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第二章 中二病には罹りません ー中学校ー
第106話 陰の王の憂鬱 (2)(side:高木康太)
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「横田先輩、今日はこの様な場所にお呼び立てしてしまい、大変申し訳ありませんでした。また、その様な無礼にもかかわらずお越し頂き、誠にありがとうございます。」
「あぁ、そう言うのはいいから。君の事はスタジオGreenの三田先生から聞いてるから。単刀直入に聞くけど、僕に何をさせたいの?」
彼は中等部二年生の横田伸一。
分類上その他に含まれる生徒だ。事の起こりは、僕がスタジオGreenの三田よし子先生に連絡した時に遡る。
桜泉学園におけるひろし君対策は、概ね順調に推移していた。
女子生徒の統制は、生徒会庶務の田中かおり先輩とクラスメートの三好久美子を中心とした、「ひろし様大好きクラブ"サロン"」によって完璧に管理されていた。親友からもたらされた「"君と二人で"ミュージックビデオ&ミニドラマスペシャルDVD」は、"サロン"限定で配布され、その結束をより強固なものとした。
また、文化祭で企画されている「"hiroshi on Stage"一夜の夢を貴女に」は、彼女たちの不満を解消する一助となった。待望の舞台は、その期待を弥が上にも膨らませた。
"hiroshi"様の人気は青天井、もはや信仰の域と言ってよい。問題は文化祭当日その絶対的格差を見せつけられる皇一副生徒会長一派だ。
何とか彼らに注目を集めなければならない。幸い、彼らの関心は外部からの注目にシフトしている。これを利用しない手はない。
僕はマネジメント部の吉川さんを通じ、鬼龍院校長に、「皇一副生徒会長一派をモデルとしたファッションショー」を提案した。
そして現在。
スタジオGreenの三田先生に相談した所、丁度いい奴がいると紹介されたのがこちらの横田伸一先輩である。
彼は既に大手ファッションブランドからオファーを受ける新進気鋭のデザイナー。プライベートブランド"Sin"は、若者を中心として絶大な人気を誇っている。
「はい、ではこちらも遠慮なく申し上げます。横田先輩には、次の文化祭で行われるファッションショーで、皇一副生徒会長を中心とした男子生徒をモデルとした、若者向けのショーを行って頂きたく考えております。」
「帰っていいかな?何でこの僕があのバカどもと仕事をしないといけないの?喧嘩売る気なら買うよ?」
僕は、ノートパソコンでヨウツーベのとある動画を再生させながら告げる。
「横田先輩は常々男性モデルのあまりの質の悪さにうんざりされているとか。」
モニター画面には躍動感溢れる青年たちの姿。それを食い入る様に見つめる横田先輩。
「彼らが着る"Sin"の新作ショー。
観たくはありませんか?」
すまん、僕の為に死んでくれ、親友!!
「あぁ、そう言うのはいいから。君の事はスタジオGreenの三田先生から聞いてるから。単刀直入に聞くけど、僕に何をさせたいの?」
彼は中等部二年生の横田伸一。
分類上その他に含まれる生徒だ。事の起こりは、僕がスタジオGreenの三田よし子先生に連絡した時に遡る。
桜泉学園におけるひろし君対策は、概ね順調に推移していた。
女子生徒の統制は、生徒会庶務の田中かおり先輩とクラスメートの三好久美子を中心とした、「ひろし様大好きクラブ"サロン"」によって完璧に管理されていた。親友からもたらされた「"君と二人で"ミュージックビデオ&ミニドラマスペシャルDVD」は、"サロン"限定で配布され、その結束をより強固なものとした。
また、文化祭で企画されている「"hiroshi on Stage"一夜の夢を貴女に」は、彼女たちの不満を解消する一助となった。待望の舞台は、その期待を弥が上にも膨らませた。
"hiroshi"様の人気は青天井、もはや信仰の域と言ってよい。問題は文化祭当日その絶対的格差を見せつけられる皇一副生徒会長一派だ。
何とか彼らに注目を集めなければならない。幸い、彼らの関心は外部からの注目にシフトしている。これを利用しない手はない。
僕はマネジメント部の吉川さんを通じ、鬼龍院校長に、「皇一副生徒会長一派をモデルとしたファッションショー」を提案した。
そして現在。
スタジオGreenの三田先生に相談した所、丁度いい奴がいると紹介されたのがこちらの横田伸一先輩である。
彼は既に大手ファッションブランドからオファーを受ける新進気鋭のデザイナー。プライベートブランド"Sin"は、若者を中心として絶大な人気を誇っている。
「はい、ではこちらも遠慮なく申し上げます。横田先輩には、次の文化祭で行われるファッションショーで、皇一副生徒会長を中心とした男子生徒をモデルとした、若者向けのショーを行って頂きたく考えております。」
「帰っていいかな?何でこの僕があのバカどもと仕事をしないといけないの?喧嘩売る気なら買うよ?」
僕は、ノートパソコンでヨウツーベのとある動画を再生させながら告げる。
「横田先輩は常々男性モデルのあまりの質の悪さにうんざりされているとか。」
モニター画面には躍動感溢れる青年たちの姿。それを食い入る様に見つめる横田先輩。
「彼らが着る"Sin"の新作ショー。
観たくはありませんか?」
すまん、僕の為に死んでくれ、親友!!
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