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第二章 中二病には罹りません ー中学校ー
第98話 夏だ、海だ、合宿だ! (5)
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「はい、ボール行ったわよ!」
「それ!」
“バシッ“
”ザッパシン”
「よっしゃ!ボール上がったぞ、絶対決めろ!」
「任せろ!」
”ザッパシン”
”ポスッ”
「「イェ~イ、ナイスアタック!」」
「「石川せんぱ~い♡、一緒に泳ぎませんか~♡」」
「あ、ああ。俺は構わないが…。」
”ガシッ”
「あんたはこっち。」
「お、おう。」
「「せんぱ~い!!」」
「「西山く~ん、日焼け止め塗ってあげるね♪」」
「あぁ、みっちゃんにくみちゃん、どうもありがとう。背中が塗れなくってどうしようかと思ってたんだ。お願いできる?」
「「うん、もちろん。それが終わったら私たちもお願いできる?」」
「え、いや、その、は、はい。」
「「やった~!!」」
青春やな~。
善きかな善きかな。
”スパンッ”
って痛った、いきなり人の頭叩くんじゃないっての、誰よ一体って野口さん?
「何一人で黄昏てんのよ、さっきからおばあちゃんみたいなこと言って。」
いやね、皆さん青春してるな~っと思って。
今の世の中こんな光景めったに見られないよ、本当。
ドラマでも見た事ないもん。
佐藤先生なんか感動で涙流してるじゃん。
「えっ、でも佐藤先生さっきから”なんで私は見ているだけなの?私の学生の頃はこんなこと全くなかったわよ?なんで私は先生なの?”ってぶつぶつ自問自答していて怖いんだけど。」
ま、まあ、先生も色々大変なんだよ。そこはほら、みんなで察してあげるのが優しさだと、僕は思うな~、うん。(遠い目)
「それで何で佐々木はここでボケ~っと眺めてるのよ。」
いや~、皆さんの見守りと言いますか、監視?
いつもは西城さんがいるから安心だったんだけど、今朝見たら西城さんなんかね~。
隣のパラソルに座る西城さんを見る。
さっきから口元ニマニマしていてかなりドン引き。
サングラス姿で分かりにくいけどあれ絶対ニヤケてるって。
露天風呂の会話聞いてたな、あれは。
暫く使い物にならないぞ、これ。
「はぁ~、仕方が無いから私も付き合ってあげるわよ。」
え、マジ、凄く助かるんだけど。でもいいの、せっかく海に遊びに来たのに。
本当無理しなくていいんだからね?
「佐々木は気にし過ぎなのよ、もっと周りを頼りなさい。それと私の事はいいのよ、一緒に遊ぼうと思ったみっちゃんとくみちゃんがアレだから。」
野口さんが指さす方を見ると…、西山が二人に日焼け止めを塗ってるだと!?
何だアイツ!
こないだまで”僕、女子が怖いんだ。(ぷるぷる)”とか言ってたんじゃないんかい!
この私を差し置いてハーレムですと!?
何たる理不尽、顔か、やっぱり顔なのか~!!(血涙)
「佐々木、凄い顔になってるわよ。ちょっと落ち着きなさいっての。
ほら、スポドリでも飲んで、クールダウン、クールダウン。」
あ、ありがとう。俺とした事が、つい我を忘れる所でした。反省反省。
じゃあ、お言葉に甘えて手伝ってくれる?
野口さんもこのキャップ被ってね。
「なにこれ?前の所に思いっきり”防犯”って書いてあるんだけど?」
あぁ、これ?桜町の町内見守り隊のキャップ。
子供の登下校の時とか、交通量の多い所や危険な場所付近で街のお姉さま方が見守りをしてくれてるの。
駄菓子屋のおばちゃんが元締めやってて俺もいくつか貰ったから、今日の記念に上げるね。
「え、えぇ、ありがとう。でもなんで今防犯?
