだと。”一人の女性として真剣に向き合いたい”って言ったらしいぞ。」
前言撤回、佐藤先生、行っちゃったようです。これ前世なら完全な事案、教育委員会動いちゃいます。場合によっては警察も。
この世界だとグレーゾーン。少しでも相手(この場合男子生徒に限る)が不快に思ったり、危険を感じる様ならダンカン案件。(実刑)
逆に相手が歓迎すれば完全勝利。(社会倫理的にも問題なし)
デッドオアアライブの大博打、佐藤先生は栄光のチケットを掴み取ったようです。
でも吉田も凄いな、懐が広い。
(side:植松咲子)
「植松ディレクター、関東テレビの錦野社長からお電話です。例の番組の件だそうです。」
「了解であります、回線こちらに回してください。」
佐々木君の提案で企画制作を行った”カップルさん、いらっしゃ~い”は大反響を呼んだ。政府教育委員会からは”これはヤラセではないのか?男子生徒を貶めてはいないのか?”と言った問い合わせがあり、収録したVTRのコピーをすべて提出すると言った事態になった。男性保護観察局からは学生同士のカップル促進の資料にしたいとの要望で、こちらもVTRを提出する事となった。
今回の番組は全てスタジオS&Bの提供で行われ、番組使用権及び映像著作権はスタジオS&Bと我が社の共有となっている。その為政府機関がこれらの映像を使用する場合、両者に使用料が振り込まれる事となる。そう言った法的な事は法務部の仕事だが、その辺を細かく指示した佐々木君は抜け目がないというか本当に子供らしくない。
関東テレビでのスペシャル番組として放送された直後、放送局の電話回線はあまりの問い合わせの多さにパンク状態に陥り、ネット回線はサーバーダウンに陥る事態となった。
”どうすればあんな素敵な出会いがありますか?””彼氏を紹介して欲しい。”
分かりませんから、無理ですから。そんな事私に聞かないで欲しいのであります。
関東テレビからは続編の制作をせっつかれておりますが、あんな学校全国探しても無いのであります。いくら大手企業がスポンサーに名乗りを上げてるからって無理なものは無理なのであります。
鳴り止まぬ問い合わせに頭を痛めた私は一つの結論に達するのでありました。
”のっぺり佐々木に丸投げしよう。”
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