243 / 525
第二章 中二病には罹りません ー中学校ー
第241話 いい旅、湯め気分♨️2 (3)
しおりを挟む
「着いたぞ~!老舗だ~。」
"スパーン"
両手を上げ感動を全身で表現するのっぺりに容赦のない張り扇。
「喧しい、ここまでどれだけ寄り道するんだお前は、高木の奴がグッタリしてしまったじゃないか。」
"アハハハ"と乾いた笑いを浮かべる康太君、その様を見て"疲れた表情のイケメン、イイ"と呟くマネージャーさん。
この世界の女性は業が深い。
「だって~、伊集院ミホちゃん大人気なんだもん。地元のみんなに愛される大女優、お茶の間の皆さんに届けたいじゃん。」
「大女優だなんて、のっぺりは口が上手いね~♪温泉饅頭をお食べ。」
「あざ~っす。」
この二人、完全にパシリと先輩状態。
のっぺりの下っ端根性全開である。
「いらっしゃいませお客様。ご予約の方はございましたでしょうか?
あら?ミホちゃんじゃない!?
あなた帰ってきたの?
って言うか帰って来て大丈夫なの?あなた今もの凄く忙しいんじゃなかった?」
「たっだいま~!我が家よ、私は帰って来た。」
両手を上げ高らかに宣言する伊集院。突っ込みたいのを必死に堪える木村君&康太君。
「この子たちテレビの収録なんだけど、問題無いよね?」
「え、えぇ、あなたの紹介なら嫌はないけど、って"のっぺり"?
もしかして"いい旅、湯め気分♨️"の御一行様でいらっしゃいますか?」
「「「はい、Let's go 湯め気分。」」」
「みんな~!のっぺりが来たわよ~。イケメンも一緒よ~!」
「「あー、本当にのっぺりだー。イケメンが二人に増えてる~!」」
わらわら集まる仲居さんズ、何ともカオスな状態。
「ハイハイみんな落ち着いて、彼がのっぺりならこの後の展開は分かるわね。男性露天風呂の利用状況は?」
「はい、只今利用者はおりません。何時でも行けます。」
「では改めまして、箱崎温泉郷白滝旅館へようこそ。女将を務めさせて頂いております、伊集院蕾と申します。
ごゆるりとご滞在下さい。」
「「「いらっしゃいませ。」」」
「「「ポカ~ン」」」
怒涛の展開にお口あんぐりのイケメンズと植松さんなのでした。
"ザバ~ッ"
「「「あ~、極楽だ~。」」」
湯め気分♨️名物、露天風呂。映像はお見せ出来ません。
「どうよ康太君、露天風呂最高でしょ?」
「確かにこれはいいかも。初めて入ったけど、癖になるね。」
「だろう、俺は失われつつあるこの文化を何とか後世に伝えたい。これからも番組を通じて露天風呂の良さを広めて行くつもりだ。」
木村君は立ち上がり拳を握り締める。目指すは旅館業組合公認温泉大使、頑張れ木村君。
それにしても二人とも凄い身体付きだね。僕もそんなにひょろひょろじゃない方だけど、二人には敵わないよ。
全身イケメン木村英雄、肉体イケメンのっぺり佐々木。
女性垂涎の芸術品である。
"ジョロジョロジョロ、カコンッ"
露天風呂の時間はゆっくり流れるのであった。
「いや~、イイ露天風呂だったわ~。」
宿の浴衣に袖を通し、連れ立って歩く(肉体が)イイ男達。今時の男性にはあり得ない発言に、旅館関係者もニッコリである。
「ちょっと、あなた達、男娼が呼べないってどう言う事よ、ここは老舗旅館なんでしょ、何とかしなさいよ!」
"ブフォ"
行き成り耳に飛び込んで来たパワーワードに吹き出す佐々木。
"男娼!?男娼ってあれだよね、この国でそれってアリなの!?
いやいやいや、完全にダンカン案件じゃん、ヤバいなんてもんじゃないじゃん!"
