男女比世界は大変らしい。(ただしイケメンに限る)

@aozora

文字の大きさ
上 下
166 / 525
第二章 中二病には罹りません ー中学校ー

第166話 性教育の授業、再び (2)

しおりを挟む
射精管理官

男性保護法の付随義務である”十六歳以上の男性国民は自らの精子を国家に提出する義務”をサポートするために設けられた職業。精子管理局の指導のもと民間委託と言う形で行われている精子提供事業であるが、その職業に従事する為には精子管理官の国家資格を取得しなければならない。
精子提供事業は過去において民間事業者の自主管理の元行われていたが、特定人物の精子高騰、選民思想の台頭、激化する企業間争いによる男性の集団自殺などと言った問題を引き起こし、現在は政府監督の元国家事業の一翼として行われている。また、完全な国営事業とした場合経済に多大な混乱を引き起こす懸念から、国の管理下における民間委託事業として落ち着いた。

精子管理官の受験資格条件は、心理カウンセラー及び看護師資格を有し三年間の実務経験もしくは二年間の射精管理官専門教育を経る必要がある。また試験には射精管理局の面接もあり、精神的性格的に不適合とみなされた場合は不合格となる恐れがある。

射精管理官には一種二種の区分があり、一種は一般射精管理、二種は一般に加え特別射精管理の実務を行う事が出来る。一般射精管理は各射精管理所における精液採取業務になる。外出可能な男性の精子提供行為の際はこちらで行う事になる。
二種はいわゆる”引き籠り”と言った外出困難な男性を相手にする精子提供行為の補助になる。その為より深い男性に対する理解と、精神的なケアを行う技術が求められる。

(「誰にでもわかる男性保護法 -義務とその実態-」 著者:平田恵子 )

すげ~わ、男女比世界。
特別授業は大混乱、ビックジョー呆然、西山君恐慌、岡田君オロオロしてるし桜町っ子頭抱えてる。
洋一君や井上生徒会長全然平気な顔してたけど、こんなのよく耐えられるなと思ったら、ちゃんと抜け道在りました。
”十八歳未満の学生及び専門学校生はこの義務を免除する。”

おい脅かすなよ~、マジビビったやんけ。
視聴覚室中に零れる安どのため息、みんな心は一つだったのね、おじさんもほっと一安心。
政府も上手い事やる、これじゃ誰も引き籠りなんてできないじゃん。高校や専門学校は義務教育じゃないからね、出席日数や学業態度ですぐ退学くびに出来るし生徒も真面目に学校に来る。女子生徒はその間頑張って男子生徒を落として婚約して婚約してねって事なんだろうな~。

でもこれって絶対裏がありそうなんだよね~。
気になったんで唯一落ち着いた態度の木村君に話を聞くと、西城さんが詳しく教えてくれたとの事。
行って来ましたよ木村君ち。そんで西城さんに詳しい話を伺ってまいりました。

まず気になった事その一、結婚の義務について。
駄菓子屋のおばちゃんの所、一夫一妻じゃんって思ったんだよね。
これってどういう事って聞いてみました。

この結婚の義務には条件がございました。十八歳までに婚約者一名ってのは変えようがないらしい。二十八歳までの婚姻だけど、以下の条件のもとこれを免除するって条項があるんだと。
んでその条件てのが”一人の男児を含む三人以上の子供を儲ける事”。
これにより婚姻の義務が三十歳まで引きのばしになり、”男児二人を含む三人以上の子供を儲ける事”を達成すると婚姻の義務が完全に免除されるとの事。
駄菓子屋のおばちゃんは男子四人に女子四人、計八人の子持ちだからこれに該当するって事だね。
子育て支援に関しては各自治体が金銭的にも人的にも充実した手当を行っているので、それほど大変じゃないらしいよ。

でも結婚はしないといけないんだね。
覚悟しておきます。

気になった事その二、精子提供義務について。
実際これってどうなってるの?
恐怖半分興味半分聞いてみました。

まず精子提供の義務は実際の運用上十八歳以上の男性を対象に行われている。ただし、”婚姻関係を結び婚姻より二年以内に一人以上の子供を儲けた家庭に関してはこの義務を猶予する。”と言う条文があるそうです。
とっとと結婚して子供を作れって事らしい。そんでこの二年の猶予を過ぎると、そのあと子供を作っても精子提供の義務が発生するんだと。”白い結婚ごまかし”は許さないって事だね。子供が出来にくいってご家庭は諦めてください。
更に”すべての婚姻者間において二人以上の子供を儲けた場合はこれを免除する。”って条文もあるらしい。
つまり、康太君のお父さんはまだ精子提供しているのか~、偉いな~。(遠い目)
精子提供したくなかったらしっかり結婚して子供をガンガン産めって事らしい。

そうなってくると次に気になるのが違反者の事だよね、引き籠りや結婚したくないって男性はどうなるのって思うじゃん。
俺も気になっちゃったんで聞いてみました。

男性保護法における義務規定ってのがございました。これによると”これらの義務を身体的理由及び精神的疾患等の医師の判断による免除を除き果たさない者に対し、国は更生を促す事が出来る。”と言う一見当たり前のようで実は恐ろしい条項がございました。

男性更生院と言う施設が全国に七か所ございます。そちらの施設に三年ほど送られ、義務行為の大切さと実際の義務行為をしっかり学んでくるのだそうです。
デストピアじゃん。

卒院された元入所者、完全に人間が変わっているそうですよ。(ガクブル)
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

ゲート0 -zero- 自衛隊 銀座にて、斯く戦えり

柳内たくみ
ファンタジー
20XX年、うだるような暑さの8月某日―― 東京・銀座四丁目交差点中央に、突如巨大な『門(ゲート)』が現れた。 中からなだれ込んできたのは、見目醜悪な怪異の群れ、そして剣や弓を携えた謎の軍勢。 彼らは何の躊躇いもなく、奇声と雄叫びを上げながら、そこで戸惑う人々を殺戮しはじめる。 無慈悲で凄惨な殺戮劇によって、瞬く間に血の海と化した銀座。 政府も警察もマスコミも、誰もがこの状況になすすべもなく混乱するばかりだった。 「皇居だ! 皇居に逃げるんだ!」 ただ、一人を除いて―― これは、たまたま現場に居合わせたオタク自衛官が、 たまたま人々を救い出し、たまたま英雄になっちゃうまでを描いた、7日間の壮絶な物語。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第三章フェレスト王国エルフ編

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

俺が異世界帰りだと会社の後輩にバレた後の話

猫野 ジム
ファンタジー
会社員(25歳・男)は異世界帰り。現代に帰って来ても魔法が使えるままだった。 バレないようにこっそり使っていたけど、後輩の女性社員にバレてしまった。なぜなら彼女も異世界から帰って来ていて、魔法が使われたことを察知できるから。 『異世界帰り』という共通点があることが分かった二人は後輩からの誘いで仕事終わりに食事をすることに。職場以外で会うのは初めてだった。果たしてどうなるのか? ※ダンジョンやバトルは無く、現代ラブコメに少しだけファンタジー要素が入った作品です ※カクヨム・小説家になろうでも公開しています

処理中です...