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第二章 中二病には罹りません ー中学校ー

第207話 年上のお姉さんは好きですか?

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「おはよー、ツッキー。最近ご活躍じゃない、所で芸能人の知り合い出来た?」

「ん、おはよう。私はご活躍。(フン)
芸能人は知らない。」

朝の教室、いつもの光景。女子高生は世界が変わってもかしましい。

「え~、そんな訳ないでしょう~。私にだけでも教えなさいよ~。あんた人気学園ドラマのエンディング曲やってるじゃない、他にもCM曲とか。そうしたら何かしら繋がりが出来たりしないの?
ほら、例えばあんたに楽曲提供してくれている売れっ子作曲家の"SASAKI&Bamboo"に会った事があったりするんじゃないの?」

何の事を聞いてるのだろう?ぼ~っと虚空を眺める月子。暫くしたのち、ようやく合点が行ったとばかりに話しに復帰する。

「"SASAKI"とはよくレインする。最近余り会えてない、とても不満。」

「えっ、ちょっと待って、大人気作曲家の"SASAKI"先生とそんなに親密なお付き合いがあるってあんた凄くない!?」

「私は凄い、彼に求められている。」

「えっ、あんた今"彼"って、もしかして"SASAKI"先生って男性なの?しかも"彼に求められている"ってどう言う事よ!
弟君といい、のっぺりといい、どうしてあんたの周りだけ男の気配が集まって来るのよ!何とか言いなさい、ツッキー!」

「私は時代の先駆者、勝者の周りに男あり。これは必然。」(ドヤ顔)
"ムキーッ"
乙女たちの喧騒は続いて行く。


"ピロピロピロ"
レインの通知音に急ぎスマホをチェックする。相手先は木村月子、木村君のお姉さんだ。
メッセージは一言。
"日曜日、遊びに行く。"

私のっぺり佐々木、日曜日は月子さんと遊ぶ事に相成りましてございます。

"チュンチュン"
「う、う~ん」
日曜日の朝が来た。俺は大きく伸びをして布団から起きようと「おはよう」ん?おはようございまって、うゎ~!?
えっ、何?何で、えっ?
ここって俺の部屋だよね?何で月子さんがいるの?

「男性にベッドで朝の挨拶。これぞ伝説の"朝チュン"。レディースコミックに載ってた。私は大人のレディー、何事も実戦していくチャレンジャー。」

胸を張って高らかと宣言する月子さん。いえ、その、問題はそこじゃなくてですね、いえ、そこも問題なんですけど!
突っ込み所が多すぎてついて行けない。ドアの向こうから覗くノエルさん。私いい仕事しましたって顔しない、サムズアップされても返答に困る。
あの、月子さん。これから着替えますんで、暫くリビングでお待ち頂けますか?

「む、やや不満。でも我が儘は言わない、私は包容力のある女。ゆっくり着替える事を推奨。」

スタスタと退室する月子さん、ドアの向こうには優雅にカーテシーを決めるノエル。
朝からどっと疲れた。

ノエルも随分この家に馴染んだようだ、すっかり楽しんでいらっしゃる。
リビングに降りると黒丸にブラッシングをしながらニマニマと微笑む月子さん、ご満悦のようだ。

"!?ムクッ"
耳をピクピクさせてからこちらへ首を向ける黒丸、超可愛い♪

「お待たせしました、月子さん。朝食は頂かれましたか?
まだの様でしたら、ご一緒に如何でしょう?
ノエル、今朝は軽めにパンとコーヒーで頼む。」

「畏まりました、Saki様。木村様もよろしければご一緒にどうぞ。」

「うむ、私は変な遠慮はしない女。有り難く頂戴する。」

日曜日の朝。
賑やかな朝食。
鼻腔に抜けるコーヒーの香り。

こんな朝も悪くない。
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