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第二章 中二病には罹りません ー中学校ー
第117話 ビックジョーの恋
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「おはようございま~す、みんな魚食べてるかい?秋の魚と言ったらやっぱりさんまだよね。秋に刀に魚と書いて秋刀魚だもんね。因みに魚偏に秋だとカジカ、中国だと”どじょう”らしいよ。びっくりだよね。みんな間違わないでね?ってあれな~に?」
俺の指差す方向。
机に肘をつき顎をのせて黄昏る一人の男。
時々ニヤケたと思ったら、急に深いため息。
何こいつ、気持ち悪!
ねえ、みっちゃんにくみちゃん、ビックジョーどうしちゃったの?
遂に頭逝っちゃった?
えっ?当たらずとも遠からず?
文化祭の時に見た演劇部のヒロイン役に恋をした~!?
ビックジョーが!?
うっそ~ん。
話は文化祭の日に遡る。
私佐々木、学校の文化祭出ておりません。
俺を含めた鬼ごっこ同好会桜町っ子部会、通称”黒子チーム”は私立桜泉学園のランウェイを歩いておりました。ちくしょう、何で日程が被るんだ~!
一応学校交流の一環、部活動の対外活動になっているため欠席にはなりません。
そんな事より文化祭に出たかったよ~。(涙目)
そんで文化祭ですが、まあこれがよろしいものだったらしく、西山君曰く”こんなに楽しい気分でお祭り騒ぎに参加できたの初めて”との事。
女子生徒の淑女化、相当なレベルに達しているらしい。
他校から見物に来た俺様軍団、問題らしい問題も起こさずに幸せそうな笑顔で帰って行ったらしい。
聖女じゃん。
んで我がクラスの俺様系わがまま男子代表、ビックジョーこと大塚丈一郎君。演劇部の公演で悲しげに微笑むヒロインちゃんを見て、一発でやられちゃったんだと。
その時の演目が”完全再現、「幸福の王子様」”って言うのがなんとも。
彼女、亡国の姫君役だったらしいよ。
でもその子って確か、「君と二人で」のミュージックビデオに出てた後ろ姿の女の子じゃない?あの時わざと口元から下を映してたから、全体像が分からないようになってたんだよね。
確か二年生の滝沢さんだったっけ?
あの娘、ガチのひろし様Love♥️じゃなかったっけ?
ビックジョー…やっぱ無理じゃね?
(side:大塚丈一郎)
俺の名はビックジョー、佐久間西小ではちょっと名の知れた男だ。
女どもは皆俺に傅き、男どもは俺についてくる。
真のリーダーとはまさに俺のような男の事だ。
中学に入りやや雲行きが怪しくはあるが、なに、サッカー部でスタメンを張る俺様の実力であれば、どうと言う事は無い。
皆は俺様に任せてついてくればいいのだ。
最近周りの様子がおかしい。女子たちの態度がやけに柔らかい。昔の様な媚や怯えが見られない。
まあ、不快な態度では無いから良いが、何が起きているのか。
そう言えば、クラスの岡田がサッカー部を辞めて陸上部に入り直した。
アイツはレギュラーにもなれなかった弱者。まあ、自身の限界を知ったのだろう。
出会いは突然だ。
文化祭の当日、特にやることもない俺は、一人ブラブラ他のクラスの出し物を冷やかしていた。
彼女は偶々入った演劇部の舞台に立っていた。
可憐だった。その儚げな微笑みに心奪われた。
彼女と話しがしたい。
その笑みを俺様のものにしたい。
こんなに強く誰かを求めたのは初めてで、何をどうすれば良いのかまったく分からない。
「はぁ、俺はどうすれば良いんだろうか。」
自然と零れるため息。
窓の外に広がる空には、ただ鱗雲が浮かんでいた。
俺の指差す方向。
机に肘をつき顎をのせて黄昏る一人の男。
時々ニヤケたと思ったら、急に深いため息。
何こいつ、気持ち悪!
ねえ、みっちゃんにくみちゃん、ビックジョーどうしちゃったの?
遂に頭逝っちゃった?
えっ?当たらずとも遠からず?
文化祭の時に見た演劇部のヒロイン役に恋をした~!?
ビックジョーが!?
うっそ~ん。
話は文化祭の日に遡る。
私佐々木、学校の文化祭出ておりません。
俺を含めた鬼ごっこ同好会桜町っ子部会、通称”黒子チーム”は私立桜泉学園のランウェイを歩いておりました。ちくしょう、何で日程が被るんだ~!
一応学校交流の一環、部活動の対外活動になっているため欠席にはなりません。
そんな事より文化祭に出たかったよ~。(涙目)
そんで文化祭ですが、まあこれがよろしいものだったらしく、西山君曰く”こんなに楽しい気分でお祭り騒ぎに参加できたの初めて”との事。
女子生徒の淑女化、相当なレベルに達しているらしい。
他校から見物に来た俺様軍団、問題らしい問題も起こさずに幸せそうな笑顔で帰って行ったらしい。
聖女じゃん。
んで我がクラスの俺様系わがまま男子代表、ビックジョーこと大塚丈一郎君。演劇部の公演で悲しげに微笑むヒロインちゃんを見て、一発でやられちゃったんだと。
その時の演目が”完全再現、「幸福の王子様」”って言うのがなんとも。
彼女、亡国の姫君役だったらしいよ。
でもその子って確か、「君と二人で」のミュージックビデオに出てた後ろ姿の女の子じゃない?あの時わざと口元から下を映してたから、全体像が分からないようになってたんだよね。
確か二年生の滝沢さんだったっけ?
あの娘、ガチのひろし様Love♥️じゃなかったっけ?
ビックジョー…やっぱ無理じゃね?
(side:大塚丈一郎)
俺の名はビックジョー、佐久間西小ではちょっと名の知れた男だ。
女どもは皆俺に傅き、男どもは俺についてくる。
真のリーダーとはまさに俺のような男の事だ。
中学に入りやや雲行きが怪しくはあるが、なに、サッカー部でスタメンを張る俺様の実力であれば、どうと言う事は無い。
皆は俺様に任せてついてくればいいのだ。
最近周りの様子がおかしい。女子たちの態度がやけに柔らかい。昔の様な媚や怯えが見られない。
まあ、不快な態度では無いから良いが、何が起きているのか。
そう言えば、クラスの岡田がサッカー部を辞めて陸上部に入り直した。
アイツはレギュラーにもなれなかった弱者。まあ、自身の限界を知ったのだろう。
出会いは突然だ。
文化祭の当日、特にやることもない俺は、一人ブラブラ他のクラスの出し物を冷やかしていた。
彼女は偶々入った演劇部の舞台に立っていた。
可憐だった。その儚げな微笑みに心奪われた。
彼女と話しがしたい。
その笑みを俺様のものにしたい。
こんなに強く誰かを求めたのは初めてで、何をどうすれば良いのかまったく分からない。
「はぁ、俺はどうすれば良いんだろうか。」
自然と零れるため息。
窓の外に広がる空には、ただ鱗雲が浮かんでいた。
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