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第二章 中二病には罹りません ー中学校ー
第212話 第二回逃走王決定戦・地方予選
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全員集合~。ストレッチをしながら聞いてくれ。
まずは部員全員の選考会突破おめでとう。まぁ、これは普段の練習そのままだし?落ちろって方が難しいわな。
大体あれって今じゃSaki様追っかけ女子も余裕でクリアする内容だしね、野獣の欲望が半端ないとも言うが。
そんで地方予選だが、こちらの要望が通った。
地方予選で一つのブロックを鬼ごっこ同好会が独占しちゃいますが宜しいのですか?と言ったら、テレビ局側めっちゃ慌ててた。
選考会で相手方の鬼達を十周も先行したのが効いたな、お前達の業績は社内会議で相当に揉めたとディレクターの植松さんがぼやいてたぞ。本当に良くやった。
結果、鬼ごっこ同好会は東北ブロック、北関東ブロック、南関東ブロック、中部ブロックの四ブロックに別れて出場する事となった。
各ブロック四名づつに別れる形になるが、会場までの送迎はスタジオS&Bのスタッフが責任を持って行うから、安心して欲しい。
これは内部情報だが、各会場にオリンピック候補選手が一人づつ紛れているらしい。
気を引き締めて事に当たる様に。
これから予選会当日までは、各自自主トレとする。トレーニングのやり過ぎには十分注意する事。
己を信じろ、本選で会おう。
「「「おう!」」」
俺は北関東ブロックか、今から楽しみだ。
予選会当日、天気は晴れ。
絶好の鬼ごっこ日和だ。
「九条さん、本日はどうぞ宜しくお願いします。でもすみません、本業の警備以外の仕事をさせちゃって。これって完全に子供の御守ですもんね。」
九条さんは苦笑いをして顔を横に振る。
「そんなことはない、要人の送迎は十分な仕事の範疇、男子生徒の送迎ならなおさらだ。それに若には十分世話になっている、これくらい気にしないで言って欲しい。」
この人たちは本当に謙虚だ。増山のおっちゃん達がスタジオS&Bに入った後、何人か紹介で入社したけどみんなすごく謙虚で態度がいい。見た目は迫力と言うかオーラが違うって感じの人達なのに、とても丁寧で感じが良いのだ。
一度会社が倒産して路頭に迷ったからこそなのかもしれないけど、良い出会いに乾杯だ。
そんな彼らを労いたいと何度か我が家でのホームパーティーに誘うのだが、皆首をすごい勢いで横に振って”そんな、我々では敷居が高すぎます。我々の代表である増山がお伺いしますので何卒ご勘弁を”って遠慮されちゃうんだよね。
ウチなんて御大層なお屋敷でもないんだから、もっと気軽にいらしてくださいね。
何故か隣で口元を引きつらせる九条さん。今日の運転よろしくお願いします。
「あ、あぁ、任せておけ。労いは良いからな、振りじゃないからな!」
仕事とプライベートを分ける人、プロフェッショナルだな~。
よし、北関東ブロック予選会場到着、吉村君、林に吉田、車酔いとか大丈夫か?
「問題ないっす部長。それよりなんかワクワクしちゃって、オリンピック候補選手ですよね、たまんないっすね。」
あぁ、彼女たちは良いぞ~、その気迫、ヒリつくスリル、一級品ならではだ。
存分に楽しめ!
「「「おう!」」」
さて控室に見知った顔はいるのかなっと、「あれ、お前吉田じゃないか?」ん?
「おう、北山久しぶり、卒業以来?お前って確か中央都の私立に行ったんじゃなかったっけ?」
「あぁ、そこで久世先輩と再会してな。お前らヨウツーベで鬼ごっこ同好会やってるだろう?ウチでもあれ話題になってて、久世先輩が逃走部を作って活動してたんだ。
俺もそこに入ったんで今日は部活の一環で参加したって訳。
お前ら佐々木先輩とかと一緒じゃないのって吉村先輩じゃないですか、お久しぶりです。すっかり男前になっちゃって、分らなかったっすよ。
なんだ林もいるじゃん。鬼ごっこ同好会って元桜町小出身者の集まりか何かなの?」
「よう、北山久しぶり。あ、久世先輩、受験勉強は良いんですか?今三年生は大変な時期なんじゃないんすか?え、推薦が決まったからいいんですか、余裕っすね。
ウチの学校からはこいつらと佐々木が来てますよ、アイツ部長ですから。
参加者名簿に名前が無いって、あぁ、それは色々ありましてね、偽名で出ています。
どこにいるのかって、さっきから隣に立ってるじゃないですか。」
視線の彷徨う元桜町小の懐かしい顔たち。ここは俺から教えてあげよう。
「よう、久しぶり。お前ら元気だった?」
「「「・・・・どちらさま?」」」
「いや、今話に出てたじゃん。佐々木だよ佐々木、桜町小の元祖逃走王、佐々木君ですって。」
「「「うそだー、あののっぺりがこんなイケメンのはずないだろうが!!」」」
”ブフォ、、アッハハハハハッ”
笑い転げる同好会部員、困惑する元桜町小出身者。
ちょっとメイクしただけの佐々木君だってのに、信じてくれないって酷くない?
