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第二章 中二病には罹りません ー中学校ー
第108話 康太君の無茶振り (2)
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「あぁ、詳しくは僕が話すよ。
皆久しぶり、ヨウツーベ、いつも見てるよ。生き生きしてて、凄く羨ましいよ。それに比べて僕は何で…。
あれ、何かこのテーブル濡れてるね。拭いとかないと。
おかしいな?全然拭き取れないや。」
康太くーん、それって君の涙だから、君今泣いているから、もうテーブル拭かなくていいから!
如月さん、康太君回収して~!!
話しはこっちで聞いておくから。
康太君もそんなに無理しないでいいから、ちょっと休もう?ね?
今うちのマネージャー呼ぶから、少し外で休ませてあげて。
何処からともなく現れた如月さんに一同驚愕の表情を浮かべるが今は無視。
急ぎスマホで絵実ちゃんを呼び出し、康太君を校舎脇のベンチへと案内してもらった。
焦った~!何あれ、康太君どうしちゃったの?
前世で人間関係のストレスやら育児ノイローゼやらが爆発して泣き出した人を見たことあったけど、まさにそれじゃん。
えっ、康太君中学一年生だよね?まだまだお子さまだよね?
私立桜泉学園何やってんの。俺たちはマネジメント部の吉川さんの顔を見る。
吉川さんは取り乱し、何か申し訳なさそうな情けない顔をしている。
「「「はぁ~~~。」」」
桜町っ子一同、仲間の現状にげんなりです。
「こほん、何か後輩が済まなかった。先ほどもご紹介頂いたが改めて。僕は私立桜泉学園の二年生で横田伸一と言う。学園とは関係ないが、プライベートブランド"Sin"を手掛けるファッションデザイナーでもある。
今回、後輩の高木康太に頼まれて、文化祭で行われる学園男子生徒によるファッションショーに手を貸す事となった。その見返りに君たちを紹介してもらい、僕のブランド"Sin"のモデルをしてもらう手筈だったんだが…」
しばらく隣の吉川さんに目を向け、諦めたかの様に大きなため息を一つ。
「学園側から横槍が入った。」
「何処から話しを聞きつけたのか、"Sin"の新作発表を今度の文化祭で行って欲しいとの要請がきた。無論モデルは君たちと男子生徒合同でだ。」
出されている冷めきったお茶をグッと飲み干し、話を続ける。
「もちろん反対したさ、何で私の分身でもある"Sin"の新作発表をあんな馬鹿どもでやらなければ成らない!
確かに最近のモデルには辟易としていたが、素人のそれとは比べる迄もない。
写真映え?
モデルの仕事はいかに服をより良く魅せるかだ、モデルが主役に成ろうとしてどうする!
学園は何も分かっていない。」
横田さんは眉間を揉みながら更に続けた。
「高木の奴はよほど頭に来たのだろう、マネジメント部、鬼龍院校長、理事会へと抗議文を送り、自らの退学すら宣言して抵抗したよ。
しかしながら僕の"Sin"は今最も若者に支持されるファッションブランドだ。
大人たちの欲は度しがたくてね。
最終的に彼のご両親の説得もあり退学は撤回。
今回の件を最後に学園から手を引く事にしたそうだよ。」
無言になる俺たち。
「お話しは分かりました。
横田さんと吉川さんに幾つか質問が。今回俺たち"鬼ごっこ同好会"にモデルの話しが行く事を知ってる人間はどれ程いますか?」
「いや、この件で君たちに話しが行く事を知っているのは、今日のメンバーだけだ。"Sin"の発表を外部の素人を起用して行うと言う所からここまでの騒ぎになったに過ぎないからな。」
「ではもう一点。我々が着る事になる衣装を予め確認する事は出来ますか?」
「あぁ、衣装合わせがあるからな。サイズ調整もあるし、本番の三日前に一度学園に来て欲しい。」
「最後に我々の出番を後半に纏める事は出来ますか?」
「その点は問題ない。馬鹿どもはファッションショーの事など何も分かってない。こちらでどうとでもなる。」
俺たちは無言で目を合わせる。
どうやら心は一つの様だ。
「分かりました。我々の素性をいかなる事があろうとも一切明かさない事を条件に、此のお話しをお受けします。
横田さん、モデルは服を魅せる為の存在。服を輝かせるのが仕事。
その認識でいいんですよね?」
「あぁ、その認識で間違いない。迷惑を掛けるが宜しく頼む。」
「はい、こちらこそ宜しくお願いします。では我々はここで失礼します。」
俺たちは加藤校長に一礼し、校長室を後にした。
「皆この足で被服部に行くよ~。俺らファッションショーの事何て何にも知らないんだから。」
俺は皆に声を掛けた後、スマホを取り出した。
「あ、お母さん?ちょっと頼みがあるんだけど、今時間大丈夫?」
皆久しぶり、ヨウツーベ、いつも見てるよ。生き生きしてて、凄く羨ましいよ。それに比べて僕は何で…。
あれ、何かこのテーブル濡れてるね。拭いとかないと。
おかしいな?全然拭き取れないや。」
康太くーん、それって君の涙だから、君今泣いているから、もうテーブル拭かなくていいから!
