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第二章 中二病には罹りません ー中学校ー
第152話 佐々木のいたずら (4)
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(side:木島龍一)
「お、おい、お前。俺に挨拶も無しってどう言うつもりだ。」
「あ、堂本君、おはよう♪ごめんね、すぐに挨拶出来なくて。堂本君っていつも女の子にモテモテだったから、私から声を掛けるのに躊躇しちゃって…。
あの、堂本君さえ良かったらなんだけど、これからも挨拶とか私から声掛けてもいいのかな?」
「あ、あぁ。別に構わんが…。嫌そうじゃなくて、今までは俺様の事は”堂本様”と呼んでいただろうが、あまり調子に乗っていると他の人間と交換するぞ!」
「それはごめんなさい。私たち中学生になったじゃない?今までのような子供でいいのかなって思って…。友達同士なのに様呼びしたりって、なんか人から見たら子供っぽく見えちゃうんじゃないかって。
堂本君が人から侮られるのって嫌だなって、でも堂本君がどうしてもって言うなら元に戻すよ?
堂本君はどう思う?」
「うっ、ま、まぁ、俺もいつまでもガキではないからな。お前らがそうしたいならそうしたらいい。」
「本当!?堂本君ありがとう♡(花のような笑顔)
これからもよろしくね♪
あ、私少し用があるから行くね、他のみんなには私から伝えておくね♪」
「あ、あぁ、引き留めて悪かったな。」
”バイバ~イ”(小さく手を振り走り去る)
・・・・・・なんだあれ?
堂本の奴、完全に掌で転がされてないか?
まぁ、見ている分には面白いからいいんだけど。ここの女子ってもしかしたらそんな奴らばっかりとか?
いやいやいや、流石にそれは無いだろうが…。でも学力は全国でも有数なんだよな、基本的に全員ハイスペック。
もしかしたらこの俺も遊ばれる?
おいおい、冗談じゃないぞ、俺は遊ぶことはあっても遊ばれるなんて許される訳無いだろうが!
「木島、このクラスに木島龍一は居るか?」
「あ、鏑木副生徒会長。わざわざ一年の教室までどうしたんですか?」
「あぁ木島、そこにいたのか。今日来る雑誌の取材の件で話があってな、”桜泉学園の新入生”の特集記事、先方はぜひお前をメインに使いたいと言って来ている。木島の返事次第にはなるが、俺としてはぜひお前にこの話を受けて欲しいと思っている。
木島は一年にしては考えがしっかりしていて自分と言うものを持っている。おそらくこの学年を牽引していくのはお前だろう。
どうだ、この話受けてみないか?」
「鏑木先輩…。分かりました、この話お引き受けします。」
「そうか、助かる。では放課後生徒会室に来てくれ。詳しい打ち合わせは”ティーンBoys'”の記者を交えたうえで行おう。余り遅れるなよ?」
「はい、大丈夫です。こちらこそよろしくお願いします。」
鏑木副生徒会長か、ちゃんと分ってるじゃないか。やっぱり出来る人間はちゃんと見ているって事なんだよ。
雑誌の取材ね~、確か“ティーンBoys'”って言ったら若い女子の間で一番売れてる情報誌じゃないか?そこが俺の特集を熱望…、いいんじゃない?
しっかり取材して貰おうじゃないの♪
こんな小さな教室でやいのやいの言ってるなんてダサいんだよ、俺はお先に全国に行かせてもらうぜ、男子諸君♪
(side:高木康太 駄菓子屋にて)
「やっほ~、康太君どうしたの急に?おばちゃん、今日は揚げ玉桜エビもんじゃでお願い、豚玉も追加で~。」
親友は相変わらず元気にやって来た。こうやって見るとただの健康優良児にしか見えないんだけどな~。
で親友、今回は具体的に何やったのさ?怒らないから話してみなさい。
「え~、酷いな言いざまだな~。如月さんもそう思わない?康太君はカルシウムが足りないんだよ。
んで何をやったかだよね?簡単な概要はこないだ話した通りだけど順を追って話すね。
今回、何が問題だったのか?昨年の騒ぎで十分調査がされないまま、顔が良いだけのヤバい思考の俺様が私立桜泉学園の門をくぐってしまった事、その一点だった訳だ。
だったら簡単、”現実を教え”て”教育”すればいい。
桜泉学園にはその具体例がいるじゃない。”月の王”皇一先輩だったっけ?
