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第二章 中二病には罹りません ー中学校ー
第228話 咲夜、逝きます
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”バンッグルン、スタッ”
「はいそこ、動き止めない!殺陣は流れが命、個々の動きも大事だけど全体を一つの生き物として捉えないと、魅せる殺陣は完成された物語なんだよ!」
「横田先輩、イメージは固まりましたか?」
「かなり激しい動きがあるからそれを邪魔せずより大きく見せる衣装が必要って事だな、会場の広さは把握している、期限はギリギリになってしまうが何とかなりそうだ。
お前らにはずいぶん世話になってるからな、ウチのスタッフも乗り気だ、任せておけ。」
咲夜の歌謡歌合戦出場。これは本当にギリギリのスケジュールで依頼が来た。本人の衣装もそうだが、バックダンサーすら決まってない状態。
暗に”何も期待してないから、ちょこっと歌って帰ってくれればいいよ。”と言われてる様なもの。
しかも"hiroshi"出番の後。大混乱の会場、全く話を聞かない観客、雪崩れ込んで来る女性演者たち。
その中でどんなパフォーマンスを魅せるか。
今回咲夜が歌う曲は大ヒット学園ドラマ「学園探偵ゼット・あぶない二人」エンディングテーマ、「街を切り裂いて」。
そこで俺はドラマ監督に連絡、咲夜の曲に合わせるバックダンスに支配者をイメージさせるものを取り入れても良いか確認を取った。返事はぜひやってくれとの事。ただし、直接の顔見世はNG。
仮面は本番仕様のものを提供してくれることになった。何個でもあるから気にするなって何個作ったんだアンタら。
バックダンサーには佐久間中学鬼ごっこ同好会の面々に協力を依頼、ただし俺たちダンスした事ないんですよね。あるのはスタミナと身体能力のみ。
悩んだ末再び監督に連絡、殺陣師さんを紹介してもらいました。それが先ほどから指導をしてくださっている田村涼子先生。
田村先生、ラッキーな事に元ダンサー。殺陣とダンスの融合に非常に興味を示してくれ、全体を一つの流れでとらえる殺陣《バックダンス》を考えてくれました。
衣装はプライベートブランド”Sin”が全面協力、お針子さん方が絶対に間に合わせると息巻いているそうです。横田先輩には感謝しかありません。
「のっぺり、無理させてごめん。」
珍しく項垂れた表情の月子さん。
「何言ってるんですか、”のっぺり、任せた”って言ったの月子さんじゃないですか。だったら最後まで任せて下さいよ。
月子さんをこっちの世界に引きずり込んだのは俺なんですから、責任は取りますって。」
目を見合わせ胸を張って答える俺。ここで弱気な姿は見せられない。
「うん、のっぺりは出来る男。お礼に何かあった時は私が養ってあげよう。」
自信満々に胸を張る月子さん。うん、彼女はこうでなくてはいけない。
「では全国に見せつけてあげようじゃないですか、この世界には”咲夜がいる”ってところをね。」
俺と月子さんは互いの拳を打ち付ける。
絶対に成功させるという決意を込めて。
「はいそこ、動き止めない!殺陣は流れが命、個々の動きも大事だけど全体を一つの生き物として捉えないと、魅せる殺陣は完成された物語なんだよ!」
「横田先輩、イメージは固まりましたか?」
「かなり激しい動きがあるからそれを邪魔せずより大きく見せる衣装が必要って事だな、会場の広さは把握している、期限はギリギリになってしまうが何とかなりそうだ。
お前らにはずいぶん世話になってるからな、ウチのスタッフも乗り気だ、任せておけ。」
咲夜の歌謡歌合戦出場。これは本当にギリギリのスケジュールで依頼が来た。本人の衣装もそうだが、バックダンサーすら決まってない状態。
暗に”何も期待してないから、ちょこっと歌って帰ってくれればいいよ。”と言われてる様なもの。
しかも"hiroshi"出番の後。大混乱の会場、全く話を聞かない観客、雪崩れ込んで来る女性演者たち。
その中でどんなパフォーマンスを魅せるか。
今回咲夜が歌う曲は大ヒット学園ドラマ「学園探偵ゼット・あぶない二人」エンディングテーマ、「街を切り裂いて」。
そこで俺はドラマ監督に連絡、咲夜の曲に合わせるバックダンスに支配者をイメージさせるものを取り入れても良いか確認を取った。返事はぜひやってくれとの事。ただし、直接の顔見世はNG。
仮面は本番仕様のものを提供してくれることになった。何個でもあるから気にするなって何個作ったんだアンタら。
バックダンサーには佐久間中学鬼ごっこ同好会の面々に協力を依頼、ただし俺たちダンスした事ないんですよね。あるのはスタミナと身体能力のみ。
悩んだ末再び監督に連絡、殺陣師さんを紹介してもらいました。それが先ほどから指導をしてくださっている田村涼子先生。
田村先生、ラッキーな事に元ダンサー。殺陣とダンスの融合に非常に興味を示してくれ、全体を一つの流れでとらえる殺陣《バックダンス》を考えてくれました。
衣装はプライベートブランド”Sin”が全面協力、お針子さん方が絶対に間に合わせると息巻いているそうです。横田先輩には感謝しかありません。
「のっぺり、無理させてごめん。」
珍しく項垂れた表情の月子さん。
「何言ってるんですか、”のっぺり、任せた”って言ったの月子さんじゃないですか。だったら最後まで任せて下さいよ。
月子さんをこっちの世界に引きずり込んだのは俺なんですから、責任は取りますって。」
目を見合わせ胸を張って答える俺。ここで弱気な姿は見せられない。
「うん、のっぺりは出来る男。お礼に何かあった時は私が養ってあげよう。」
自信満々に胸を張る月子さん。うん、彼女はこうでなくてはいけない。
「では全国に見せつけてあげようじゃないですか、この世界には”咲夜がいる”ってところをね。」
俺と月子さんは互いの拳を打ち付ける。
絶対に成功させるという決意を込めて。
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