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第二章 中二病には罹りません ー中学校ー

第154話 ようこそ、新入生の皆さん (2)

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「鬼ごっこ同好会の皆さんにご相談があります。」

"新入生が入って来てこれからさらに頑張るぞ"、と張り切っていたところに佐藤先生のストップが入り、現在ミーティングをしております。
どうも、生徒会長からヤバい奴扱いをされて不貞腐れている男、佐々木です。
何でも新入生歓迎会でやり過ぎるなとの事。佐藤先生、貴女もですか!
俺ってそんなにやり過ぎてる?こないだ康太君にも言われたばかり(張り扇付き)なんだけど。
何故に全員で頷く?冤罪だ~!

ま、俺の事はいいとして、問題は鬼ごっこ同好会が有名に成りすぎた事。下手すると新入生男子のほとんどが来ちゃうんだと。
バスケ部とサッカー部おはよう男子の顧問から泣きが入ったらしい。俺様系はこっちに来ないと思うじゃん?入学早々の自己紹介で"鬼ごっこ同好会は俺が引っ張って行く"って豪語した俺様バカが結構いたらしい。
今年入った桜町っ子後輩に締められた救護搬送された様だけど。
で、どうする?

「いや、どうするも何も、本人たちがやりたいって言うなら入れてやればいいんじゃないか?俺たちだって好きでやってるだけだしな。」

"コクコク"

あら?皆さん同じご意見?
俺としては構わないんだけどね、新入りが後からぐだぐだ言い始めたら俺切れちゃうと思うんだよね~。
だもんで、根性テストやっていい?
佐藤先生には体力テストって言っておくから~♪

「ねぇ、佐々木。あんた今凄い悪い顔してるんだけど。」

"コクコク"

え~、みんな酷い。(ぷんすか)


(side : 新入学俺様系男子)

鬼ごっこ同好会ね。
何かヨウツーベで人気らしいじゃないか。俺様が活躍する舞台として相応ふさわしい。最近は"hiroshi"とかって奴が出て来て、周りの奴らがおかしくなるし、イライラしてたんだ。ここで少し俺様の実力を示して、誰が一番か分からせる必要があるからな。

何々、鬼ごっこ同好会スポーツテストだ~?何で俺様がテストされないといけないんだ!馬鹿にしやがって。そっちからお願いに来るのがスジだろうが!
チッ、仕方がないから参加してやるが、俺様が入部した暁には、徹底的に改革してやる、覚悟しておけ!

「新入生の皆さん、入学おめでとうございます。本日は鬼ごっこ同好会スポーツテストにお集まりいただき、ありがとうございます。私は部長の佐々木と言います。どうぞよろしく。」

なんだあののっぺりした顔の奴は。あいつが部長?ヨウツーベで人気って言っても全然大したことないのか?
これは失敗したか、いや、逆にあんな奴が部長なら俺が乗っ取るのも割りと簡単に出来る?
ここは一先ず様子見だな。

「ではテストの内容ですが、それほど難しいものではありません。校庭のトラックを走ってもらいます。私たちが先頭を走りますので、それについて来て下さい。」

なんだそれは?本当に簡単じゃないか、嘗めてるのか?

「では始めます。体力測定が目的ですから、周回遅れになっても頑張ってついて来て下さいね。」

漸ようやく始まったか。周回遅れとか言うからどれだけ早く走るのかと思えば、ただのランニングじゃないか。
こんなので遅れる訳ないだろうが、馬鹿にしやがって。

(三十分経過)

ハッ、ハッ、ハッ、あいつらいつまで走ってやがる。
ハッ、ハッ、ハッ、全くペースが変わりやがらねえ。
ハッ、ハッ、ハッ、流石にきつくなって来たぞ。

(一時間経過)

ゼッ、ゼッ、ゼッ、何で、
ゼッ、ゼッ、普通に
ゼッ、ゼッ、走れるんだよ
ゼッ、ゼッ、
"ポンポン"
「頑張ってるね。これで周回遅れ三週目かな?まだまだ行ける、ファイト♪」

(一時間半経過)

コヒーッ、コヒーッ、コヒーッ

「おーい、誰かこっち酸素持って来て~。こいつダメみたいだから端に避けといてくれる?
後残ってるのって桜町っ子だけ?
それじゃここからはいつも通りに走るか、行くぞ!」

「「「オー!」」」

"ダッダッダッダッダッダッ"

"ヒーコーヒーコーッ、何で平気なんだよ、
ヒーコーヒーコーッ、あいつら化け物か?
ヒーコーヒーコーッ、意味が解らない!"

「お前らとろとろ走ってんじゃねーぞ!もっと気合いいれろや!」

「「「はい!」」」

"!?"

その瞬間、俺は意識を手放した。
鬼ごっこ同好会には決して関わらないと心に誓って。
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