後は分かるよね、彼の足跡を辿らせればいいんだから。
足跡その一、”ひろし君の衝撃”で女子生徒の興味をすべてひろし君に持って行かれる。
入学案内の書類の中に、スタジオCherry公式ホームページの案内を入れておいて、そこの会員専用サイトに新入学生徒ならアクセス出来るようにしておきました。
しかも今回、桜町小学校で行った受験生応援イベントを再現したミニドラマを作成、ひろし君にも本人役で出演していただきました。
監督演出編集はすべて斉藤先輩、”やった~、これで欲しい機材が買える!”って言って、ノリノリで撮影してくれました。
インパクトはさらに上がってるよ、ひろし君本人納得の出来だから、後ででも見ておいて。
他にもファッションショーの後に行ったミニライブや歌謡歌合戦の出演映像(暴動前のモノ)、「君と二人で」のミュージックビデオやひろし君のインタビュー映像なんかを少々。
これで新入生のハートはがっちり掴めたんじゃないかな?
足跡その二、女子生徒に相手にされなくなり、呆然とする。
桜泉学園って男子新入生のお披露目会が有るじゃん?そこで全く歯牙にもかけられなかったらどうでしょう?
学園側に手配してもらって、入学式の後、希望者を対象に"hiroshi"のミニライブと写真集の先行販売、サイン&握手会を行ってもらいました。
スタジオCherry側としても身元のはっきりしたファン相手に握手会の経験を積めるのはメリットだったし、"hiroshi"としても安全な環境でサイン&握手会の練習が出来るいい機会だからね。
そんなビックイベントが後に控えてるんだよ?女子生徒が男子生徒に見向きすると思う?
特別にその時の配信映像を見せてもらったけど、あまりの女子からの無反応ぶりに俺様連中壇上で取り乱しまくり、笑えないくらいの道化だった。自分で仕掛けておいてドン引きしたもん。
足跡その三、取材や広告の仕事で自尊心を回復する。
雑誌「ティーンBoys'」の取材や皇グループ系列からの広告依頼、そう言ったものを経験する事で少しは大人になって貰おうかなと。
鏑木副生徒会長だっけ?彼いい仕事するよね~。
今の新入生男子が昔の自分と同じ立場にいると知って、率先して協力してくれているらしいよ。
どうせひろし君は学園での仕事なんてやらないだろうし、何か困り事があったら鏑木先輩に相談してみたらいいんじゃない?
そんでこれはおまけなんだけど、ひろし様信者を爆誕させたはいいんだけど、学園としては不健全じゃないそれって。
何でこれはうちの中学でやって効果があった、西城ひかる講師による「正しい男子の取り扱い方」と駄菓子屋のおばちゃんによる「俺様系わがまま男子を掌で転がす方法」の講演会DVDを全女子生徒に配っちゃいました。
これの費用は俺の奢り、だって桜泉学園の俺様男子が尻に敷かれている姿が見たかったんだもん、後悔はしておりません。(キリッ)
ウチのマミー大爆笑しながらサムズアップしていたから、上手い事話し纏めてくれたんだと思うよ?
これが今回の顛末だけど、項垂れちゃってどうした康太君?」
僕は無言で立ち上がると右に体を捻る。その両の手には如月さんが自然と渡してくれた一本の張り扇。
「「やり過ぎだ、この愉快犯!!」」
””スパ――――――――ンッ““
「お、おい、お前。俺に挨拶も無しってどう言うつもりだ。」
「あ、堂本君、おはよう♪ごめんね、すぐに挨拶出来なくて。堂本君っていつも女の子にモテモテだったから、私から声を掛けるのに躊躇しちゃって…。
あの、堂本君さえ良かったらなんだけど、これからも挨拶とか私から声掛けてもいいのかな?」
「あ、あぁ。別に構わんが…。嫌そうじゃなくて、今までは俺様の事は”堂本様”と呼んでいただろうが、あまり調子に乗っていると他の人間と交換するぞ!」
「それはごめんなさい。私たち中学生になったじゃない?今までのような子供でいいのかなって思って…。友達同士なのに様呼びしたりって、なんか人から見たら子供っぽく見えちゃうんじゃないかって。
堂本君が人から侮られるのって嫌だなって、でも堂本君がどうしてもって言うなら元に戻すよ?
堂本君はどう思う?」
「うっ、ま、まぁ、俺もいつまでもガキではないからな。お前らがそうしたいならそうしたらいい。」
「本当!?堂本君ありがとう♡(花のような笑顔)
これからもよろしくね♪
あ、私少し用があるから行くね、他のみんなには私から伝えておくね♪」
「あ、あぁ、引き留めて悪かったな。」
”バイバ~イ”(小さく手を振り走り去る)
・・・・・・なんだあれ?
堂本の奴、完全に掌で転がされてないか?
まぁ、見ている分には面白いからいいんだけど。ここの女子ってもしかしたらそんな奴らばっかりとか?
いやいやいや、流石にそれは無いだろうが…。でも学力は全国でも有数なんだよな、基本的に全員ハイスペック。
もしかしたらこの俺も遊ばれる?
おいおい、冗談じゃないぞ、俺は遊ぶことはあっても遊ばれるなんて許される訳無いだろうが!
