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第二章 中二病には罹りません ー中学校ー
第99話 夏だ、海だ、合宿だ! (6)
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疲れたわ~。
海合宿に来て一度も泳げないとか、本当もうね。
アイツら好き放題しやがって、こっちの身に成れっての。
石川先輩を巡る映像研究会女子の攻防は、一時抗争に発展しそうなほどヒートアップ。
野口さんのナイスインターセプトと見事な説得でこれを回避。
スポーツドリンクを自棄飲みして愚痴る姿があまりに不憫だったんで、犬の様に走り回ってた”桜町っ子”を召喚。
思いっきり慰めてもらいました。
君たちの協力に感謝。(敬礼)
他にも西山君が海で足攣って木村君に救助されたり、迷子になった映像研究会の男子を探しに行ったら、知らないお姉さまにナンパされてるんでこれを回収したり、現実に戻って来た西城さんが”英雄様?英雄様はどこですか!?”って掴みかかってきたりってもうね。
自由か、お前らは自由人か!
最後まで付き合ってくれた野口さんには本当に感謝です。心より”ありがとう”を申し上げます。
「べ、別にいいわよ、佐々木だって頑張ったんだから。今度何か奢りなさいよね。」
おう任せろ、駄菓子屋のエビ玉もんじゃ奢っちゃる。
”あぁ、もう、こいつってばそう言う事をサラッと言うんだから~。”って頭抱えてどうしたの?
佐藤先生はどうしたのかって?
う~ん、なんかカルチャーショックにやられちゃったみたいで、今日は使い物にならないから木陰で休ませてます、はい。
「はい、みんな集合~!」
”ドタドタドタドタドタッ“
おお、こういう所はさすが鬼ごっこ同好会、動きがいい。
「みなさん、今日の海は楽しめましたか~。」
「「「「は~~~~~い!」」」」
「はい、それは良かったです。この合宿も今日が最終日、明日には帰ることになります。皆さん本当によく頑張ってくれました。
桜町っ子はもともと基礎体力が出来ていたけど、新規加入組にはとてもきつかったと思います。それでも弱音を吐かず最後までよく頑張ってくれました、本当にありがとう。部長として君たちを大変誇らしく思います。
で、この合宿の最後にもう一つ思い出をプレゼントしたいと思います。
宿の女将さんに聞いたのですが、防風林のお散歩ロードの先に古びたお堂があるそうです。昨晩こっそり確認しに行ったんですが、なかなか雰囲気のある場所でした。
そこで今夜、最後の夜にみんなで肝試しを行いたいと思います。
ルールは簡単、お堂まで行って一人一個お守りを取り帰ってくるだけ。途中脇道もないし迷う事もありません。おかみさんに頼んで既にお堂には目印のお守りを人数分用意してもらっています。従業員の方に隠れて監視してもらっているので安全です。(性的に)」
砂浜に一本のラインを引く。
いち、にい、さん…、大股三十歩ほどん離れたところにもう一本ラインを引く。
「では女性陣はこちらのラインに整列してください。男性陣はそうです、そっちのラインに整列して。
ではこれより、肝試しの組み合わせを決めたいと思います。
やはりここは鬼ごっこ同好会らしいやり方で。
女性陣は今回鬼です。一緒に回りたい相手がいれば頑張って捕まえてください。
男性陣、嫌なら逃げ切って見せろ、それがこの合宿の集大成だ!
今から一分作戦タイムを設ける、時間が来たら合図の笛でデットオアアライブの開催だ!
作戦タイムはじめ。」
ケッケッケ、男どもめ、俺が夢にまで見た青春を謳歌しやがって、散々パラ楽しみやがって。俺は執念深いんだ、最後にしっかり追いかけられやがれ!
「おい、佐々木。」
ん?どうしたの木村君、何か質問?
「これって女性に捕まったら、その相手がパートナーって事でいいんだよな?」
そうだよ?何か問題あった?
