男女比世界は大変らしい。(ただしイケメンに限る)

@aozora

文字の大きさ
上 下
256 / 525
第二章 中二病には罹りません ー中学校ー

第254話 大人の事情

しおりを挟む
「皆様おはようございます。本日もよろしくお願いします。」
俺は教室に入り朝の挨拶をする。
一限目は現国か、確か宿題はなかったはずだけど。
机から教科書とノートを出し、念の為に復習をすることにする。

「ねぇ、佐々木君、何かあった?なんか今朝からおかしいわよ?」
「あ、絵実か、おはよう。うん、まぁ、あったと言えばあったんだけど。う~ん、こればかりはどうしたもんでもない問題なんだよね。」

「佐々木に野口、おはよう。」

「おはよう木村君。昨日はなんか悪かったね、俺も突然の話がダブルパンチでさ、木村君にはちゃんと伝えとかないとと思って。」

「いや、この件に関してはお前に非はない、というかむしろ被害者だろうが。しかし大人の事情って奴だと思うが、心底面倒くさいな。」

「ハハハハ、まったく笑えない話だけどね。俺の方はなんか冷めちゃったって言うか、どうでも良くなっちゃったんだよね。最初の意地は通したし、後はお好きにどうぞって感じ。植松さんも今回の件は相当だったみたい。以前から制作会社からヘッドハンティングの話があったらしくって、そっちに移るって言ってた。木村君には本当に申し訳ないって言ってたよ。」

「まぁ、植松さんが悪い訳ではないからな、残念ではあるが致し方がない事だ。」

「あれだったらウチの事務所でヨウツーベのチャンネル作ってそこで続きする?題名とかは変わっちゃうけど、植松さんに相談すれば上手いこと仕切ってくれそうだし。」

「そうだな、ヨウツーベにはそういったチャンネルもあると聞く。別にテレビに拘る事でもないかもな。それに他局で似たような企画に参加するってのもありだしな。」

”ツンツン”
ん?どうした絵実ちゃん。裾をクイクイ引っ張って。上目遣いってなんか仕草がかわいいんですけど、もしかしてDVDで学習しちゃったのかな?

「ねぇ、佐々木君。さっきから全く話が見えないんだけど。一人置いてきぼりって寂しいんだぞ?」

”ごふっ”
何このかわいい生き物、破壊力半端ないんだけど。目を潤ませるな目を!
木村、横でニヤニヤするな!

「あ、あぁ。ごめんねちゃんと説明するから、そのウルウル攻撃止めて。マジ罪悪感半端ないから。ちゃんと始めから説明するから。」

絵実ちゃん成長著しいわ~、小悪魔要素取り込むって駄菓子屋のおばちゃんDVDでいったい何を語ってるんだか。

事の始まりは一本の電話からだった。相手はいつもお世話になっている中央都テレビの植松ディレクター、話の内容は深夜番組”いい旅、湯め気分♨”の打ち切りと言うものだった。
「はぁ?いやいやいや、あの番組スポンサーが増えたって言ってたじゃないですか。視聴率も深夜の時間帯にしてはびっくりするほど上がってるって、いずれゴールデン進出?って冗談言ってるくらい順調だったはずなんですけど?」

「ハハハハ、これはお手厳しい、まぁその通りなんですけどね。のっぺり氏ですからぶっちゃけますが、局内の政治って奴です、はい。私植松が深夜番組の制作に飛ばされた経緯はすでにお話ししたと思います。編成局長との確執、まぁ、その事自体は私のこの性格ではいずれ起こっていた事態ですので問題ないのですが、”いい旅、湯め気分♨”の人気が出ちゃった事が問題でして。閑職に送った人間が結果を出してしまっている、それもとびっきりの、上の人間としては面白くない訳ですよ、はい。
しかもその相手が前回佐々木君たちが”踊り奴”を披露した編成局長だったりするんですなこれが。彼女、あれから何度も”踊り奴”を出せって言いまくるんですよね、番組見れば一発で分かるのに、馬鹿ですな~。
結果、編成会議で番組の打ち切りが決まったと言う訳です。のっぺり氏と木村氏、スタジオS&B様には多大なご迷惑を掛け、本当に申し訳ないであります。」

うわ~、大人ってガキじゃん。編成局長ってあの時のおばさんだよね、いい歳こいて何してくれてんの、阿保くさ。

「それでですね、のっぺり氏にはもう一つ碌でもないお知らせがございまして。」

はぁ~、もう結構お腹いっぱいなんですが、これ以上の碌でもない話って何ですか?

「第三回逃走王決定戦、現逃走王”Saki”は出場出来ません。」

・・・・はぁ~~~~~~~~~~!?
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜

水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。 その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。 危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。 彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。 初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。 そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。 警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。 これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

ゲート0 -zero- 自衛隊 銀座にて、斯く戦えり

柳内たくみ
ファンタジー
20XX年、うだるような暑さの8月某日―― 東京・銀座四丁目交差点中央に、突如巨大な『門(ゲート)』が現れた。 中からなだれ込んできたのは、見目醜悪な怪異の群れ、そして剣や弓を携えた謎の軍勢。 彼らは何の躊躇いもなく、奇声と雄叫びを上げながら、そこで戸惑う人々を殺戮しはじめる。 無慈悲で凄惨な殺戮劇によって、瞬く間に血の海と化した銀座。 政府も警察もマスコミも、誰もがこの状況になすすべもなく混乱するばかりだった。 「皇居だ! 皇居に逃げるんだ!」 ただ、一人を除いて―― これは、たまたま現場に居合わせたオタク自衛官が、 たまたま人々を救い出し、たまたま英雄になっちゃうまでを描いた、7日間の壮絶な物語。

俺が異世界帰りだと会社の後輩にバレた後の話

猫野 ジム
ファンタジー
会社員(25歳・男)は異世界帰り。現代に帰って来ても魔法が使えるままだった。 バレないようにこっそり使っていたけど、後輩の女性社員にバレてしまった。なぜなら彼女も異世界から帰って来ていて、魔法が使われたことを察知できるから。 『異世界帰り』という共通点があることが分かった二人は後輩からの誘いで仕事終わりに食事をすることに。職場以外で会うのは初めてだった。果たしてどうなるのか? ※ダンジョンやバトルは無く、現代ラブコメに少しだけファンタジー要素が入った作品です ※カクヨム・小説家になろうでも公開しています

処理中です...