海が危険なのは分かるけどニュアンス違わない?」
あぁ、それはあそこの女子たちが理性を失っておいたをしないように防犯を…。
「…えぇ、分かったわ。」
防犯キャップを被りサングラスを身に着ける。
日常の平和はいつも陰で支える誰かによって守られる。
俺たちの暑い夏は終わらない。
「それ!」
“バシッ“
”ザッパシン”
「よっしゃ!ボール上がったぞ、絶対決めろ!」
「任せろ!」
”ザッパシン”
”ポスッ”
「「イェ~イ、ナイスアタック!」」
「「石川せんぱ~い♡、一緒に泳ぎませんか~♡」」
「あ、ああ。俺は構わないが…。」
”ガシッ”
「あんたはこっち。」
「お、おう。」
「「せんぱ~い!!」」
「「西山く~ん、日焼け止め塗ってあげるね♪」」
「あぁ、みっちゃんにくみちゃん、どうもありがとう。背中が塗れなくってどうしようかと思ってたんだ。お願いできる?」
「「うん、もちろん。それが終わったら私たちもお願いできる?」」
「え、いや、その、は、はい。」
「「やった~!!」」
青春やな~。
善きかな善きかな。
”スパンッ”
って痛った、いきなり人の頭叩くんじゃないっての、誰よ一体って野口さん?
「何一人で黄昏てんのよ、さっきからおばあちゃんみたいなこと言って。」
いやね、皆さん青春してるな~っと思って。
今の世の中こんな光景めったに見られないよ、本当。
ドラマでも見た事ないもん。
佐藤先生なんか感動で涙流してるじゃん。
「えっ、でも佐藤先生さっきから”なんで私は見ているだけなの?私の学生の頃はこんなこと全くなかったわよ?なんで私は先生なの?”ってぶつぶつ自問自答していて怖いんだけど。」
ま、まあ、先生も色々大変なんだよ。そこはほら、みんなで察してあげるのが優しさだと、僕は思うな~、うん。(遠い目)
「それで何で佐々木はここでボケ~っと眺めてるのよ。」
いや~、皆さんの見守りと言いますか、監視?
いつもは西城さんがいるから安心だったんだけど、今朝見たら西城さんなんかね~。
隣のパラソルに座る西城さんを見る。
さっきから口元ニマニマしていてかなりドン引き。
サングラス姿で分かりにくいけどあれ絶対ニヤケてるって。
露天風呂の会話聞いてたな、あれは。
暫く使い物にならないぞ、これ。
「はぁ~、仕方が無いから私も付き合ってあげるわよ。」
え、マジ、凄く助かるんだけど。でもいいの、せっかく海に遊びに来たのに。
本当無理しなくていいんだからね?
「佐々木は気にし過ぎなのよ、もっと周りを頼りなさい。それと私の事はいいのよ、一緒に遊ぼうと思ったみっちゃんとくみちゃんがアレだから。」
野口さんが指さす方を見ると…、西山が二人に日焼け止めを塗ってるだと!?
何だアイツ!
こないだまで”僕、女子が怖いんだ。(ぷるぷる)”とか言ってたんじゃないんかい!
この私を差し置いてハーレムですと!?
何たる理不尽、顔か、やっぱり顔なのか~!!(血涙)
「佐々木、凄い顔になってるわよ。ちょっと落ち着きなさいっての。
ほら、スポドリでも飲んで、クールダウン、クールダウン。」
あ、ありがとう。俺とした事が、つい我を忘れる所でした。反省反省。
じゃあ、お言葉に甘えて手伝ってくれる?
野口さんもこのキャップ被ってね。
「なにこれ?前の所に思いっきり”防犯”って書いてあるんだけど?」
あぁ、これ?桜町の町内見守り隊のキャップ。
子供の登下校の時とか、交通量の多い所や危険な場所付近で街のお姉さま方が見守りをしてくれてるの。
駄菓子屋のおばちゃんが元締めやってて俺もいくつか貰ったから、今日の記念に上げるね。
「え、えぇ、ありがとう。でもなんで今防犯?
海が危険なのは分かるけどニュアンス違わない?」
あぁ、それはあそこの女子たちが理性を失っておいたをしないように防犯を…。
「…えぇ、分かったわ。」
防犯キャップを被りサングラスを身に着ける。
日常の平和はいつも陰で支える誰かによって守られる。
俺たちの暑い夏は終わらない。
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