「そうか、解った。」
一人ラインから前に出て女性陣に近づく木村君。
西城さんの前に行ったかと思ったら、いきなり片膝を付き右手を差し出した。
「西城、俺のパートナーは常にお前しかいないと思っている。至らぬ俺だが、この手を取ってはくれないか?」
暫く固まる西城さん。だが不意にほほ笑むと、ゆっくりとその手を掴んだ。
「はい、英雄様。生涯お傍に。」
えっ、これ何?
気付けば今度は石川先輩が斎藤部長の前にいて
「おい、一緒に行くぞ。」
「はい!」
今度は西山君が走って来たと思ったら
「みっちゃんにくみちゃん、お願い、一緒に回って!!」
「「よろこんで!!」」
それを皮切りに元引き籠り組が次々とパートナーを決め始めた。
残され、砂浜に両手を付き、打ちひしがれ、滂沱の涙を流し嗚咽を漏らす女子たち…。
「・・・・・(クイッ)」
「「「・・・・・(コクン)」」」
なんか遠い目をしていた桜町っ子たちに無言で合図を送り、彼女たちを慰めてもらいました。
すげー罪悪感。
ちょっとしたお茶目だったのに、どうしてこうなった。
ん?なんか服の裾引っ張られてるって野口さん、どうしたの?
「佐々木一緒に回る相手居ないんでしょ、だから私が回ってあげるわよ。」
いや、野口さ「絵実」…えみちゃ「絵実でいいわよ。」えっと、絵実。
う~ん、じゃあよろしくね。
「うん♪」
”グホッ“
なんか凄い衝撃来たんですけど。
何、このかわいい生き物、普段と違いすぎるんですけど。
あのみなさん、これって肝試しの相手決めてるだけですからね?
引き籠り組がさっさと相手を決めたのだって、草食獣的危険回避だからね?
女子の皆さん凄いガッツポーズ決めてるけど、恋愛的なサムシングじゃないからね?
西城さんと斎藤部長~、なんかトリップしちゃってるぞ~。返ってこ~い!!
本当どうしてこうなった!?
海合宿に来て一度も泳げないとか、本当もうね。
アイツら好き放題しやがって、こっちの身に成れっての。
石川先輩を巡る映像研究会女子の攻防は、一時抗争に発展しそうなほどヒートアップ。
野口さんのナイスインターセプトと見事な説得でこれを回避。
スポーツドリンクを自棄飲みして愚痴る姿があまりに不憫だったんで、犬の様に走り回ってた”桜町っ子”を召喚。
思いっきり慰めてもらいました。
君たちの協力に感謝。(敬礼)
他にも西山君が海で足攣って木村君に救助されたり、迷子になった映像研究会の男子を探しに行ったら、知らないお姉さまにナンパされてるんでこれを回収したり、現実に戻って来た西城さんが”英雄様?英雄様はどこですか!?”って掴みかかってきたりってもうね。
自由か、お前らは自由人か!
最後まで付き合ってくれた野口さんには本当に感謝です。心より”ありがとう”を申し上げます。
「べ、別にいいわよ、佐々木だって頑張ったんだから。今度何か奢りなさいよね。」
おう任せろ、駄菓子屋のエビ玉もんじゃ奢っちゃる。
”あぁ、もう、こいつってばそう言う事をサラッと言うんだから~。”って頭抱えてどうしたの?
佐藤先生はどうしたのかって?