まずは部員全員の選考会突破おめでとう。まぁ、これは普段の練習そのままだし?落ちろって方が難しいわな。
大体あれって今じゃSaki様追っかけ女子も余裕でクリアする内容だしね、野獣の欲望が半端ないとも言うが。
そんで地方予選だが、こちらの要望が通った。
地方予選で一つのブロックを鬼ごっこ同好会が独占しちゃいますが宜しいのですか?と言ったら、テレビ局側めっちゃ慌ててた。
選考会で相手方の鬼達を十周も先行したのが効いたな、お前達の業績は社内会議で相当に揉めたとディレクターの植松さんがぼやいてたぞ。本当に良くやった。
結果、鬼ごっこ同好会は東北ブロック、北関東ブロック、南関東ブロック、中部ブロックの四ブロックに別れて出場する事となった。
各ブロック四名づつに別れる形になるが、会場までの送迎はスタジオS&Bのスタッフが責任を持って行うから、安心して欲しい。
これは内部情報だが、各会場にオリンピック候補選手が一人づつ紛れているらしい。
気を引き締めて事に当たる様に。
これから予選会当日までは、各自自主トレとする。トレーニングのやり過ぎには十分注意する事。
己を信じろ、本選で会おう。
「「「おう!」」」
俺は北関東ブロックか、今から楽しみだ。
予選会当日、天気は晴れ。
絶好の鬼ごっこ日和だ。
「九条さん、本日はどうぞ宜しくお願いします。でもすみません、本業の警備以外の仕事をさせちゃって。これって完全に子供の御守ですもんね。」
九条さんは苦笑いをして顔を横に振る。
「そんなことはない、要人の送迎は十分な仕事の範疇、男子生徒の送迎ならなおさらだ。それに若には十分世話になっている、これくらい気にしないで言って欲しい。」
この人たちは本当に謙虚だ。増山のおっちゃん達がスタジオS&Bに入った後、何人か紹介で入社したけどみんなすごく謙虚で態度がいい。見た目は迫力と言うかオーラが違うって感じの人達なのに、とても丁寧で感じが良いのだ。
一度会社が倒産して路頭に迷ったからこそなのかもしれないけど、良い出会いに乾杯だ。
そんな彼らを労いたいと何度か我が家でのホームパーティーに誘うのだが、皆首をすごい勢いで横に振って”そんな、我々では敷居が高すぎます。我々の代表である増山がお伺いしますので何卒ご勘弁を”って遠慮されちゃうんだよね。
ウチなんて御大層なお屋敷でもないんだから、もっと気軽にいらしてくださいね。
何故か隣で口元を引きつらせる九条さん。今日の運転よろしくお願いします。
「あ、あぁ、任せておけ。労いは良いからな、振りじゃないからな!」
仕事とプライベートを分ける人、プロフェッショナルだな~。
よし、北関東ブロック予選会場到着、吉村君、林に吉田、車酔いとか大丈夫か?
「問題ないっす部長。それよりなんかワクワクしちゃって、オリンピック候補選手ですよね、たまんないっすね。」
あぁ、彼女たちは良いぞ~、その気迫、ヒリつくスリル、一級品ならではだ。
存分に楽しめ!
「「「おう!」」」
さて控室に見知った顔はいるのかなっと、「あれ、お前吉田じゃないか?」ん?
「おう、北山久しぶり、卒業以来?お前って確か中央都の私立に行ったんじゃなかったっけ?」
「あぁ、そこで久世先輩と再会してな。お前らヨウツーベで鬼ごっこ同好会やってるだろう?ウチでもあれ話題になってて、久世先輩が逃走部を作って活動してたんだ。
俺もそこに入ったんで今日は部活の一環で参加したって訳。
お前ら佐々木先輩とかと一緒じゃないのって吉村先輩じゃないですか、お久しぶりです。すっかり男前になっちゃって、分らなかったっすよ。
なんだ林もいるじゃん。鬼ごっこ同好会って元桜町小出身者の集まりか何かなの?」
「よう、北山久しぶり。あ、久世先輩、受験勉強は良いんですか?今三年生は大変な時期なんじゃないんすか?え、推薦が決まったからいいんですか、余裕っすね。
ウチの学校からはこいつらと佐々木が来てますよ、アイツ部長ですから。
参加者名簿に名前が無いって、あぁ、それは色々ありましてね、偽名で出ています。
どこにいるのかって、さっきから隣に立ってるじゃないですか。」
視線の彷徨う元桜町小の懐かしい顔たち。ここは俺から教えてあげよう。
「よう、久しぶり。お前ら元気だった?」
「「「・・・・どちらさま?」」」
「いや、今話に出てたじゃん。佐々木だよ佐々木、桜町小の元祖逃走王、佐々木君ですって。」
「「「うそだー、あののっぺりがこんなイケメンのはずないだろうが!!」」」
”ブフォ、、アッハハハハハッ”
笑い転げる同好会部員、困惑する元桜町小出身者。
ちょっとメイクしただけの佐々木君だってのに、信じてくれないって酷くない?
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