「木島、このクラスに木島龍一は居るか?」
「あ、鏑木副生徒会長。わざわざ一年の教室までどうしたんですか?」
「あぁ木島、そこにいたのか。今日来る雑誌の取材の件で話があってな、”桜泉学園の新入生”の特集記事、先方はぜひお前をメインに使いたいと言って来ている。木島の返事次第にはなるが、俺としてはぜひお前にこの話を受けて欲しいと思っている。
木島は一年にしては考えがしっかりしていて自分と言うものを持っている。おそらくこの学年を牽引していくのはお前だろう。
どうだ、この話受けてみないか?」
「鏑木先輩…。分かりました、この話お引き受けします。」
「そうか、助かる。では放課後生徒会室に来てくれ。詳しい打ち合わせは”ティーンBoys'”の記者を交えたうえで行おう。余り遅れるなよ?」
「はい、大丈夫です。こちらこそよろしくお願いします。」
鏑木副生徒会長か、ちゃんと分ってるじゃないか。やっぱり出来る人間はちゃんと見ているって事なんだよ。
雑誌の取材ね~、確か“ティーンBoys'”って言ったら若い女子の間で一番売れてる情報誌じゃないか?そこが俺の特集を熱望…、いいんじゃない?
しっかり取材して貰おうじゃないの♪
こんな小さな教室でやいのやいの言ってるなんてダサいんだよ、俺はお先に全国に行かせてもらうぜ、男子諸君♪
(side:高木康太 駄菓子屋にて)
「やっほ~、康太君どうしたの急に?おばちゃん、今日は揚げ玉桜エビもんじゃでお願い、豚玉も追加で~。」
親友は相変わらず元気にやって来た。こうやって見るとただの健康優良児にしか見えないんだけどな~。
で親友、今回は具体的に何やったのさ?怒らないから話してみなさい。
「え~、酷いな言いざまだな~。如月さんもそう思わない?康太君はカルシウムが足りないんだよ。
んで何をやったかだよね?簡単な概要はこないだ話した通りだけど順を追って話すね。
今回、何が問題だったのか?昨年の騒ぎで十分調査がされないまま、顔が良いだけのヤバい思考の俺様が私立桜泉学園の門をくぐってしまった事、その一点だった訳だ。
だったら簡単、”現実を教え”て”教育”すればいい。
桜泉学園にはその具体例がいるじゃない。”月の王”皇一先輩だったっけ?
後は分かるよね、彼の足跡を辿らせればいいんだから。
足跡その一、”ひろし君の衝撃”で女子生徒の興味をすべてひろし君に持って行かれる。
入学案内の書類の中に、スタジオCherry公式ホームページの案内を入れておいて、そこの会員専用サイトに新入学生徒ならアクセス出来るようにしておきました。
しかも今回、桜町小学校で行った受験生応援イベントを再現したミニドラマを作成、ひろし君にも本人役で出演していただきました。
監督演出編集はすべて斉藤先輩、”やった~、これで欲しい機材が買える!”って言って、ノリノリで撮影してくれました。
インパクトはさらに上がってるよ、ひろし君本人納得の出来だから、後ででも見ておいて。
他にもファッションショーの後に行ったミニライブや歌謡歌合戦の出演映像(暴動前のモノ)、「君と二人で」のミュージックビデオやひろし君のインタビュー映像なんかを少々。
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足跡その二、女子生徒に相手にされなくなり、呆然とする。
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足跡その三、取材や広告の仕事で自尊心を回復する。
雑誌「ティーンBoys'」の取材や皇グループ系列からの広告依頼、そう言ったものを経験する事で少しは大人になって貰おうかなと。
鏑木副生徒会長だっけ?彼いい仕事するよね~。
今の新入生男子が昔の自分と同じ立場にいると知って、率先して協力してくれているらしいよ。
どうせひろし君は学園での仕事なんてやらないだろうし、何か困り事があったら鏑木先輩に相談してみたらいいんじゃない?
そんでこれはおまけなんだけど、ひろし様信者を爆誕させたはいいんだけど、学園としては不健全じゃないそれって。
何でこれはうちの中学でやって効果があった、西城ひかる講師による「正しい男子の取り扱い方」と駄菓子屋のおばちゃんによる「俺様系わがまま男子を掌で転がす方法」の講演会DVDを全女子生徒に配っちゃいました。
これの費用は俺の奢り、だって桜泉学園の俺様男子が尻に敷かれている姿が見たかったんだもん、後悔はしておりません。(キリッ)
ウチのマミー大爆笑しながらサムズアップしていたから、上手い事話し纏めてくれたんだと思うよ?
これが今回の顛末だけど、項垂れちゃってどうした康太君?」
僕は無言で立ち上がると右に体を捻る。その両の手には如月さんが自然と渡してくれた一本の張り扇。
「「やり過ぎだ、この愉快犯!!」」
””スパ――――――――ンッ““
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