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第二章 中二病には罹りません ー中学校ー
第132話 がんばれ絵実ちゃん (side:野口絵実)
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「ねぇ、お母さん。髪型おかしくない?やっぱり初詣は着物じゃなくていいのかな?こんなにラフな感じでいいの?聞いてる、お母さん?」
「ハイハイ、聞いてますよ。朝から何度同じ会話してると思っているの?
大丈夫、絵実は十分可愛いわよ。」
「そんな事言っても心配なんだもん。」
「フフッ、幾ら大人っぽい事を言ってても、絵実もまだまだ子どもね。」
ぶ~。大人の余裕って奴、なんかムカつく~。
お母さんはニコニコ笑いながら、お茶の支度をしに行ってしまった。
去年は本当に色んな事があった。
中学校に進学して、クラスの俺様男子に絶望して、引き籠りになって。
変なクラスメートに家庭訪問されて、お母さんが笑う様になって、学校に行く様になって。
鬼ごっこ同好会に入って、夏の合宿に行って、ドラマに出たりして。
多分これまでで一番濃い一年だった。
あの地獄の様だと思っていた小学校時代の事を、一切思い出さないくらいに。
これも全てあの変なクラスメート"佐々木"のお陰。
あの春の家庭訪問からずっと気になる男の子。
今日はこの後、佐々木と一緒に初詣に行く約束をしている。
あ~んもう、来るなら早く来なさいよ~。
"ピンポン~"
"は~い"
えっ、やだ、来ちゃった、どうしよう。ここは冷静に、こう言う事は女性がリードするものって雑誌にも書いてあったじゃない。ヒッヒッフーッヒッヒッフーッ、よし、野口絵実、女魅せます!
「おはよー、佐々木君。あ、今日の挨拶はそれじゃなかったね。
明けましておめでとう
今年もよろしくね♪」
どうだ、夕べ何度も練習した"お正月特別号新年に男子に喜ばれる挨拶ベスト10"に載っていた爽やかで可愛い印象を与える挨拶は!
「明けましておめでとうございます
私の方こそよろしくお願いしますね。
今日の服装は、何時もより晴れやかでそれでいて清楚な、普段見ることの出来ない新しい魅力を引き出していますね。
とても素敵ですよ、絵実さん(ニッコリ)」
"ズキュン"
な、なんなのよ、渋目のスーツでしっかり決めて、白シャツにループタイが大人って感じで、髪型も七三だけど柔らかく流して清潔感があって、渋くてダンディーな…?
渋くてダンディー?
「明けましておめでとう
佐々木君♪
今日は朝から来て頂いてありがとう。
とっても素敵よ♪」
「明けましておめでとうございます
香織さん。
そう言って頂けると光栄です。私なんか貴女に釣り合う様に背伸びした、只の若造ですよ。」
!!
「ちょっと、佐々木!!
あんた何お母さんに合わせて"渋くてダンディーな大人風"に決めて来ちゃってんのよ!
おもいっきりメイクで年齢詐称してんじゃないわよ!
あんたわまだ中・学・生、Do you understand ?」
「わ、分かった、分かりました。私が悪うございました。ですのでこれ以上襟を締めるのは、く、苦しい、ギブギブギブ、香織さん、Help me!」
何なのこいつは!
何で同級生と出掛けるのにダンディーに決めてんのよ!
何でお母さんに合わせちゃってんのよ!
お母さんも"あらあら、仲が良いのね♪"って余裕かましちゃって、何かムカつく~!!
「締まってる、締まってる、マジだから!」
佐々木の馬鹿~!!
"グェ~~"
「ハイハイ、聞いてますよ。朝から何度同じ会話してると思っているの?
大丈夫、絵実は十分可愛いわよ。」
「そんな事言っても心配なんだもん。」
「フフッ、幾ら大人っぽい事を言ってても、絵実もまだまだ子どもね。」
ぶ~。大人の余裕って奴、なんかムカつく~。
お母さんはニコニコ笑いながら、お茶の支度をしに行ってしまった。
去年は本当に色んな事があった。
中学校に進学して、クラスの俺様男子に絶望して、引き籠りになって。
変なクラスメートに家庭訪問されて、お母さんが笑う様になって、学校に行く様になって。
鬼ごっこ同好会に入って、夏の合宿に行って、ドラマに出たりして。
多分これまでで一番濃い一年だった。
あの地獄の様だと思っていた小学校時代の事を、一切思い出さないくらいに。
これも全てあの変なクラスメート"佐々木"のお陰。
あの春の家庭訪問からずっと気になる男の子。
今日はこの後、佐々木と一緒に初詣に行く約束をしている。
あ~んもう、来るなら早く来なさいよ~。
"ピンポン~"
"は~い"
えっ、やだ、来ちゃった、どうしよう。ここは冷静に、こう言う事は女性がリードするものって雑誌にも書いてあったじゃない。ヒッヒッフーッヒッヒッフーッ、よし、野口絵実、女魅せます!
「おはよー、佐々木君。あ、今日の挨拶はそれじゃなかったね。
明けましておめでとう
今年もよろしくね♪」
どうだ、夕べ何度も練習した"お正月特別号新年に男子に喜ばれる挨拶ベスト10"に載っていた爽やかで可愛い印象を与える挨拶は!
「明けましておめでとうございます
私の方こそよろしくお願いしますね。
今日の服装は、何時もより晴れやかでそれでいて清楚な、普段見ることの出来ない新しい魅力を引き出していますね。
とても素敵ですよ、絵実さん(ニッコリ)」
"ズキュン"
な、なんなのよ、渋目のスーツでしっかり決めて、白シャツにループタイが大人って感じで、髪型も七三だけど柔らかく流して清潔感があって、渋くてダンディーな…?
渋くてダンディー?
「明けましておめでとう
佐々木君♪
今日は朝から来て頂いてありがとう。
とっても素敵よ♪」
「明けましておめでとうございます
香織さん。
そう言って頂けると光栄です。私なんか貴女に釣り合う様に背伸びした、只の若造ですよ。」
!!
「ちょっと、佐々木!!
あんた何お母さんに合わせて"渋くてダンディーな大人風"に決めて来ちゃってんのよ!
おもいっきりメイクで年齢詐称してんじゃないわよ!
あんたわまだ中・学・生、Do you understand ?」
「わ、分かった、分かりました。私が悪うございました。ですのでこれ以上襟を締めるのは、く、苦しい、ギブギブギブ、香織さん、Help me!」
何なのこいつは!
何で同級生と出掛けるのにダンディーに決めてんのよ!
何でお母さんに合わせちゃってんのよ!
お母さんも"あらあら、仲が良いのね♪"って余裕かましちゃって、何かムカつく~!!
「締まってる、締まってる、マジだから!」
佐々木の馬鹿~!!
"グェ~~"
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