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第二章 中二病には罹りません ー中学校ー

第185話 夏だ、合宿だ、走れ走れ! (3)

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「「「お疲れさまでした!!」」」

いや~、今回の合宿も充実してたわ~。
フワフワ凸凹シリーズ、応用がきいていいよね。毎回のフワフワ作業と終ったあとの整地作業が地味に足腰に効くのが良い。これストレッチとマッサージの講習をもうけてなかったら、ケガで途中リタイヤ続出してたんじゃないかい?
やっぱり運動前後のケアって大事だよね。
他にも水際ダッシュとかプチトライアスロンとか。
膝下位の水位の場所を走るのがこんなにキツイとは。横からくる不意の高波もかなりスリリング。西山君以下数名、波にさらわれ救助されてたし。
水泳してからの砂浜ダッシュもきつかったな~。これ順番逆なら普通に死ぬよ?
考え出した三峯先輩司令官、絶対Sだ。
”水も滴るふらふら男子、再生数間違いなし”とか言ってるの見たときは、流石にドン引きしたわ。
木村君の提案脅しで休息日を儲けて遊ばせたけど、最初は疑ってビクビクしてたし。木村君が”大丈夫だ、俺が保証する”って宣言したらめちゃくちゃテンション上がってたからな~。(遠い目)

今回の合宿、中々いい訓練になったんではないでしょうか。
と言う訳で合宿の締めはやっぱり肝試しだよね~。
今回は林のお堂ではなく岩場の祠です。
右手奥をご覧ください。あの薄っすら見える岩場がありますね?あの手前辺りに祠がございます。そこにお参りして帰って来るだけと言うシンプルなものですね。
林のお堂でもいいかなと思ってたんですけど、木村君が強く反対するのでそう言う事になりました。
何故にみんなして頷く?俺よく分からないんだけど。
一応懐中電灯は用意してあるので安全だと思いますが、夜の海は大変危険です。決して水際に近づかないように。
ではそこの砂浜に引いたラインに並んでください。ルールは昨年と一緒、女子が追い込んで男子を捕まえる、捕まったらその人とコンビ組むと言う事で。
では一分間の作戦タイム、始め。

掛け声と同時に歩み出す木村君と西山君。うん、知ってた。
去年参加した二年三年生はさっさと相手を決めてる模様。
呆然と取り残された一年生たち、でも流石は元引き籠り組は察知能力が高い。
すぐに(安全そうな)女子の元へと捕まり避難しに行ったようです。

残され打ちひしがれる女子生徒敗北者
君たちは決して劣っている訳じゃないんだよ、ただほんの少し(肉食の)気配が出ちゃったのかな~。(遠い目)

”クイッ”
”コクコク“

動き出す一年の桜町っ子たち。
あぁ~、青春だね~。


(side:二年生女子生徒)

あぁ、今年の合宿も今日で終っちゃうのか~、楽しかったな~。
去年は斉藤部長と一緒に露天風呂の壁に張り付いたんだけど、流石桜町っ子、今年も期待を裏切らない見事な入浴っぷりだったわ~。
音だけでご飯三杯はイケそう、ご馳走様です。
えっ、チャレンジしなかったのかって?西城講師が見てるのよ、私まだやり残した事いっぱいあるの。
あの一年生チャレンジャー、貴女の尊い献身犠牲は忘れないわ。

最終日の肝試し、これって神企画なのよね。去年これで何組カップルが誕生したことか。
でもアレめちゃくちゃ怖かったんですけど、アレが所謂恋の試練って奴なのかしら。恋って過酷なのね。

今年は林のお堂じゃないの?木村君が頑張ってくれたんだ、流石木村君。"鬼ごっこ同好会の良識"は伊達じゃない。
それで夜の砂浜を散策すると。
・・・これって夜デートじゃないの?
佐々木様、あなたは神ですか。
これで私にも彼氏が…。

次々に決まるカップル、又なの、私は今年も取り残されるの?
あ、吉村君。
"今年も一緒に行かないか?"って私。
はい!喜んで!

吉村君、夜の海ってなんか不気味じゃない?
えっ、手を繋いでくれるの?あ、ありがとう。(///)

ねぇ、吉村君。さっきから変な音しない?
後海なんだけど、波間から黒い何かがユラユラと…。
左手を引っ張らないでって、私がいるのは吉村君の右側なんだけど・・・
ギャーーーーー!!
影ー、影がー!
誰かが足を掴んでー!

"コーーーーン"

は、あれ?
いなくなった?
吉村君、大丈夫?
私は大丈夫だけど。
・・・もう戻ろうか。

力強く握られた私の左手。
途中何度も私を見詰め声を掛けてくれる吉村君。
やっぱり肝試しって、神企画かもしれない。
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