う~ん、なんかカルチャーショックにやられちゃったみたいで、今日は使い物にならないから木陰で休ませてます、はい。
「はい、みんな集合~!」
”ドタドタドタドタドタッ“
おお、こういう所はさすが鬼ごっこ同好会、動きがいい。
「みなさん、今日の海は楽しめましたか~。」
「「「「は~~~~~い!」」」」
「はい、それは良かったです。この合宿も今日が最終日、明日には帰ることになります。皆さん本当によく頑張ってくれました。
桜町っ子はもともと基礎体力が出来ていたけど、新規加入組にはとてもきつかったと思います。それでも弱音を吐かず最後までよく頑張ってくれました、本当にありがとう。部長として君たちを大変誇らしく思います。
で、この合宿の最後にもう一つ思い出をプレゼントしたいと思います。
宿の女将さんに聞いたのですが、防風林のお散歩ロードの先に古びたお堂があるそうです。昨晩こっそり確認しに行ったんですが、なかなか雰囲気のある場所でした。
そこで今夜、最後の夜にみんなで肝試しを行いたいと思います。
ルールは簡単、お堂まで行って一人一個お守りを取り帰ってくるだけ。途中脇道もないし迷う事もありません。おかみさんに頼んで既にお堂には目印のお守りを人数分用意してもらっています。従業員の方に隠れて監視してもらっているので安全です。(性的に)」
砂浜に一本のラインを引く。
いち、にい、さん…、大股三十歩ほどん離れたところにもう一本ラインを引く。
「では女性陣はこちらのラインに整列してください。男性陣はそうです、そっちのラインに整列して。
ではこれより、肝試しの組み合わせを決めたいと思います。
やはりここは鬼ごっこ同好会らしいやり方で。
女性陣は今回鬼です。一緒に回りたい相手がいれば頑張って捕まえてください。
男性陣、嫌なら逃げ切って見せろ、それがこの合宿の集大成だ!
今から一分作戦タイムを設ける、時間が来たら合図の笛でデットオアアライブの開催だ!
作戦タイムはじめ。」
ケッケッケ、男どもめ、俺が夢にまで見た青春を謳歌しやがって、散々パラ楽しみやがって。俺は執念深いんだ、最後にしっかり追いかけられやがれ!
「おい、佐々木。」
ん?どうしたの木村君、何か質問?
「これって女性に捕まったら、その相手がパートナーって事でいいんだよな?」
そうだよ?何か問題あった?
「そうか、解った。」
一人ラインから前に出て女性陣に近づく木村君。
西城さんの前に行ったかと思ったら、いきなり片膝を付き右手を差し出した。
「西城、俺のパートナーは常にお前しかいないと思っている。至らぬ俺だが、この手を取ってはくれないか?」
暫く固まる西城さん。だが不意にほほ笑むと、ゆっくりとその手を掴んだ。
「はい、英雄様。生涯お傍に。」
えっ、これ何?
気付けば今度は石川先輩が斎藤部長の前にいて
「おい、一緒に行くぞ。」
「はい!」
今度は西山君が走って来たと思ったら
「みっちゃんにくみちゃん、お願い、一緒に回って!!」
「「よろこんで!!」」
それを皮切りに元引き籠り組が次々とパートナーを決め始めた。
残され、砂浜に両手を付き、打ちひしがれ、滂沱の涙を流し嗚咽を漏らす女子たち…。
「・・・・・(クイッ)」
「「「・・・・・(コクン)」」」
なんか遠い目をしていた桜町っ子たちに無言で合図を送り、彼女たちを慰めてもらいました。
すげー罪悪感。
ちょっとしたお茶目だったのに、どうしてこうなった。
ん?なんか服の裾引っ張られてるって野口さん、どうしたの?
「佐々木一緒に回る相手居ないんでしょ、だから私が回ってあげるわよ。」
いや、野口さ「絵実」…えみちゃ「絵実でいいわよ。」えっと、絵実。
う~ん、じゃあよろしくね。
「うん♪」
”グホッ“
なんか凄い衝撃来たんですけど。
何、このかわいい生き物、普段と違いすぎるんですけど。
あのみなさん、これって肝試しの相手決めてるだけですからね?
引き籠り組がさっさと相手を決めたのだって、草食獣的危険回避だからね?
女子の皆さん凄いガッツポーズ決めてるけど、恋愛的なサムシングじゃないからね?
西城さんと斎藤部長~、なんかトリップしちゃってるぞ~。返ってこ~い!!
本当どうしてこうなった!?
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