男女比世界は大変らしい。（ただしイケメンに限る）

第二章 中二病には罹りません ー中学校ー

第281話 学校見学に行こう

もしもし、吉川さんですか？お世話になってます、佐久間中学の佐々木です。先だってはわざわざ自宅迄お越し頂きましてありがとうございました。はい、その話です。えぇ、はい、その条件でしたら。はい、それで高等部のパンフレットの件なんですけど、えぇ、問題になると思うんですよね。でも載せない訳にはいかないでしょうし。それこそそんな話は聴いてないって大問題になりますよ。ですんでプロフィールで鬼ごっこ同好会の佐々木であることや、第一回第二回逃走王に輝いたモデルのSakiであることを確りと明記するんです。
確か高等部はスポーツ推薦クラス込みで七クラスでしたよね、仮にそのままの状態で俺をスポーツクラスに振り分けたら不満爆発じゃないですか？折角見つけた才能を潰すのは勿体無いですよ。そこで提案なんですけど、基本のっぺり君はGクラス固定で、月に二回だけSaki様Dayを作るってのはどうでしょう？参加者をGクラス限定にすれば大分不満も薄まるかと。えぇ、佐久間中学でやってる奴です。俺も仕事が入った場合はそちらが優先になるんで全部に付き合える訳では無いんですが。後はその都度修正して行くしか無いんじゃないですか？
スポーツ推薦クラスは初日にかましてやれば大分大人しくなるかと。はい、その協力は陸上部に頼めば、えぇ、何か話題になったみたいですし。彼女達も協力してくれると思いますよ。
成績が上がればクラス替えってのは変わらないんですから。夏の大会次第じゃないですか？そこで変に成績が振るわないようならSaki抜きにするって事で、はい、そう言う感じで良いかと。
ではパンフレット撮影会で、当日は吉川さんの名前を出しますのでよくよく話を通しておいて下さいね。正門で捕縛なんて嫌ですから。
はい、よろしくお願いします。

｢Saki様、お茶でございます。｣
ノエル、丁度欲しかったんだ、ありがとう。
｢高校進学のお話しでしょうか？｣
あぁ、以前うちに来た桜泉学園の吉川さん。高等部のスカウトの話しがあったからその話し受けようと思って。あそこはもともと男子生徒の派遣事業もやってたから芸能活動にも寛容だし、洋一君や皇先輩、横田先輩も上手くやってるみたいだから問題ないかなって思ってね。
外部進学生徒の退学問題があるみたいだけど、正直どうでもいいかな？直接俺には関係ないし。
他の学校も調べて見たんだけど今一パッとしなかったからさ。

俺はお茶を飲み干し席を立つ。問題の外部進学生徒、どんな連中がいるのかね～。


時は過ぎて撮影会当日、事前に吉川さんが用意してくれた真新しい高等部の制服に袖を通し、ノエルの出してくれた朝食を口にする。
｢Saki様、お付きの者はいかが致しましょうか？｣
桜泉学園高等部なら以前行った事があるし、付けなくても問題はないかな。お付きと言えば葛の葉は増山のおっちゃんの所で上手くやってる？

｢はい、仕事に必要なノウハウを教わったと言って喜んでおりました。彼女は新しい事を学ぶ機会に余り恵まれておりませんでしたから、今の状況が楽しくて仕方がないのでしょう。
しばらくは好きにさせてあげてはいかがでしょうか？｣
そうだね、何か何でも出来そうな雰囲気があるけど、人から学ぶって言うのもまた違った発見があっていいのかもしれないしね。
何かあればすぐに言って、出来る限り対応するから。
｢畏まりました。彼女は幸せ者でございます。｣
そんなに大層な事じゃないし、大層な事も出来ないよ。
じゃあ行って来るね。

｢お気を付けて行ってらっしゃいませ。｣

深々とお辞儀をするノエルを後に、桜泉学園高等部へと向かう佐々木君なのでありました。