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第二章 中二病には罹りません ー中学校ー

第190話 今度は海ですか・・・ (2)

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“ボッボッボッボッボッボッボッボッ”
燦燦と降り注ぐ太陽
髪を梳く海風
波間に揺れる船内

「ねぇ、おっちゃん。聞いてもいい?」
俺は生気を失った目でおっちゃんに聞いてみる。

「なんだい坊主、言ってみろ。」

「俺以前こうやって漁船に乗って無人島に連れて行かれたことがあったんだけど、今回もそれ?」
灼熱のサバイバル、台風の無人島、思い出しただけで震えが。

「なんだそりゃ、姐さん相変わらず無茶苦茶だな。今から行く島はそこそこデカイ。人口も三千近くあったんじゃないか?漁業中心の島だ。」
なに?ただの離島?人口三千人?もしかしてコンビニ完備?

「いや、流石にコンビニは無いが街のスーパーでほとんどの物は揃うぞ。」
って事はただの観光じゃん・・・。
マミー脅すなよな~、今度こそ死ぬかと思ったんだぞ、俺。

おっちゃん聞いてよ、ウチのマミー酷いのよ。
俺が合宿から帰ってクタクタの所に緊急案件だって言ってこのツアーに参加させたの。しかも俺が帰ったタイミングで電話で大喧嘩するオプション付き。
何事か起きたかと思うじゃん、そんでその後真剣な顔してこのツアーに参加して欲しいって懇願、あのマミーが懇願よ?これはいよいよヤバい何かに巻き込まれたかと思うじゃん。
蓋を開けてみればこれですよ、まったく心臓に悪いっての。
ほら、漁師のおっちゃんも苦笑いしてるじゃん。ごめんね死にそうな顔してて、全部うちの親の悪戯みたい。
本当ふざけるなって話だよね、で、おっちゃん今回は何やるの?

「まあ、お前がそれでいいってんならそれでいいが、今回は俺も良く知らん。ただ島にある山に行けとしか聞いてないんでな。他のメンバーは先に定期フェリーで到着しているはずだ。」

そうなんだ。ねぇ、釣りしていい、釣り。
こないだ釣り道具貰ってさ、今回海に行くって聞いたから持ってきたんだよね~。海の街なら釣具屋もあると思うしさ、磯釣りとか贅沢言わないから、防波堤辺りで糸を垂らしたいんだよね。

「あぁ、出発は明後日だと聞いている。明日は一日フリーだから問題ないんじゃないか?エサは、なぁおやじさん、エサどこで売ってるか知らないか?」
”坊主、港わきの店で売ってるぞ。”
「だそうだ。」

よし、明日一日釣り、これ決定事項。
おらワクワクしてきた。

「お、島が見えて来たぞ。あれが今回の目的地、子忘れ島だ。」

子忘れ島?変な名前。漁師のおっちゃんは何か由来とか知ってる?
”なんか昔から伝わる伝承から来ているらしいぞ。俺も詳しくは知らないんだが、戦国の姫と島の大猿の物語とか言ったかな?
宿に行けば村おこしで作った絵本があるはずだから、読んでみたらどうだ?”

ふ~ん、昔話は色々あるんだね~。
それより今は釣りですよ釣り、この時期何が釣れるか知ってる?
”この辺じゃアジとかメジナとかじゃないか?サバやメバルなんかが釣れる事もあるが稀だぞ?”

そっか、ありがとう。気楽にやってみるよ。
いざ、子忘れ島にレッツらGO!!
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