蘇る前世の知識に大混乱、そこに救いの手を差し伸べてくれたのは康太君であった。
「えっ、箱崎温泉郷って男娼さんがいるんだ。僕男娼さんって古都の固有文化だと思ってた。」
聞くは一瞬の恥、佐々木は康太君に男娼について聞いて見る事にした。
聞けば納得であった。要は芸者さんの男性版、古い時代にはそれこそ"男娼"と同じくした事もあったそうだが、現代では完全に芸者さん。舞妓さんの男性版、踊り奴と言うものも有るらしい。
「ごめんね、何か騒がしくて。」
そこには仲居さんの格好をした伊集院ミホさんが立っていた。
「えっ、ミホちゃんなんで仲居さんやってるの?」
「私ここの娘でしょ?家に帰ったら必ず手伝いをするって決めてるのよ~。
それよりごめんね、あのお客さん大手芸能事務所のお偉方なんだけど、なんでもテレビ局のお偉方を接待しようとしてたらしくてね。
この温泉郷でも組合の旦那衆がイベントの時とかに男娼さんの格好をする事があるけど、流石に本物はいないわよ~。無茶振りもいいところよね~。」
心底困った顔のミホちゃん。
立派な旅館の娘さんの顔である。
ふむ。
顔を見合わせるチーム行き当たりばったり。
「ミホちゃん、それってお酒の接待とか無しですよね?」
「え、えぇ、それはそうだけど、えぇ!?」
サムズアップを決める三人の男達。
今宵の舞台は決まった。
"スパーン"
両手を上げ感動を全身で表現するのっぺりに容赦のない張り扇。
「喧しい、ここまでどれだけ寄り道するんだお前は、高木の奴がグッタリしてしまったじゃないか。」
"アハハハ"と乾いた笑いを浮かべる康太君、その様を見て"疲れた表情のイケメン、イイ"と呟くマネージャーさん。
この世界の女性は業が深い。
「だって~、伊集院ミホちゃん大人気なんだもん。地元のみんなに愛される大女優、お茶の間の皆さんに届けたいじゃん。」
「大女優だなんて、のっぺりは口が上手いね~♪温泉饅頭をお食べ。」
「あざ~っす。」
この二人、完全にパシリと先輩状態。
のっぺりの下っ端根性全開である。
「いらっしゃいませお客様。ご予約の方はございましたでしょうか?
あら?ミホちゃんじゃない!?
あなた帰ってきたの?
って言うか帰って来て大丈夫なの?あなた今もの凄く忙しいんじゃなかった?」
「たっだいま~!我が家よ、私は帰って来た。」
両手を上げ高らかに宣言する伊集院。突っ込みたいのを必死に堪える木村君&康太君。
「この子たちテレビの収録なんだけど、問題無いよね?」
「え、えぇ、あなたの紹介なら嫌はないけど、って"のっぺり"?
もしかして"いい旅、湯め気分♨️"の御一行様でいらっしゃいますか?」
「「「はい、Let's go 湯め気分。」」」
「みんな~!のっぺりが来たわよ~。イケメンも一緒よ~!」
「「あー、本当にのっぺりだー。イケメンが二人に増えてる~!」」
わらわら集まる仲居さんズ、何ともカオスな状態。
「ハイハイみんな落ち着いて、彼がのっぺりならこの後の展開は分かるわね。男性露天風呂の利用状況は?」
「はい、只今利用者はおりません。何時でも行けます。」
「では改めまして、箱崎温泉郷白滝旅館へようこそ。女将を務めさせて頂いております、伊集院蕾と申します。
ごゆるりとご滞在下さい。」
「「「いらっしゃいませ。」」」
「「「ポカ~ン」」」
怒涛の展開にお口あんぐりのイケメンズと植松さんなのでした。
"ザバ~ッ"
「「「あ~、極楽だ~。」」」
湯め気分♨️名物、露天風呂。映像はお見せ出来ません。
「どうよ康太君、露天風呂最高でしょ?」
「確かにこれはいいかも。初めて入ったけど、癖になるね。」
「だろう、俺は失われつつあるこの文化を何とか後世に伝えたい。これからも番組を通じて露天風呂の良さを広めて行くつもりだ。」
木村君は立ち上がり拳を握り締める。目指すは旅館業組合公認温泉大使、頑張れ木村君。
それにしても二人とも凄い身体付きだね。僕もそんなにひょろひょろじゃない方だけど、二人には敵わないよ。
全身イケメン木村英雄、肉体イケメンのっぺり佐々木。
女性垂涎の芸術品である。
"ジョロジョロジョロ、カコンッ"
露天風呂の時間はゆっくり流れるのであった。
「いや~、イイ露天風呂だったわ~。」
宿の浴衣に袖を通し、連れ立って歩く(肉体が)イイ男達。今時の男性にはあり得ない発言に、旅館関係者もニッコリである。
「ちょっと、あなた達、男娼が呼べないってどう言う事よ、ここは老舗旅館なんでしょ、何とかしなさいよ!」
"ブフォ"
行き成り耳に飛び込んで来たパワーワードに吹き出す佐々木。
"男娼!?男娼ってあれだよね、この国でそれってアリなの!?