如月さん、康太君回収して~!!
話しはこっちで聞いておくから。
康太君もそんなに無理しないでいいから、ちょっと休もう?ね?
今うちのマネージャー呼ぶから、少し外で休ませてあげて。
何処からともなく現れた如月さんに一同驚愕の表情を浮かべるが今は無視。
急ぎスマホで絵実ちゃんを呼び出し、康太君を校舎脇のベンチへと案内してもらった。
焦った~!何あれ、康太君どうしちゃったの?
前世で人間関係のストレスやら育児ノイローゼやらが爆発して泣き出した人を見たことあったけど、まさにそれじゃん。
えっ、康太君中学一年生だよね?まだまだお子さまだよね?
私立桜泉学園何やってんの。俺たちはマネジメント部の吉川さんの顔を見る。
吉川さんは取り乱し、何か申し訳なさそうな情けない顔をしている。
「「「はぁ~~~。」」」
桜町っ子一同、仲間の現状にげんなりです。
「こほん、何か後輩が済まなかった。先ほどもご紹介頂いたが改めて。僕は私立桜泉学園の二年生で横田伸一と言う。学園とは関係ないが、プライベートブランド"Sin"を手掛けるファッションデザイナーでもある。
今回、後輩の高木康太に頼まれて、文化祭で行われる学園男子生徒によるファッションショーに手を貸す事となった。その見返りに君たちを紹介してもらい、僕のブランド"Sin"のモデルをしてもらう手筈だったんだが…」
しばらく隣の吉川さんに目を向け、諦めたかの様に大きなため息を一つ。
「学園側から横槍が入った。」
「何処から話しを聞きつけたのか、"Sin"の新作発表を今度の文化祭で行って欲しいとの要請がきた。無論モデルは君たちと男子生徒合同でだ。」
出されている冷めきったお茶をグッと飲み干し、話を続ける。
「もちろん反対したさ、何で私の分身でもある"Sin"の新作発表をあんな馬鹿どもでやらなければ成らない!
確かに最近のモデルには辟易としていたが、素人のそれとは比べる迄もない。
写真映え?
モデルの仕事はいかに服をより良く魅せるかだ、モデルが主役に成ろうとしてどうする!
学園は何も分かっていない。」
横田さんは眉間を揉みながら更に続けた。
「高木の奴はよほど頭に来たのだろう、マネジメント部、鬼龍院校長、理事会へと抗議文を送り、自らの退学すら宣言して抵抗したよ。
しかしながら僕の"Sin"は今最も若者に支持されるファッションブランドだ。
大人たちの欲は度しがたくてね。
最終的に彼のご両親の説得もあり退学は撤回。
今回の件を最後に学園から手を引く事にしたそうだよ。」
無言になる俺たち。
「お話しは分かりました。
横田さんと吉川さんに幾つか質問が。今回俺たち"鬼ごっこ同好会"にモデルの話しが行く事を知ってる人間はどれ程いますか?」
「いや、この件で君たちに話しが行く事を知っているのは、今日のメンバーだけだ。"Sin"の発表を外部の素人を起用して行うと言う所からここまでの騒ぎになったに過ぎないからな。」
「ではもう一点。我々が着る事になる衣装を予め確認する事は出来ますか?」
「あぁ、衣装合わせがあるからな。サイズ調整もあるし、本番の三日前に一度学園に来て欲しい。」
「最後に我々の出番を後半に纏める事は出来ますか?」
「その点は問題ない。馬鹿どもはファッションショーの事など何も分かってない。こちらでどうとでもなる。」
俺たちは無言で目を合わせる。
どうやら心は一つの様だ。
「分かりました。我々の素性をいかなる事があろうとも一切明かさない事を条件に、此のお話しをお受けします。
横田さん、モデルは服を魅せる為の存在。服を輝かせるのが仕事。
その認識でいいんですよね?」
「あぁ、その認識で間違いない。迷惑を掛けるが宜しく頼む。」
「はい、こちらこそ宜しくお願いします。では我々はここで失礼します。」
俺たちは加藤校長に一礼し、校長室を後にした。
「皆この足で被服部に行くよ~。俺らファッションショーの事何て何にも知らないんだから。」
俺は皆に声を掛けた後、スマホを取り出した。
「あ、お母さん?ちょっと頼みがあるんだけど、今時間大丈夫?」
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