いやいやいや、完全にダンカン案件じゃん、ヤバいなんてもんじゃないじゃん!"
蘇る前世の知識に大混乱、そこに救いの手を差し伸べてくれたのは康太君であった。
「えっ、箱崎温泉郷って男娼さんがいるんだ。僕男娼さんって古都の固有文化だと思ってた。」
聞くは一瞬の恥、佐々木は康太君に男娼について聞いて見る事にした。
聞けば納得であった。要は芸者さんの男性版、古い時代にはそれこそ"男娼"と同じくした事もあったそうだが、現代では完全に芸者さん。舞妓さんの男性版、踊り奴と言うものも有るらしい。
「ごめんね、何か騒がしくて。」
そこには仲居さんの格好をした伊集院ミホさんが立っていた。
「えっ、ミホちゃんなんで仲居さんやってるの?」
「私ここの娘でしょ?家に帰ったら必ず手伝いをするって決めてるのよ~。
それよりごめんね、あのお客さん大手芸能事務所のお偉方なんだけど、なんでもテレビ局のお偉方を接待しようとしてたらしくてね。
この温泉郷でも組合の旦那衆がイベントの時とかに男娼さんの格好をする事があるけど、流石に本物はいないわよ~。無茶振りもいいところよね~。」
心底困った顔のミホちゃん。
立派な旅館の娘さんの顔である。
ふむ。
顔を見合わせるチーム行き当たりばったり。
「ミホちゃん、それってお酒の接待とか無しですよね?」
「え、えぇ、それはそうだけど、えぇ!?」
サムズアップを決める三人の男達。
今宵の舞台は決まった。
0
お気に入りに追加
50
あなたにおすすめの小説
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
男女比の狂った世界で愛を振りまく
キョウキョウ
恋愛
男女比が1:10という、男性の数が少ない世界に転生した主人公の七沢直人(ななさわなおと)。
その世界の男性は無気力な人が多くて、異性その恋愛にも消極的。逆に、女性たちは恋愛に飢え続けていた。どうにかして男性と仲良くなりたい。イチャイチャしたい。
直人は他の男性たちと違って、欲求を強く感じていた。女性とイチャイチャしたいし、楽しく過ごしたい。
生まれた瞬間から愛され続けてきた七沢直人は、その愛を周りの女性に返そうと思った。
デートしたり、手料理を振る舞ったり、一緒に趣味を楽しんだりする。その他にも、色々と。
本作品は、男女比の異なる世界の女性たちと積極的に触れ合っていく様子を描く物語です。
※カクヨムにも掲載中の作品です。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは
竹井ゴールド
ライト文芸
日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。
その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。
青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。
その後がよろしくない。
青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。
妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。
長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。
次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。
三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。
四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。
この5人とも青夜は家族となり、
・・・何これ? 少し想定外なんだけど。
【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】
【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】
【2023/6/5、お気に入り数2130突破】
【アルファポリスのみの投稿です】
【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】
【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】
【未完】
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
僕が美少女になったせいで幼馴染が百合に目覚めた
楠富 つかさ
恋愛
ある朝、目覚めたら女の子になっていた主人公と主人公に恋をしていたが、女の子になって主人公を見て百合に目覚めたヒロインのドタバタした日常。
この作品はハーメルン様でも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる